鉄腕アトム_(アニメ第2作)
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本作では第1話の設定年代は2030年となっており、原作のアトム誕生の年である2003年、およびアニメ第1作の設定2013年のいずれからも変更されている。

声優陣は当時の慣習として放送局が変わる毎に声優を一新するのが定番だったが、手塚の希望でアトム役の清水マリとお茶の水博士役の勝田久のみ前作から続投した[23]

タイトルロゴは、原作では『アトム大使』第4話(アトム初登場回)のタイトルロゴのイメージの名残として、「ト」の飛び出している画が波線状になっているものとされ、そのまま第1作でも使われていたが、本作では曲線部分を極力排除したデザインにリファインされた。本作以降、手塚自身の著作でもこちらのロゴが使われるようになり、講談社・手塚治虫漫画全集の内扉にもこれが使われている。後の『鉄腕アトム』シリーズのタイトルロゴはこの直線タイプから発展したものになる。

OPは当初樋口康雄に依頼したものの、デモテープを契約交渉していた海外のバイヤーに聞かせた所、「これのどこがアトムなんだ?」とかなりの不評で没になり、前作のOPを現代風にアレンジの上で使用し、本編中にも様々なアレンジで使用したが視聴者からは何故原曲をそのまま使わなかったのかという苦情が原作者の手塚や放送局によせられたという[24]
放送

日本テレビがプロ野球シーズン中に編成する『NTV水曜ナイター[25]の影響で放送休止回数は多かったものの、当初から4クール・全52話制作ということで話が進められていたため、休止した分だけ放送期間が延びる形となった。

1981年末に放送の最終回では、手塚治虫本人がメッセージを述べる実写映像が冒頭に流された。この映像は手塚の依頼により、息子の手塚眞によって撮影された。ただし、当該回のエンディングには玉手久也が撮影担当としてクレジットされており、眞は演出担当となっている[26]
登場人物

