鉄腕アトム
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他にも掲載時期によって、設定が異なっている[4]



目はサーチライト/空をとび/耳の力は千ばいに聞ける/150カ国語がしゃべれる/ゆびがレーザー光線/十万馬力/おしりはマシンガン

翻訳装置付き人工声帯/高感度ソナー/スーパーセンサー/超高性能マイコン(誕生当時はなんと真空管)/レーザーガン/核融合エネルギーまたは光子エネルギー


1963年アニメ第1作(モノクロ版)
どんな計算も1秒でできる電子頭脳。

60か国語を話せる人工声帯。

普通の1000倍も聞こえる聴力。2000万ヘルツ[注 12]の超音波を聞き取ることも出来る。

サーチライトの目。

10万馬力の原子力モーター。

足のジェットエンジン。

お尻からマシンガン。1秒間に500発撃てる。



1980年アニメ第2作
胸の中に電子頭脳セット。160か国語を同時通訳ができる。

耳は音を1000倍に聞ける。

サーチライトの目。

10万馬力の力。重水素燃料による核融合エネルギー。

腕と足はジェットで空を飛べる。

お尻にマシンガン。1分間に600発撃てる。

両手人指差し指にレーザーブラストを装備。



2003年ASTROBOY版
高度な人工頭脳。誕生時トビオの記憶を移植[5]

人間の1万倍の聴力。

透視能力を持つ目。

10万馬力の力。

足のジェットで空を飛べる。

右手人差し指にフィンガービーム。

左腕にアームキャノン砲[注 13]


動力源はアストロシステムと呼ばれる特殊な小型大出力のパワーユニットで、エネルギー源についてはハッキリとは触れられていない。またエネルギーの消耗で出力が低下する事はあったが、原作のように完全に動かなくなる事はなかった。

「10万馬力」「7つの力」といったこれまでの作品で馴染み深い表現は明確には出てこない。



2009年映画ATOM
ロボットの言語を聞き分ける耳。トビーのDNAと記憶を移植された人工頭脳を持つ。

透視能力がある目。サーチライトの役割も果たす。

ブルー・コアが輝く心臓。心臓部に埋め込まれた原子力よりも強力で安全なクリーンエネルギー。善の心も生み出す。

ずばぬけたパワー。

ジェット噴射で飛べる足。

マシンガンを内蔵するお尻。

アームキャノンに変形する腕。

その他、身長135センチ、体重30キログラム。電子頭脳は頭部ではなく胴体内上部に設置されていて、頭部は単なる飾りとされ、透視図では頭部にセンサー類が集中しているようだが、作中では頭部が外れてしまったり、頭なしでも活動可能な描写があり、胴体にもセンサー類は搭載されている模様。電子頭脳については、「アトム今昔物語」などの記述によると1970年代に開発された超小型の原子力電子計算機が基になっているとされる。胸にはメンテナンス用の蓋があって、その内側には簡易的な修理のマニュアルと交換用の真空管が備えられていた。また電源スイッチもここにあるようで、原作の「火星探検の巻」ではお茶の水博士がアトムを航空機に乗せる際、手荷物扱いにするためにこの電源スイッチを切ってトランクに収納するシーンがある。原作及びアニメ第1作ではこの蓋の内部と尻の2か所にエネルギーの補給口があり、ここに給油ホース状の物を接続して液体とおぼしきエネルギーを補給する仕組み。またアニメ第2作では胸部ハッチの内部にカセット状の小型エネルギータンクを入れるスペースがあり、タンクごと交換する形で補給を行っていた。なお動力部である原子炉については「原子力モーター」という表現もあり、現在の原子炉と同じ物かどうかは不明。作中でしょっちゅうエネルギー切れを起こす描写がある事から、現在の原子炉とは異なるメカニズムである可能性も高い。使用しているエネルギーは「エネルギーチューブ」とも称されていて作中世界では現在の電力か石油並みに普及している物であり、ほとんどのロボットや兵器などの機械に使われているようである。「アトム今昔物語」の記述によるとこのエネルギーチューブは1990年代にアメリカで開発された物で、当時は非常に高価で用途もごく限られていたという。またエネルギーチューブの成分はウラン化合物とされており、アトムが使用したエネルギーの残りカスを排出するためにトイレに行くシーンもあった。この残りカスが現在の原子炉の使用済み核燃料と同じ物かは不明だが、天馬博士は放射能汚染を心配する妻・星江に「昔の原子力船じゃない、放射能のカスなんか出さんよ」と語っている。

飛行能力に関しては、大気圏内では体内に搭載された原子炉(後に核融合炉)の膨大な熱エネルギーを利用することで、吸入した大気を熱膨張させてジェットの推進力に使用し、大推力と大気中での超音速巡航が可能。宇宙空間(大気圏外)では体内の核融合炉で発生させたプラズマを噴射し、ロケットの推力を得ている。これにより自力での大気圏突破と宇宙巡航が可能である。また、核融合反応によって生成されたプラズマ超電導MHD発電によって電力にも変換されている。

