鉄道
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路上を自由自在に走行できる道路交通とは違い、レールの上しか走行できないという制約があるため、わずかな障害によって広範囲で正常運転ができなくなることが多い[20]人身事故が発生すると、多くの列車に影響が出る[21]。また土砂災害地震など、自然災害を受けると復旧までにかなりの時間を要し、迂回路がない場合、バスなどの代替輸送に頼らざるを得ない。強風にも弱く、強風のため長時間運行が停止されることもしばしば発生する[22]。ただし積雪の際に自動車よりも安全に運行できる鉄道は、地域によっては冬場の市民の貴重な足となりうる。

鉄道は建設と維持に莫大な費用を必要とし、特に地方の閑散線区では採算性が低くなりやすい[23]。それでも鉄道の維持を選択する場合は、公的資金の投入が必要となることがある。一例を挙げると、2011年(平成23年)7月の豪雨災害で不通となったJR東日本只見線会津川口 - 只見間は、線路などを地元自治体が所有する「上下分離方式」を採用して復旧することが決定した。復旧に際し沿線市町村と福島県は復旧費を約54億円負担し、復旧後は沿線市町村と福島県が年間運営費として約2億1000万円負担することになると見積もられている[24]
環境負荷
CO2

鉄道はエネルギーあたりの輸送効率が良く、自動車交通や航空交通などと比較して排出される二酸化炭素 (CO2) が少ない。東京-大阪の旅客輸送について、鉄道と自動車一人あたりの二酸化炭素排出量を試算すると、鉄道は自動車の6分の1であると報告されている[25]
排気中の汚染物質

かつては蒸気機関車の煤煙が大きな問題であったが、日本国内の鉄道は電化が進み、ディーゼル機関を利用した非電化鉄道が残っているものの、排気中の汚染物質が問題になることは少ない。

一方、国外(主に発展途上国)においては電化されていない鉄道が現在も大量に走っており、そうした地域では大気汚染の大きな原因の一つとなっている[26][27][28]
開発に伴う自然破壊

新規開発は地域の利便性が大きく向上し経済発展に繋がるが、森林等自然が残るエリアを開拓する形で行われるため自然破壊森林破壊)に直結している。ブラジルアマゾン熱帯雨林の鉄道を含む開発事業は国際的に大きな非難を浴びている。また日本国内ではリニア新幹線の開発が現地住民やNGOなどから批判され、抗議運動を起こされている[29][30][31][32]
世界の鉄道現在の世界の鉄道のネットワーク(2022年)世界の軌間規格の違い。
国際鉄道輸送「:en:Category:International rail transport」も参照
各地域、各国の鉄道詳細は「世界の鉄道一覧」を参照各国の路線長の一覧については「国の鉄道路線長順リスト」を参照輸送量ランキングについては「国の鉄道利用順リスト」を参照
脚注[脚注の使い方]
注釈^ 鉄製のレールによる方式は、鉄道事業法に基く国土交通省令である「鉄道事業法施行規則」において、普通鉄道と分類され、在来線、新幹線地下鉄等を含む多くの鉄道がこの形態である。英語でtramwayと呼ばれる路面電車も同じ形態であるが、日本の法律では軌道法により管轄され、「鉄道」ではなく「軌道」と区分される。ただし、例外も多く、鉄道と軌道の境界は曖昧と言えば曖昧である。
^ 国土交通省運輸部門の地球温暖化対策について によると旅客輸送では営業用乗用車・自家用乗用車・航空・バス、貨物輸送では自家用貨物車・営業用貨物車・船舶に比べて輸送量あたりの排出量が少ない。

出典^ デジタル大辞泉「鉄道」
^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj ak al am 小学館『日本大百科全書』(ニッポニカ)「鉄道」西尾源太郎


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