鉄人28号_(2004年版アニメ)
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そこで考えられたのが不死身の兵士「鉄人」を作り出す鉄人計画であった。鉄人計画には当時天才科学者と謳われていた金田博士が選ばれ、南方に在る陸軍秘密研究所で鉄人達を開発していたが、計画はかなり難航していた。そんな折、金田博士の息子である正太郎が東京大空襲で死んだという報せが入った。金田博士は悲しみのあまり28番目の機体に「正太郎」と名付け、我が子の様に大切に作り上げた。そして遂に大日本帝国の劣勢をたった一機で覆すほどの性能を秘めた人型最高兵器・鉄人28号が完成する。だが、アメリカ軍が秘密研究所に空襲を仕掛け、金田博士は敷島に「この世には生まれてはならない物がある」と言い残し、鉄人と共に爆撃を受ける。敗戦後、敷島が日本に復員すると、何と金田正太郎が生きている事が判明する。

10年後、敷島重工社長として日本の再建に奔走していた敷島は政府高官に呼び出され、南方から巨大な砲弾が日本に向かって発射された事を知らされる。その頃、少年探偵として成長した正太郎はギャングの村雨一家を追っていた。村雨一家を建設中の東京タワーに追い詰める正太郎だが、運悪くそこに謎の砲弾が落下する。しばらく気絶していた正太郎だが、目を覚ますと大塚署長と敷島博士が口論しているのを発見し、2人に近付く。その直後に巨大砲弾が割れ、中から巨大なもう一人の自分「正太郎」こと鉄人28号が現れ、ここから正太郎は徐々に戦争の闇と時代に取り残された者達との戦いに巻き込まれてゆく。
登場人物
レギュラー & 準レギュラー
金田正太郎
- くまいもとこ本作の主人公。有名な少年探偵で、父・金田博士が残した人型兵器・鉄人28号の操縦者。最初は鉄人に嫌悪感を持ち、「化け物」と呼んでいた。鉄人の操縦器が自分の失態で強奪された時、自分の失態と鉄人を開発した父を責めていたが、周囲に「鉄人はもう1人の正太郎、使う者次第で悪にも正義にもなる」と諭される内に、徐々に嫌悪感が愛情へと変わっていく。その後は大塚署長との名コンビで、鉄人を使って様々な怪事件を解決する。大豪邸(原作の「丸い形の洋風建築の研究所」以外に、それより広い木造の和風住居があり、小高い丘の上にあるという新設定)に一人で住み、車の運転や格闘術にも優れており、大人と対等に戦える。その一方で村雨に指摘されるまでチキンラーメンの存在を知らなかったなど、庶民的な生活知識では世間知らずな一面もある。
敷島博士
声 - 牛山茂敷島重工の社長でもある科学者。金田博士や不乱拳博士の助手を務めたことがあり、彼らに次ぐ優秀な科学者で様々な分野に長ける。温和な性格だが、モンスターの襲撃時は拳銃を持って戦うなど、勇敢な面もある。その一方で鉄人28号の日本初到来時、自分の開発した鉄人27号が破壊される姿を見て歓喜するなど、金田博士や鉄人28号に対して狂信的な一面を見せる。真実をなかなか語ろうとせず、それ故に状況の悪化を招くことも多い。正太郎のことは息子のように思っており、鉄人を嫌悪する正太郎に「鉄人は自分の夢、生きてきた戦争その物」と言ったり、「鉄人の本質を決めるのは正太郎自身である」と諭す。
大塚署長
声 - 稲葉実正太郎の親代わりである警視庁署長。戦時中から金田家へ出入りし、南方へ赴任する金田博士から妻子の将来を託される。東京大空襲の際、金田夫人を安全なまだら岩まで避難させ、そこでの正太郎の出産に立ち会う。温和な人物で、非常に前向きな性格。正太郎と共に事件を解決し、頼ることも多いが、射撃の腕前はかなりのもので、正太郎を助けたことも少なくない。少年探偵としての正太郎の便宜を図り、警視庁への出入りを自由に許可している。原作では加代子という夫人がいるが、本作では未婚で子供もなく、正太郎を実子のように思っている。ギャングからは「正太郎に手を出そうものなら、どんな目に遭わされるか」と恐れられているため、警官としては優秀であるようだ。後半では更迭されて署長職から退くが、自ら金田少年探偵事務所を開いて大塚所長になり、最終話で官房長官から再度署長に任命される。
村雨健次
声 - 幹本雄之ギャング。後に新聞記者へ転身。戦争中に得た元陸軍諜報部員の能力と情報網を活かして正太郎の危機を助ける。兵器設計図を盗んで逃走中に、それを追跡していた正太郎とともに鉄人の暴走に巻き込まれ、その際に兄の竜作が死んだことを逆恨みして、鉄人を憎んでいた。幾度なく鉄人の破壊も狙うも次第に妙な親近感を抱くようになり、正太郎が鉄人をどう使うのか見極めるためとして、陰ながら手助けしていくことになる。銃を使わずにナイフで闘うことを信条としている[1]
高見沢秘書
声 - 石塚理恵大塚署長秘書。後にクロロホルム秘書となる。敷島博士や村雨健次には「おたかちゃん」と呼ばれている。母親は京都編に登場した平田屋旅館の女将。正太郎の良きお姉さん的存在だが、正太郎に食事をおごらせようとするなど大人気ない一面もある。回を重ねるとコミカルなキャラクターになった。村雨と恋仲になるが、最終回で村雨が正太郎を立ち直らせるために死んだふりをしたことが元で、村雨が正太郎の前にいられなくなったことから、恋は終わってしまう。原作には登場しない本作のオリジナルキャラクターで、姿形は原作の大塚署長夫人加代子がモデル。
官房長官
声 - 石森達幸本作における政府の代表者。戦争中から「鉄人計画」に関係し、その具体的計画がアメリカに暴露されると自身を含む多くの関係者の責任問題になると恐れている。東京タワーを破壊した鉄人の責任問題の法律的な解決(もみけし)を行ない、鉄人を正太郎と敷島博士に託す。
金田博士
声 - 飯塚昭三正太郎の父。鉄人に正太郎の名を冠し、開発した科学者。かつて、軍の命令により身ごもった妻を一人残し南方の島にある研究所で鉄人計画に携わる。東京大空襲で妻子が死んだと伝えられたため、鉄人28号を我が子「正太郎」として開発する。しかし、正太郎は戦火の中無事に生まれており、金田博士はそのことを知らぬまま亡くなった。ビッグファイアにバギュームを軍事利用しようとしていたと糾弾されたが、それはビッグファイアの方であり、本人はバギュームの過剰な利用には反対していた。
関刑事
声 - 関智一大塚署長の部下。名前の由来は担当声優の関智一の苗字から。劇場版にも登場する。
ナレーション
声 - 鈴木弘子物語の要所や次回予告はもちろん、戦後の時代背景や文化についての説明を行う。
ゲストキャラクター
第1・2話