アトムの身体を覆う人工皮膚は、ケブラー繊維カーボン・ファイバーを織り込んで造られており、防水機能のほかに小火器程度の被弾では損傷しない性能を持っている。この外殻には2タイプの数千個にのぼるセンサーが埋め込まれている。一つは感覚センサーで、触覚と温度を知覚するもの。

ミュンヘン工科大学のゴードン・チャン教授[6]師事の研究チーム[7]では(接触・加速・近接・温度を検出できるセンサマイクロプロセッサを搭載した)「六角形人工皮膚セル」を開発、全身に1260個の「六角形人工皮膚セル」を装備した試作型人型ロボット『H-1』を開発した[8][9]

もう一つは内蔵された小型無線受信機に接続する通信センサーである。整相列の通信センサーによって、アトムはいながらにしてパラボラ・アンテナ機能を持つ事ができ、人工衛星や他の電波源を選択して聴取できるのである。付属機能として、動物の電界を探知でき、それによって暗闇のなかの生物、もしくは隠れた生物の存在を「見る」という(に似た)能力を発揮できる。「アトム今昔物語」などの記述によるとこの人工皮膚は1980年代にプラスチックを基に開発された物で、格段に優れた強度・耐熱性を持つという。ただしさすがに数千℃レベルの高熱には耐えられないようで、「人工太陽の巻」では人工太陽の高熱で手足と体表が熔けてノッペラボウの丸太のような姿になってしまったり、「エジプト陰謀団の秘密の巻」では身体が熱せられた状態で海中に出たため体表が急冷されてヒビ割れができたりもした。

アトムの視覚映像システムは頭部に収められている。アトムは乏しい光源しかなくても、スターライト・スコープのようにその信号を増幅して見ることができる。また、このシステムは赤外線映像や紫外線映像にも切り替えられる。

アトムが実現するには複数のアクチュエータと関節をフレキシブルに結合し、複数のアクチュエータが必要に応じて協調し大出力や高速動作を実現する多自由度干渉駆動技術が必要。現実にこの技術は筋電義手の研究開発を行なっている電気通信大学・横井 研究室[10]の横井浩史教授[11]が研究している。

飛ぶときは一方の手をゲンコにして突き出し、一方をハスに構える。これは英題『Mighty Atom』の由来でもあるマイティ・マウス (アニメ)の主人公の影響[12]
アトムの家族

アトムの家族の名前はパパ(エタノール)を除き、元素名に由来している。アトムはAtom(原子)、ウランはUranium(ウラン)、コバルトはCobalt(コバルト)など、基本的に原子力に深く関わる元素から取られている。ウラン
ウラン
声 - 水垣洋子武藤礼子・芳川和子(代役)(第1作)、菅谷政子(第2作)、丸山美紀(第3作)、鈴木みのりPLUTO)科学省製;お茶の水博士指揮。アトムの誕生日のプレゼント用に、妹として作られた女の子のロボット。アトムのような7つの能力を持たないものの、10万馬力の力を持つ。地上最大のロボットの巻などしばしば悪人にアトムを倒すための人質に取られることがある。お転婆で、まれにお兄さん思いの一面も見せる。学校に通いながらロボットの格闘技「ロボッティング」に出場したいという願望を叶えるために、とある科学者の手で2人に分裂できるよう改造された事もあった。
コバルト
声 - 小宮山清(第1作)科学省製;お茶の水博士指揮。お茶の水博士が作ったアトムの同型機。突如行方不明になったアトムに代わり、水爆の起爆装置を止めるため、当時制作中だった物を急遽完成させた。アトムとまったく同じ設計、同じ性能である[注 14]。ただし、大急ぎで作ったためか、アトムほどの精巧さが無く、細かい作業が出来ない。作中ではアトムより多少長身・痩身に描かれている。体内のオメガレーダー内のイプシロン線が左巻きになっているため、アトムのオメガレーダーと同じ信号を出し、お互いに呼び合うことができる。連載時は「ミドロが沼の巻」で自爆するが、後に改訂されて生き残っている。一度壊れた後はウランと共に再登場した際には飛行能力などのアトムの持っている能力は失われていた。ウランと同様部品の大半はアトムと共通であり、アトムの修理のために自分の部品を提供した事もあった。原作ではアトムの弟という設定だったが、アニメ第1作では科学省倉庫の大掃除の際に見つかった、アトム以前に天馬博士が作ったロボット(アトムの先行試作機ともいわれる)であったために兄となっている。アニメ第2作、同第3作にはコバルトは登場しない[注 15]


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