鉄腕アトム
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連載当時と小学館ゴールデンコミックス版では2013年4月7日と記載されており、朝日ソノラマサンコミックス版以後2003年4月7日に改められた。アニメでも第1作目は誕生から約1年後に「ロボットC3号(俗称トビオ)」として売られた日が2001年11月、アニメ第2作は2030年に誕生など設定に違いがある。

アトムの赤い靴はアニメ第2作では名付け親であるロボットサーカスの女の子ロボットのキャシーから譲られ、最終回では形見代わりにニョーカの足が移植されている。

物語の中では苦労して市民権を得たが、現実の2003年4月7日、アトムはお茶の水博士を世帯主として手塚プロの所在地である埼玉県新座市の市民に登録され市役所の前でアニメキャラクターとしては初のアトムの特別住民票が配付された。

アトムの髪型は、作者である手塚のくせ毛がモデル。アトムの特徴はMighty Mouse(マイティ・マウス)を元にしており、英題もMighty Mouseに倣って「Mighty Atom」としている。また、『少年』連載時には手の指は4本で描かれることが多かった[注 7]
アトム大使での設定

『アトム大使』の物語では、我々が住んでいる「地球」とは別の、もうひとつの星「地球」の人々が、その星の大爆発によりロケット団で宇宙を長く放浪して偶然に我々の「地球」を発見して着陸したが、どちらの地球人もよく似ており、はじめは友好的関係を保って生活をした。しかし、食糧問題などを心配した「もともと地球に住んでいる地球人」が「宇宙を渡ってきた地球人」と対立(反対派の頭目は天馬博士)。

「地球に住む地球人」のロボットであるアトム(天馬博士のロボット)が両側の間に入って交渉して宇宙人の代表に対して誠実さの証しを見せるための自らの頭部を差し出したことで対立は収まり(天馬博士は自分の作ったクスリでゴミのように小さくなってしまう)、地球人と宇宙人は半分ずつ金星に飛び立つという物語。

なお、最後にお礼として、アトムは「宇宙を渡ってきた」地球の人々から大人の顔を貰う。
アトムの7つの威力

アトムは7つの力を持っているが内容は以下の通り多少のバリエーションがある。

原作版
善悪を見分けられる
電子頭脳。電子頭脳に組み込まれた記憶装置記憶容量は15兆8000億ビット[注 8]。後に「よい人とわるい人の見分けがつく」に変更され、電子頭脳も頭部から胴体へ変更された。

60か国語[注 9]を話せる人工声帯。

聴力は1千倍

涙も出るサーチライトの目[注 10]

10万馬力の原子力モーター。「地上最大のロボットの巻」では天馬博士により100万馬力[注 11]に改造されている(「アトム大使」の初出版では、五百万ダインと表記されていた)。

足のジェットエンジン。最大マッハ5(マッハ10とも)でを飛ぶ。宇宙空間ではロケットに切り替わり最大マッハ20で飛ぶ。

鼻がアンテナ。鼻が伸びて送信アンテナに。


以下は図解(1960年発行「少年」1月号)で追加された項目
お尻にピストル。

食物ふくろ。食べたものを貯めておく。

記憶倉。覚えたことを記憶しておく。


他にも掲載時期によって、設定が異なっている[4]



目はサーチライト/空をとび/耳の力は千ばいに聞ける/150カ国語がしゃべれる/ゆびがレーザー光線/十万馬力/おしりはマシンガン

翻訳装置付き人工声帯/高感度ソナー/スーパーセンサー/超高性能マイコン(誕生当時はなんと真空管)/レーザーガン/核融合エネルギーまたは光子エネルギー


1963年アニメ第1作(モノクロ版)
どんな計算も1秒でできる電子頭脳。

60か国語を話せる人工声帯。

普通の1000倍も聞こえる聴力。2000万ヘルツ[注 12]の超音波を聞き取ることも出来る。

サーチライトの目。

10万馬力の原子力モーター。

足のジェットエンジン。

お尻からマシンガン。1秒間に500発撃てる。



1980年アニメ第2作
胸の中に電子頭脳セット。160か国語を同時通訳ができる。

耳は音を1000倍に聞ける。

サーチライトの目。

10万馬力の力。重水素燃料による核融合エネルギー。

腕と足はジェットで空を飛べる。

お尻にマシンガン。1分間に600発撃てる。

両手人指差し指にレーザーブラストを装備。



2003年ASTROBOY版
高度な人工頭脳。誕生時トビオの記憶を移植[5]

