釧路市
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ラビスタ釧路川から見た釧路市中心市街地

釧路市(くしろし)は、北海道東部(道東地方)の太平洋沿岸にある釧路総合振興局の振興局所在地。計量特定市に指定されている。
概要

道東地方を管轄する国や道の出先機関のほか、日本銀行支店や外国の領事館国際機関の置かれている道東の政治経済の中心都市である。国内の市町村では面積第7位(香川県の7割相当)。人口はかつて札幌市旭川市函館市に次ぐ道内4位であったが、1984年以降は減少が進み2022年現在は苫小牧市帯広市に抜かれ6位である[1]。東北海道最大の歓楽街末広歓楽街を有する。飲食店数は北海道2位の規模である。

2014年(平成26年)4月1日には全域が過疎地域に指定された[2]国際バルク戦略港湾(穀物)に選定[3] された釧路港を持ち、製紙工場や食料品工場、医薬品製造工場、発電所などを擁する臨海工業都市である。また、多くの観光客が来る釧路空港と、釧路湿原国立公園および阿寒摩周国立公園の2つの国立公園を市域に有する。小惑星(4096) Kushiroは釧路市にちなんで命名された[4][5]
市名の由来

「釧路」という地名の由来は下記のように諸説あり不明であるが、いずれもアイヌ語に漢字にあてたものとされている[6]

アイヌ語意味由来
カタカナ表記(アコ?イタ?ラテン翻字
ク?ルkus-ru越える・道ここから標津斜里へ越えていったため
クスリkusuri薬川上の温泉から薬水が流れ出ていたため
チク?ルci-kus-ru我ら・通る・道網走との往来道であることから
ク?ペッkus-pet通り抜ける・川川が厚岸根室、十勝、網走への重要な交通路であったため。
ク?ナイkus-nay
ク?シ?kus-sir川向こうの・山
クッチャロkutcaro「屈斜路湖」も参照クッチャロはアイヌ語で咽喉を指す。屈斜路湖から釧路川が流れ出す地点にあるコタンが「銚子口」の意味で「クッチャロ」と呼ばれていた。
ここのアイヌを松前藩が今の釧路に移し、「クッチャロ」からクスリ場所と称したため(後述)。

地理細岡展望台から見た釧路湿原2008年9月

北海道の東部太平洋側、釧路総合振興局南部に位置する。
地形釧路市中心部周辺の空中写真。2015年7月11日撮影の40枚を合成作成。
国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

市内を釧路川、阿寒川が流れるほか、阿寒湖春採湖がある。釧路市(1922年ー2005年)は平地に位置するため山はほとんどなかったが、合併により、白糠町を囲むような形で西側への飛び地ができ(合併経緯参照)、北西部に阿寒地区の雄阿寒岳などの山岳地帯を含むようになった。北東部は釧路湿原国立公園と隣接し、釧路湿原との境界ぎりぎりの所まで住宅が建ち並ぶ。
山地※主な山

雌阿寒岳

雄阿寒岳

阿寒富士

河川※主な川

釧路川(旧釧路川)

新釧路川(釧路川)

阿寒川

舌辛川

別保川(べっぽがわ)

仁々志別川(ににしべつがわ)

雪裡川(せつりがわ)

アセツリ川(阿雪裡川)

星が浦川

竜神川

別途前川(べっとまえがわ)

鳥取川

沼尻川

湖沼※主な湖

阿寒湖

春採湖

パンケトー

ペンケトー

シュンクシタカラ湖

地域

音別地区の区域の401.40平方キロメートルは、釧路市中心部とは間に白糠町を挟んで離れており、大規模な飛地となっている。このような大規模な飛び地のある自治体は日本でも数えるほどしか無い[注釈 1]。後述する合併協議の時点では白糠町を含めた合併が協議されていたが、白糠町の離脱によって東西に分かれたまま一つの市となった。
住宅団地

道営住宅千歳団地

道営住宅白樺団地

道営住宅新緑ヶ岡団地

道営住宅曙団地

道営住宅愛国団地

道営住宅住之江団地

道営住宅新富士団地

道営住宅若竹団地

道営住宅ことぶき団地

道営住宅クレインヴィラ

気候

釧路市
雨温図説明

123456789101112
  40 -0-10  25 -0-9  56 3-4  79 81  116 135  114 1610  120 2014  142 2216  153 2013  113 156  65 9-0  57 3-7
気温(°C)
総降水量(mm)
出典:気象庁

インペリアル換算
123456789101112
  1.6 3214  1 3215  2.2 3824  3.1 4633  4.6 5542  4.5 6049  4.7 6756  5.6 7160  6 6855  4.4 5943  2.5 4831  2.2 3719
気温(°F)
総降水量(in)

ケッペンの気候区分では亜寒帯湿潤気候湿潤大陸性気候)(Dfb) 、日本の気候分類では太平洋側気候の東部北海道型に属する。

道東の太平洋側ならではの風土が釧路の気候を形作っている。寒流である親潮の影響を受け、一般に冷涼である[7]。特に夏季は海霧に覆われる日が多く、冷涼である。一方、秋・冬・春はとても乾燥した晴天が続き「釧路晴れ」と呼ばれ降雪も少ない、年を通じての日照時間は約2,000時間と国内有数である[8]。なお内陸部の阿寒地域では寒暖の差が激しく、海岸と違い降雪量も多い[7]

夏季は海霧によって真夏日は観測されても年1回程度で、夏日も少ない。ただし内陸部では海霧の影響がないため、夏日および真夏日が続く[9]

冬季は西高東低の冬型の気圧配置になると、晴れの日が続き空気が乾燥する。降雪量は少ない。海に近い割に真冬日が多く、年に44.7日(平年値)である。また内陸部では放射冷却現象により最低気温が氷点下20℃前後まで下がる[10]

近年は全国の観測地点の中でも突出して年間を通して温暖化が進んでおり、1910年の観測開始以来、2023年の年平均気温は過去最高の8.5℃を記録した他、7.9℃(2022年)、7.7℃(2015年)、7.6℃(2021年)、7.5℃(2020年)、7.3℃(2010年)、7.2℃(2018年)、7.1℃(2019年)、7.1℃(2013年)と、上位は7.2℃(1990年)と7.1℃(2004年)の二か年を除きすべて2010年以降の記録である。特に冬は暖冬が急増している。また、夏季も猛暑となる年が急増しており、2023年7月の平均気温20.0℃、同年8月の平均気温21.8℃はいずれも各月の過去最高記録となった。これは、2000年の露場の幣舞橋付近の丘の上から海沿い市街地への移転も影響しているとされ、冬は海からの西風が卓越しやすく気温が下がりにくくなっているほか、夏季も内陸からの風によって気温が上がりやすくなっている。


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