村雨竜作
声 -
若本規夫村雨健次の兄。特攻くずれ。鉄人破壊に挑んだ健次(辰が鉄人の暴走によって死んだので、その仇を取ろうとしていた)を守るため、オート三輪で鉄人に突っ込んで死亡。

声 - 関智一村雨兄弟の弟分。戦災孤児。起動した鉄人に握りつぶされて死亡。
第3 - 5話

不乱拳博士
声 - 鈴木泰明天才科学者。戦時中、「鉄人第二計画」にたずさわり人造人間を作り出す。その際、実験台として我が子義久を使う。戦争により研究所ごと破壊されたと信じていたが、偶然そのまま残っていることが判明する。科学者として父親としてその行く末を案じ、黒服の男に依頼して開発したブラックオックスを使って奪還しようとした。モンスターに自分に会ったら殺すように暗示を掛けており、望みどおりモンスターに絞殺され、自らはモンスターの頭部を拳銃で撃った。
モンスター(不義久)
声 - 鈴木琢磨不乱拳博士によって作られた人造人間。偶然倉庫の奥で見つかった水槽の中で眠っていたが覚醒して脱走。一時期村雨健次に匿われるも、騒動の末に遂に父乱拳と再会。涙を流しながらも暗示どおりに父を殺害し、自らは射殺された。
黒服の男
声 - 関智一某国のスパイ。入院中の不乱拳博士と接触し、ブラックオックスの設計を請け負う。
第6 - 8話

