鉄人28号
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訴訟は日本の裁判権がアメリカ合衆国には及ばないとして却下された[7]

テレビアニメ第1作において、オープニング曲と続くスポンサークレジット曲とがつながっている。これは本放送の視聴者のみならず広く知られており、CSで再放送される際には特別に本放送当時のスポンサークレジットがそのまま流れることもある。スポンサーであった江崎グリコも了承している。

テレビアニメ第4作の最終回は、横山が当初予定していた「溶鉱炉に落として退治する」に似た終わり方を行ったことから議論を呼んでいる。これは今川監督とプロデューサーで実質的な企画者でもある大月俊倫が「本来予定されていた終わり方を踏襲する」ことを製作当初より予定し、横山より承諾を得て決定したものである。ただし「本来予定されていた終わり方」とは先述の通り、短期連載時の構想で、本来ならば(当初の鉄人28号と思わせて登場した)鉄人27号が溶鉱炉に落ちて死ぬ予定だった結末である。そのため、二十一世紀まで鉄人28号が存在することになっている続編「鉄人28号FX」には続かない内容になってしまった。今川監督はドラマを中心にした展開ではなく、ロボットアニメらしい痛快活劇をやりたかったが、大月俊倫に予算を制限されすぎてできなかったことを吐露している。

他作品からの影響

本作品の着想には
江戸川乱歩の小説『青銅の魔人』とその映画化作品が影響を与えていたとされる[8]

少年名探偵の嚆矢はガストン・ルルーの『黄色い部屋の秘密』以下一連の作品に登場する事件記者“ルールタビーユ”ジョゼフ・ジョゼファンである。その影響を受けたモーリス・ルブランの『奇巌城』でアルセーヌ・ルパンとわたりあう高校生探偵イシドール・ボートルレは、旧学制下で中学生探偵と訳されることがあり、さらに本作品で低年齢化の傾向に拍車がかかった。

鉄人28号の誕生シーンは小説『フランケンシュタイン』の映画版の影響が指摘されている。また、作者の横山はリモコンについても怪物がイゴールの笛で操られるのを置き換えたという主旨の発言をしている。

リモコンの奪い合いは、林不忘の『丹下左膳』でこけ猿の壷を奪い合うのがヒントなのではないかとも言われる。

社会、他作品などへの影響

1980年代に少女愛のロリコンが話題になったとき、アニメ雑誌ファンロードの記事をきっかけにショタコン( = 正太郎コンプレックス)なる言葉が用いられるようになった。

2215試合連続出場の日本記録を持つ衣笠祥雄は現役時代「鉄人」と呼ばれた。その所以は連続試合出場を続けたこともあるが、主な理由は彼の背番号が入団時から1974年まで28で「鉄人28号」を想起されるということでその呼び方が定着した。
「鉄人28号」こと南海50000系
ラピート(今宮戎駅

南海電気鉄道関西国際空港行き特急「ラピート」に使われている50000系電車はその正面形状から、鉄道ファンの間では「鉄人28号」という愛称で呼ばれている。同車をデザインした若林広幸によると、第二次大戦前の大陸横断鉄道弾丸列車のような力強さを追求した結果この前頭部のデザインができ、鉄人28号を意識してデザインしたわけではないが、言われてみると妙に納得したともコメントしている[9]

2003年5月から、愛知工業大学がイメージキャラクターに採用している。

クリエーターへの影響

永井豪はイラスト付エッセイで小学生時代初めて「鉄人」を読んだ時の衝撃を語り、「当時自分はアトムの方が好きだったが、『マジンガーZ』を読み返すと鉄人の影響をより多く受けていたのがわかる」という趣旨の発言をしている[10]

なお永井の『けっこう仮面』には日本プロレス界の鉄人・似獣八五郎というキャラクターが登場した(ただし、同作は毎回有名作品を元にした敵キャラをゲストにしており、鉄人のみに留まらない)。


富野由悠季は小学生のころに鉄人28号を見て[注釈 4]、現実的な科学の観点から「こんなの嘘だ!(あの体格のロボットが、ビルの間で悠然と立ち回って戦闘できるわけが無い)」と毒づいている[11]。そのアンチテーゼは、無敵超人ザンボット3無敵鋼人ダイターン3機動戦士ガンダムなど富野の手がけた諸作品に表れている。

大友克洋の漫画およびアニメ映画として世界的にも評価されている『AKIRA』は本作のオマージュとして制作されており、まず第一にどちらの作品も戦争用兵器として作られながら大戦後に動き出すという設定や、本作品の登場人物に類似した名前の人物が多数おり、主人公の名前が共に金田正太郎で、正太郎の親友の敷島鉄雄から島鉄雄、超能力研究機関の敷島大佐は鉄人を開発した敷島博士から、他にもキヨコ(25号)タカシ(26号)マサル(27号)は敷島博士が作った25?27番目のロボットから、アキラ(28号)は敷島博士が作った28番目のロボット「鉄人28号」から命名されている。

浦沢直樹の漫画『20世紀少年』では、ロボット工学者の敷島教授なる人物が登場し、リモコン操縦の巨大ロボットを制作する。

映画『ロボコップ2』において、ロボコップの開発記録の映像が旧実写版『鉄人28号』の開発記録の映像のパロディであるという指摘がある[要出典]。

庵野秀明が監督したテレビアニメ『彼氏彼女の事情』では、エンディングテーマの『正太郎マーチ』が、しばしばアバンタイトルのBGMとして使われた。同作品の音楽集CDにもトラック名『此迄ノ荒筋(正太郎マーチ)』として収録された。

フジテレビ系ドラマ『カバチタレ!』で陣内孝則が演じた大野勇は、本作品のファンであるというドラマオリジナルの設定があり、誰も居ないオフィスで鉄人28号のフィギュアを使って遊んでいたことがある。また、ドラマの後半部分では本作品の「良いも悪いもリモコン次第」というコンセプトが物語の大きな主題となっている。自分たちの仕事は決して弱者を守るためだけにあるのでなく、時には自分の意に反する仕事もしなければならないということを、大野は自分たちのような代書屋を「鉄人」、決定権を持つ依頼者を「リモコン」に例えていた。なお、劇中においてアニメ第1作の映像が度々使われている。

横山作品の二次作品への影響

今川泰宏監督のOVA『ジャイアントロボ THE ANIMATION -地球が静止する日』には様々な横山作品のキャラが出演しており、『鉄人28号』からも村雨健次(健二と改名される)を筆頭に数人が名を変えて登場している。他にも『鉄人』の敵ロボットが多数オープニングにのみ登場する。

同OVAの外伝作品『鉄腕GinRei』では主人公の草間大作が敵方のBF団に寝返り、正太郎同様、格子模様のブレザー姿で「JINTETSU(人鉄)」という鉄人風のロボット(メカデザインは石川賢)を操縦している。

同じく外伝作品の『青い瞳の銀鈴』では、アニメ第1作の金田正太郎役だった高橋和枝が正太郎の姿をした少年のルード役でゲスト出演している。


横山の代表作の一つである『仮面の忍者 赤影』のリメイク漫画、『仮面の忍者 赤影 Remains』(神崎将臣作画)の最終回に、鉄人28号をモチーフにした「伊賀の大鉄人」が登場する。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 1話のみ大塚署長役
^ 第1作1話のみ敷島博士役
^ 同名のプロレス技が存在するが、特に関連性は無いと思われる。
^ 富野は昭和16年生であり小学生で作品を見ることは不可能。

出典^ ササキバラ・ゴウ『戦時下のオタク』角川書店、2005年
^ a b c 石橋春海『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日、54-55頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-7747-5853-4
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