人間の1万倍の聴力。

透視能力を持つ目。

10万馬力の力。

足のジェットで空を飛べる。

右手人差し指にフィンガービーム。

左腕にアームキャノン砲[注 13]


動力源はアストロシステムと呼ばれる特殊な小型大出力のパワーユニットで、エネルギー源についてはハッキリとは触れられていない。またエネルギーの消耗で出力が低下する事はあったが、原作のように完全に動かなくなる事はなかった。

「10万馬力」「7つの力」といったこれまでの作品で馴染み深い表現は明確には出てこない。



2009年映画ATOM
ロボットの言語を聞き分ける耳。トビーのDNAと記憶を移植された人工頭脳を持つ。

透視能力がある目。サーチライトの役割も果たす。

ブルー・コアが輝く心臓。心臓部に埋め込まれた原子力よりも強力で安全なクリーンエネルギー。善の心も生み出す。

ずばぬけたパワー。

ジェット噴射で飛べる足。

マシンガンを内蔵するお尻。

アームキャノンに変形する腕。

その他、身長135センチ、体重30キログラム。電子頭脳は頭部ではなく胴体内上部に設置されていて、頭部は単なる飾りとされ、透視図では頭部にセンサー類が集中しているようだが、作中では頭部が外れてしまったり、頭なしでも活動可能な描写があり、胴体にもセンサー類は搭載されている模様。電子頭脳については、「アトム今昔物語」などの記述によると1970年代に開発された超小型の原子力電子計算機が基になっているとされる。胸にはメンテナンス用の蓋があって、その内側には簡易的な修理のマニュアルと交換用の真空管が備えられていた。また電源スイッチもここにあるようで、原作の「火星探検の巻」ではお茶の水博士がアトムを航空機に乗せる際、手荷物扱いにするためにこの電源スイッチを切ってトランクに収納するシーンがある。原作及びアニメ第1作ではこの蓋の内部と尻の2か所にエネルギーの補給口があり、ここに給油ホース状の物を接続して液体とおぼしきエネルギーを補給する仕組み。またアニメ第2作では胸部ハッチの内部にカセット状の小型エネルギータンクを入れるスペースがあり、タンクごと交換する形で補給を行っていた。なお動力部である原子炉については「原子力モーター」という表現もあり、現在の原子炉と同じ物かどうかは不明。作中でしょっちゅうエネルギー切れを起こす描写がある事から、現在の原子炉とは異なるメカニズムである可能性も高い。使用しているエネルギーは「エネルギーチューブ」とも称されていて作中世界では現在の電力か石油並みに普及している物であり、ほとんどのロボットや兵器などの機械に使われているようである。「アトム今昔物語」の記述によるとこのエネルギーチューブは1990年代にアメリカで開発された物で、当時は非常に高価で用途もごく限られていたという。またエネルギーチューブの成分はウラン化合物とされており、アトムが使用したエネルギーの残りカスを排出するためにトイレに行くシーンもあった。この残りカスが現在の原子炉の使用済み核燃料と同じ物かは不明だが、天馬博士は放射能汚染を心配する妻・星江に「昔の原子力船じゃない、放射能のカスなんか出さんよ」と語っている。

飛行能力に関しては、大気圏内では体内に搭載された原子炉(後に核融合炉)の膨大な熱エネルギーを利用することで、吸入した大気を熱膨張させてジェットの推進力に使用し、大推力と大気中での超音速巡航が可能。宇宙空間(大気圏外)では体内の核融合炉で発生させたプラズマを噴射し、ロケットの推力を得ている。これにより自力での大気圏突破と宇宙巡航が可能である。また、核融合反応によって生成されたプラズマ超電導MHD発電によって電力にも変換されている。

アトムの身体を覆う人工皮膚は、ケブラー繊維カーボン・ファイバーを織り込んで造られており、防水機能のほかに小火器程度の被弾では損傷しない性能を持っている。この外殻には2タイプの数千個にのぼるセンサーが埋め込まれている。一つは感覚センサーで、触覚と温度を知覚するもの。

ミュンヘン工科大学のゴードン・チャン教授[6]師事の研究チーム[7]では(接触・加速・近接・温度を検出できるセンサマイクロプロセッサを搭載した)「六角形人工皮膚セル」を開発、全身に1260個の「六角形人工皮膚セル」を装備した試作型人型ロボット『H-1』を開発した[8][9]

もう一つは内蔵された小型無線受信機に接続する通信センサーである。整相列の通信センサーによって、アトムはいながらにしてパラボラ・アンテナ機能を持つ事ができ、人工衛星や他の電波源を選択して聴取できるのである。


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