スリルサスペンス
声 - 秋元羊介鉄人の存在を知りアメリカから来たギャングの親分。鉄人を奪って金品強奪事件を次々に引き起こす。アメリカに負けた日本はどんなことであれアメリカに従うべきであると考えている。
ロックンロール
声 - 津久井教生
ロングラン
声 - 室園丈裕
ジルバ
声 - 宮下タケルスリルサスペンスの子分。
スペンサー大佐
声 - 福田信昭アメリカ軍の将校。バッカス計画の責任者。日本ロボット技術の精髄である鉄人を奪おうとして、村雨健次に秘密活動を依頼するも、最後は鉄人との戦いの果てに暴走したバッカスの火炎放射を受けて死亡した。
第9 - 11話

ケリー
声 - 原康義ドラグネット博士に作られた超人間。失敗作と呼ばれるも、争いのない世界である宇宙への旅立ちを夢見ている。詳しくは鉄人28号の登場ロボット#超人間ケリーを参照。
ジョンソン
声 - 原康義ケリーの弟。戦争で肉親を失い、兄弟2人だけになった。事件後、正太郎達の前に現れ、兄の真実を語った。
ドラグネット博士
声 - 有本欽隆天才科学者。宇宙開発の時に必要となる超人間を作り上げ、またそれに変わる作業用のロボット、ギルバートの作成者でもあった。牧村博士とともに宇宙開発の研究を進めていたが、暴走したケリーによって殺害された。
第12話

ブラック博士
声 - 家弓家正赤死館で診療する医師。戦時中、南方で謎の病気にかかり顔面が醜くなっているため、いつも黒い覆面をしている。病気治療に必要な抗体を作り、感染した我が子だけでも助けようとしている。そのため、正太郎を捕らえて実験台にしようと目論んでいたが、実は子供は既に死亡し、ミイラ化していた。
佐良
声 - 関智一ブラック博士の患者。熱に浮かされ、正太郎の車の前に飛び出してくる。この事で正太郎は赤死館の存在を知り赴くことになる。
第13話

八木勝裕
声 - 矢島正明動物園の飼育係。戦争中、飼育できなくなった猛獣を始末したこと(元ネタは『かわいそうなぞう』)に罪悪感を抱いている。
山岸教授
声 - 麦人謎の生命体を調べた科学者。
光る物体
宇宙から飛来した謎の生命体。戦前日本のある村に衝突した隕石に張り付いていたゲル状の生命体で、自由自在に姿を変える能力を持ち、人間に変身することも可能。変身した状態で人間や動物を待ち伏せし体中の水分を吸い取る。戦後は自分と一緒に地下壕に閉じ込められていた飼育員の八木から、彼がどこに住みどんな人生を送っていたかという話を語り聞かされ、何時しか自分自身が八木であると思い込み、彼を殺害後は八木として生きていた。自分の体の体積を自由に変えることが可能で、鉄人と戦った時には全長100mほどの巨象の姿となり、鉄人の左腕を締め潰すほどの力を持っていた。だが電気に異常に弱いらしく、八木の姿で鉄人に捕まり、起動時の放電で殺される。
第14話

ブラックマスク(有本影郎)
声 - 平田広明怪盗。神出鬼没で堂々と姿を現して金品を盗み、捕らえようとしても消えてしまう(元ネタは帝銀事件と『電送人間』)。これは瞬間移動装置を悪用したものであり、鉄人にこの機械を破壊された時、南極に飛ばされてしまった。
有本博士
声 - 滝口順平時計屋の主人。影郎の父。元は瞬間移動装置を開発した科学者。瞬間移動装置が世間に受け入れられず、瞬間移動装置を公表するか否かで影郎とも対立。実験を行った時に左手を失い、時計屋として生きる様になった。
第15・16話

梅小路綾子
声 - 一城みゆ希敷島博士のかつての妻。京都出身。戦争中、不乱拳博士のもとで人工知能の研究に従事していた。東京大空襲を生き延び、京都へ戻ったものの流産し、連絡を取らなかったため、敷島博士は空襲で死んだと思って再婚した。今ではとなっており、失った我が子の代わりに人工知能を持つロビーを(某国の支援で)育てていた。


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