本作の世界で、人間に準じた権利と地位をロボットに保証し、かつロボットが守るべき義務を定めた法律。アトムがサーカス団からお茶の水博士に引き取られたのも、この法律の制定の結果であるとされている。ただし、最初の『アトム大使』ではこの設定は登場しておらず、その後の連載やテレビアニメ化の過程で内容が徐々に追加されていった。『少年』連載版で具体的な内容が登場するのは「海蛇島の巻」「幽霊製造器の巻」「キリストの目の巻」「青騎士の巻」である。このうち、同法にまつわるジレンマを掘り下げて描いた「青騎士の巻」で最も詳しく紹介されている。
アイザック・アシモフ作品におけるロボット工学三原則と内容的に重なる部分もあるが、手塚自身は、本作のロボット法は独自に考案したものであると説明していた[注 22]。
ロボット兵器をめぐる議論の中で、この「ロボット法」が取り上げられている[15]。
手塚治虫による漫画作品の連載・掲載誌
1951年4月号 - 1952年3月号 月刊誌の『少年』(光文社)に「アトム大使」を連載[注 23]。
1952年4月号 - 1968年3月号 『少年』(光文社)に「鉄腕アトム」として 月刊本誌と付録で連載[注 24]。
1953年10月号 - 1953年12月号 『漫画少年』(学童社) 「アトム大使」のリメイク版。
1964年8月 - 1966年11月 『鉄腕アトムクラブ』(虫プロダクション友の会) ファンクラブ会報誌。一部の号は代筆作品。
1965年1月3日号 『サンデー毎日』(毎日新聞社) 「ひょうたんなまず危機一発」掲載。
1967年1月24日 - 1969年2月28日 『サンケイ新聞』。単行本時に「アトム今昔物語」に改題、設定も変更(後述)[注 25]。
1969年3月号 『ビッグコミック』 ショートショート「アトムの恋人」掲載。
1970年7月号 『別冊少年マガジン』 「アトムの最後」掲載。50年後のエピソード。
1972年4月号 - 1973年3月号 『小学四年生』(小学館) TV最終話の続編。「アトム還る」に改題。前半のみ単行本に収録。
1972年4月号 - 1973年3月号 『小学一年生』(小学館) 小学四年生版と同設定、単行本未収録。
1975年6月20日発行 単行本サンコミックス版(朝日ソノラマ)で「アトム誕生」書き下ろし。