鉄道員_(小説)
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鉄道員(ぽっぽや)
監督降旗康男
脚本岩間芳樹
降旗康男
原作浅田次郎
製作「鉄道員」製作委員会
出演者高倉健
大竹しのぶ
広末涼子
吉岡秀隆
安藤政信
志村けん
奈良岡朋子
田中好子
小林稔侍
音楽国吉良一
主題歌坂本美雨「鉄道員」
撮影木村大作
編集西東清明
製作会社東映東京撮影所
配給東映
公開 1999年6月5日
上映時間112分
製作国 日本
言語日本語
製作費6億円[3][4]
配給収入20億5000万円[5]
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「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影に使用されたキハ40 764 2005年1月9日 石北本線金華駅にて「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影に使用されただるま食堂の建物と、キハ40 764の保存車体 2007年5月4日 根室本線幾寅駅前にて

平成11年(1999年)6月5日公開。高倉健が『動乱』以来19年ぶりに東映映画に出演した作品である[6][7]90年代を象徴するアイドルとして人気絶頂期だった広末涼子との共演や[6]、映画への出演が初めてであった志村けんの起用[6]、高倉とは初共演となる大竹しのぶ[6]坂本龍一による主題歌なども話題を集めた[6]

公開時期に放送されていた北海道の駅を舞台とした連続テレビ小説すずらん』と併せて、JR北海道JR東日本によるオレンジカードなどの販売、両作の撮影協力を発端にSLすずらん号運転開始という形で北海道で蒸気機関車が復活するといったタイアップも実現した。

映画版は原作のイメージを損なうことなく[6]、より幻想的に創りあげた[6]。本編上の時間軸は、幌舞線の廃止と乙松が退職を迎える寸前の現代の歳末から正月明けにかけてで、加えて乙松が回想する形式で、かつて炭坑の町だった幌舞に暮らしてきた人々にもスポットを当てている。

志村けんは2020年12月公開予定の映画『キネマの神様』に主演予定だったが[注 1]、クランクインを待たずに急逝した為、ドリフの映画やアニメ映画の吹き替え等を除くと本作が生涯唯一の実写映画出演作となった。

キャッチコピーは「男が守り抜いたのは、小さな駅と、娘への想い。」「1人娘を亡くした日も、愛する妻を亡くした日も、男は駅に立ち続けた…」[6]
キャスト
佐藤乙松:
高倉健
幌舞線とともに生きてきた鉄道員。蒸気機関車カマ焚き機関士を経て、昭和52年(1977年)より幌舞駅長を任じられ、定年を迎える。「おっかない性格」を自負しているが、鉄道員一筋。常に列車到着時刻を気にかけ、静枝が亡くなっても「ぽっぽや」だからとなかなか涙を見せなかった。寡黙だが部下や同僚を気遣っており「乙松さん」と慕われている。
佐藤静枝:大竹しのぶ
乙松の妻。乙松とともに駅を支える存在。身体が弱く、暫く子供に恵まれず、ようやく授かった雪子も亡くす。雪子の死後しばらく経過した現在より2年前に病死。乙松は雪子の時と同じく仕事から離れられず(交替人員がいなかったことが理由)、最期を看取れなかった。
佐藤雪子
乙松と静枝が結婚後17年を経てようやく授かった一人娘。両親から可愛がられたが、生後わずか2ヶ月で病死。乙松は仕事から離れられず、最期を看取れなかった。
三姉妹:三女(小学校就学前)山田さくや、二女(小学校6年生)谷口紗耶香、長女(高校1年生)広末涼子
ある日幌舞駅のホームに人形を抱えた女児が現れた。彼女が帰った後、当日の勤務を終えた乙松が駅舎に戻ると、なぜか女児の持っていた人形がそこにあった。その夜、夜半過ぎに彼女の姉が人形を受け取りに駅舎を訪れる。彼女は乙松と同じ「佐藤」姓を名乗り、また来ると言って帰ったが、なぜか人形は持ち帰らなかった。翌日の夕刻、激しい吹雪の中、乙松が駅舎に戻ると、昨日現れた二人の姉が待っていた。彼女はなぜか昔の美寄高校の制服を着ており、「正月休みで遊びに来た」と話した。乙松は三姉妹が近所の円妙寺の住職の孫だと思い込んでいた。しかし、住職からの電話の折に乙松が「お孫さんをすっかり引き留めちまって・・・」と言うと、住職は「娘も孫も帰ってきていない」と答え、乙松は3人の少女の正体を知る。
杉浦仙次:小林稔侍
乙松の同僚。互いに「乙さん」「仙ちゃん」と呼び合う仲。幌舞線の機関士を経て、幌舞線のターミナル駅である美寄駅長に昇進。若い頃は血の気が多かったようだが、今では孫にデレデレしている好々爺。退職後はトマムのホテル(本編では美寄駅に東京のデパートとJRの合弁でできるとされる駅ビル)へJRのコネで重役待遇で天下りすることになっている。乙松にも勇退後の再就職を誘い[8]に正月に幌舞駅を訪れる。
杉浦明子:田中好子
仙次の妻。仙次から「おっかあ」と呼ばれる。乙松に代わって静枝の最期を仙次と共に看取り、最期を看取れなかった乙松を強く責めていた。仙次と同じくらい乙松の人柄をよく知り、静枝の亡き後は支えになった。
杉浦秀男:吉岡秀隆
仙次と明子の長男。乙松からは「秀坊」と呼ばれる。幌舞線で高校へ通っていたことから乙松に感謝している。JR北海道の札幌本社(鉄道事業本部)の事務職。乙松の退職後を案じ、定年後の働き口をJRの中で探すも、どこからも良い返事はもらえずにいる。内示より早く、乙松へ幌舞線の廃止を電話で伝えた。
杉浦由美:大沢さやか
秀男の妻。
吉岡肇:志村けん
閉山した筑豊炭鉱から、長期間石炭が掘れるからと幌舞へ移住してきた期間工の炭坑夫。酒癖の悪さが原因で妻と離婚。離婚後は息子の敏行を連れて幌舞で暮らすが、前述の酒癖の悪さもあり、息子を満足に育てられなかった。幌舞炭鉱事故で死んだ。
吉岡敏行:松崎駿司(小学生)→加藤敏行:安藤政信
肇の長男。母親が妹を連れて逃げた後は父親との二人暮らしだった。肇の死で孤児となった彼を乙松と静枝が養子にしようと考えたが、静枝が病気がちで難しかったため、代わりに加藤ムネが引取って養子にした。成長後は料理人となる。北イタリアボローニャで数年間料理修行をし、帰国後札幌イタリア料理店「ロコモティーヴァ(イタリア語で機関車の意)」を開店した。
加藤ムネ:奈良岡朋子
幌舞駅前で「だるま食堂」を長く営んでいた。敏行からは「ばっちゃん」と呼ばれる。肇の死去に伴い、敏行を引き取って育ての母となる。過疎化の影響で客が減ったために食堂を畳んだ。
飯田:中本賢
幌舞の出身で幌舞線の運転士。同線廃線後の生活に不安を感じている。
その他の出演者


川口:平田満

新村:江藤潤

中野:西村譲

店員:中原理恵

集配人:板東英二

牛乳配達:きたろう

坑夫:本田博太郎木下ほうか田中要次町田政則濱近高徳俊藤光利吉田祐健、岡田健一郎


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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