説明のない登場人物については登場キャラクターを参照。
主な登場人物
アトム
- 清水マリ本作のアトムのエネルギー源はエネルギーカセットなるものに変更された。この物体に核融合エンジンの核燃料となる重水素が充填されている。アニメ第1作の原子力核分裂)エネルギーから本作では核融合エネルギーへと、アトムの動力源も時代に合わせて変化している。なお、本作では排泄も行い、胸部を展開して廃油等を庭先などで摘出したあとにレザーブラストで焼却している。作られた最初は原作通りトビオとして育てられたが、天馬博士に売られるのではなくアメリカ行きの船で些細な事から喧嘩、彼自身が騙された結果としてサーカスに無料で買い取られた。その際、原因は不明だがサーカスより前のトビオ時代の記憶を失っている。アトラスとは同じ設計図を土台として作られた兄弟機であり、アトムの方が先に作られたがアトラスが大人の外見だった為真実を知った際には「兄さん」と呼んだ。
天馬博士
声 - 大木民夫アトムの生みの親。彼がアトムを制作にかかる動機が他のシリーズと若干違っており、物語導入が「最初から『感情をも再現できる人間型ロボット』というプロジェクトが存在する」という形になっていて、天馬博士がトビオを放置している原因がこれとなっている。また、同時にこの時点で天馬博士自身がプロジェクトが失敗続きで、その上スカンク草井の挑発もあって心身不安定気味だった。4号機まで失敗した後、5号機の制作に取り掛かるにあたって、トビオの意見に縋るかたちでこれが「子供型ロボット」と決定する(この時点では、まだトビオのコピーとすることも、10万馬力の出力と“7つの威力”を備えることも決定されていない)。その制作の最中にトビオがロボットカーで事故を起こして死亡し、悲嘆に暮れたことで、この試作5号機を「トビオの再現」に繋げていくこと、子供型アンドロイドには過ぎた10万馬力の力と“7つの威力”を備えさせる。しかし、独裁者然として独善的に振る舞う他のシリーズの天馬博士と異なり、部下からは「このロボットが完成したら悪魔の誕生になる」と批判の声が上がったり、更には上司である首相から計画中止を言い渡されたりと、自身の理想と他からの圧力とに板挟みになったりもしている。しかし、結局は5号機をトビオに重ね合わせる想いに逆らえず、首相からの中止命令が出たその日の夜に1人で最終組立を終え、独断で起動させてしまう。(おそらくは処分したと装って)自宅に連れ帰り、トビオとして育てる。トビオが人間のように肉体が成長しない事に不満を抱くことはなく、むしろ前シリーズ同様当初はカタログスペックに反して上手く動けない“トビオ”(アトム)が、人間のように動けるようになっていく“内面的な成長”を満足そうに見守っているという、他のシリーズにおける彼のアンチテーゼ的な行動を採る。だが、“トビオ”のスーパーコピーとし、オメガ因子を組み込んだアトラスの初回起動の際、その知能回路が“トビオ”のそれと共振を起こしたことで、一時的に“トビオ”が自我を失って暴走を始めてしまう。その事に気付いた彼と科学省での側近に当たる技術者2名とでロボット回収車で出動するも、分解処分を主張する部下に対し、「あの子を分解するなんてとんでもない」と、最後まで抵抗する。結果的に部下との間でロボット回収車の異常操作を続けたため、今度はロボット回収車が暴走してしまう。その彼の悲鳴を聞きつけた“トビオ”は彼等を脱出させ、余波で炎上したマンションから逃げ遅れた人々を救出し、無人で暴走し続けるロボット回収車を破壊して海に投棄した。これがきっかけで天馬博士は“トビオ”の存在が日本政府に既知のものになったと判断すると、“トビオ”の安全の為にアメリカに逃げることを考えつく。結局“トビオ”と別れることになる寸前まで、彼は“トビオ”を自慢の息子と断言していた。アメリカへの逃避行の際、船中で癇癪を起こし“トビオ”と離れてしまう(若干彼が理不尽気味ではあったが、実際の親子でもまあある程度の諍い)。その最中に“トビオ”がハム・エッグに騙され、身売り当然の契約書にサインさせられてしまう。その後、乗船が氷山との接近したことで“トビオ”が対応したことや、そこへアトラスの襲撃などがあり、甲板で身動きが取れなくなったところをハム・エッグが強引に連れ去ってしまう。その時、“トビオ”を探して通路を彷徨う彼の言葉に対し、“トビオ”も最後まで“父”に助けを求め続けた。しかし、その後彼は消息不明扱いとされ、アトムが“トビオ”としての記憶を失ったこともあり、ついに再会は叶わなかった。第3話以降、彼が直接登場することはなくなる。“天馬博士”としての業がもっとも薄い彼がこの様なかたちで退場することになるという皮肉になっている。その後、何度か名前だけは登場し、お茶の水博士もその技術の高さを褒めるというフォローは入っている。
お茶の水博士
声 - 勝田久
ウラン
声 - 菅谷政子原作よりキャラクターが掘り下げられており、乱暴過ぎて問題を起こす、教育方針で両親が揉めるなどしている。
ヒゲオヤジ
声 - 熊倉一雄
アトムのパパ
声 - 桑原たけし原作と違いお茶の水博士製。頭に突起が追加された。
アトムのママ
声 - 日比野美佐子パパと同じくお茶の水博士製。原作・アニメ第1作の黒髪の日本風美女から茶髪の西洋風美女へとデザインが大きく変更された。外見は27歳程度。
ジャンプ
声 - 横尾まり
田鷲警部
声 - 永井一郎
中村刑事
声 - 屋良有作
本田
声 - 高島雅羅科学省職員で長官助手を務めるクールな才媛。第1話では天馬博士の助手を務めていたが、科学省長官にお茶の水博士が就任した後は彼の助手になる。
アトムの仲間達


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