鈴木三重吉
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この間、坪田譲治新美南吉 [6]ら童話作家、巽聖歌ら童謡作家、成田為三草川信ら童謡作曲家、清水良雄らの童画家も世に出した。また紙面に児童の投稿欄も設けられ三重吉や白秋、山本鼎が選評にあたり児童尊重の教育運動が高まっていた教育界に大きな反響を起こした。


三重吉の13回忌にあたる1948年(昭和23年)から、「鈴木三重吉賞」が創設され、現在も全国の子供の優秀な作文や詩に賞が贈られている。


古事記を子供にもわかりやすいよう物語風に現代語化して『赤い鳥』に連載した「古事記物語」 [7]の作者としても知られる。


里見クの随筆によると、里見が泉鏡花を、直接の師匠ではないからというので「泉さん」と呼んでいたところ、酒に酔った三重吉から凄い勢いで叱責されたとあり、酒癖の悪い人物だったらしい。また小島政二郎『眼中の人』に、代作の実態や、三重吉の酒癖の悪さは描かれている。一晩に酒一升を平らげるほどの酒豪で、酔うと手が付けられず灰皿が飛び交うような大喧嘩に発展する事もしばしばであった。

「赤い鳥」創刊当時からの仲間であった北原白秋とは、酒の諍いが元で1933年以降絶縁状態になったというのが通説だが、三重吉が永島信吉にあてた手紙によれば、北原白秋が原稿をよく遅刻するのが原因だとする記述が残されている。しかし、絶縁に関する詳細は当時の関係者にも不明であり、様々な憶測が飛び交っているが、行き違いが原因ではないかと言われている。


鈴木家の菩提寺である、広島市・長遠寺の鈴木家の墓に、三重吉の遺骨は納められている。13回忌に伴い、鈴木家の墓のすぐ右隣に、三重吉の墓碑が建立された。墓碑の「三重吉永眠の地 三重吉と濱の墓」の文字は、三重吉自身が生前に書き残したものである ⇒[1]

脚注[脚注の使い方]^ a b c 『出版年鑑 昭和12年版』東京堂、1937年、p.89
^ 『官報』第7514号、明治41年7月14日、p.378
^ 長編小説。1913年7月25日から11月15日に「国民新聞」に発表。翌年1月、春陽堂刊。
^ 運動の当初の賛同者には泉鏡花小山内薫徳田秋声高浜虚子野上豊一郎野上弥生子小宮豊隆有島生馬、芥川龍之介、北原白秋島崎藤村森?外森田草平の他数十名、1年後には小川未明谷崎潤一郎久米正雄久保田万太郎有島武郎秋田雨雀西條八十佐藤春夫菊池寛三木露風山田耕筰成田為三近衛秀麿らも加わっている。しかし代作が多く、実際に執筆した作家として井伏鱒二内田百宇野浩二宇野千代上司小剣小島政二郎豊島与志雄中村星湖林芙美子広津和郎室生犀星らがいた。特に小島の代作が多い。
^ 岩井寛『作家の臨終・墓碑事典』(東京堂出版、1997年)177頁
^ごんぎつね」は新美南吉が18歳の時の作品であり、このような後世に活躍する若手を発掘した功績は大きい。「ごんぎつね」は投稿記録(全集に所収)らしきノートが残っており、『赤い鳥』掲載のものと比較すると、後者の方が実は教訓的になっている。
^ 田中千晶「鈴木三重吉が見た『古事記』」(日本文学協会「日本文学」2007年2月号)は「大正九年の発刊以来、昭和、平成を通じて数度にわたり刊行、増刷(中略)、長期間にわたって販売されつづけた作品」「口語訳として児童にも大人にも広範囲に受容された著名な作品である。」としている。

著書

千代紙 俳書堂 1907

女と赤い鳥 春陽堂 1911

おみつさん 春陽堂 1912

返らぬ日 春陽堂 1912

小鳥乃巣 春陽堂 1912 「小鳥の巣」岩波文庫

櫛 春陽堂 1913

女鳩 浜口書店 1913

桐の雨 浜口書店 1913

桑の実 春陽堂 1914 のち岩波文庫、新潮文庫、角川文庫

朝顔 植竹書院 1914

赤い鳥 春陽堂 1915

懺悔
ゴリキイ(訳)博文館 1915

三重吉全作集 全13編 春陽堂 1915-1916

古事記物語 赤い鳥社 1920(赤い鳥の本) のち角川文庫

救護隊 赤い鳥社 1921(赤い鳥の本)

アンデルセン童話集 (訳)アルス、1927

日本建国物語 アルス 1930

現代日本文学全集 第42篇 鈴木三重吉集・森田草平集 改造社 1930

千鳥 岩波文庫、1935 のち新潮文庫、角川文庫

綴方読本(編)中央公論社、1935 のち角川文庫、講談社学術文庫

鈴木三重吉全集 全6巻 岩波書店、1938

三重吉童話読本 全10巻 明日香書房 1948-1949

鈴木三重吉童話全集 全9巻別巻1 文泉堂書店 1975

鈴木三重吉全集 全6巻別巻1 岩波書店 1982

関連項目

赤い鳥

綴方教室

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