金属バット
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また、折れたバットを靴べらなどの別の品物を作る材料に用いるリサイクル活動も展開されており、日本プロ野球で試合中に折れたバットは、職人の手により5 - 6本の箸に再生され、「かっとばし!!」の商品名で販売されている[10]

日本野球機構では、日本シリーズオールスターゲームなどの特別試合の試合前に、選手によるアオダモの記念植樹など、植樹活動も行っている。

2010年代以降、日本のプロ野球ではハードメイプルを用いたバットが主流となっている。これはホワイトアッシュよりもメイプルの方がバットとしての歩留まりが高いこと、またメイプルのほうがバットとしての耐久性が高いことが原因で、一説にはホワイトアッシュの2倍程度の耐久性があるとされる[11]
金属バット

アルミニウム亜鉛を加えた合金などの金属パイプを成形・焼入れして作られる中空のバットである[12][13][14]。一般には、木製バットと比べ、ジャストミートできる「芯」が広く、強い打球を打てるとされる[15]。耐久性も木製バットを上回るため、予算の乏しいアマチュアで使用が認められることがある。アメリカでは事故防止などのために、リトルリーグから高校野球、大学野球までにおいて、反発係数を木製バットと同等程度に制限している[16][17]

金属バットは、芝浦工業大学学長も務めた大本修平成24年野球殿堂入り)が、1960年代に米国メーカーよりも先に考案したと言われている。大本は通商産業省による金属バットの安全基準作りにも関わった。金属バットで硬球を長期間打ち続けると、打球音の影響で聴力が低下することが指摘されている[17][18]。練習場周辺に対する騒音の問題もあり、日本の高校野球では1991年以降バット内部に音響放射を低減させる作用を持つ防音・防振材が貼り付け又は充填されるようになった[15]
その他

接合バットは竹の合板を軸として打球部分にメイプルなどの木材を貼り合わせている。ラミバットとよばれる。

竹バットや接合バットは、金属バットより「芯」が狭い、「芯」を外した時には衝撃がくる、1本の木材から作られたものより丈夫であり安価である、ということからアマチュア野球の練習用バットとして使われている。特に2000年代以降はモウソウチク製バットの流通量が増加しており[11]、バット材として使用できるようになるまでの生育年数が短い(モウソウチクの場合5?10年。メイプルは約40?50年、アオダモは約70?80年)という利点もあることから、アマチュアに広く普及するに至っている[11]

この他ノックバットには古くからホオノキが使われることが多く、現在も一定量が流通している[11]

ミズノなどから軟式野球用に外側がゴム(エーテル系発泡ポリウレタン)のものも販売されている。これらは軟式ボールの変形をおさえ、反発係数を高めることで飛距離を増すというものである。
バットの種類
試合用

硬式球を打つための硬式用バットと、軟式球を打つための軟式バットがある。打者のタイプによって重心の位置が異なっており、長打を狙う選手はグリップが細く、ヘッドが太い先端に重心があるバット(トップバランス)、短打を確実に狙う選手にはグリップが太く、ヘッドが細いバット(カウンターバランス)が好まれる。プロ野球選手の場合には特注されることが多く、実際に使われているものに似せたバットが、その選手名を冠して「○○モデル」として市販されている。
練習用

練習用として、投手の投球を打つことを目的としないバットがある。ノックの打球を確実に打つため、細く軽量に作られたノックバット、スイングの矯正などに用いられる長尺バットなどがある。筋力を付けるために重く作られたバットをマスコットバットと呼ぶ。また、素振りの際に鉄製のリングをバットに取り付け、錘としてボールを打つ時の感触に近づけることがある。

また、高校野球では通常試合用には金属バットを使用するが、強豪校を中心に打撃練習用として竹の接合バットが使われることがある。これは、芯が狭く外した際の衝撃が大きい性質がボールを芯でとらえる練習に適していることと、木製バットよりも耐久性が高く安価であることによるものである。
サイン用(サインバット)

サインバットはもっぱらサインを記念として残す目的で製作されているバットである。
公認野球規則

公認野球規則3.02にバットについての規則がある[19]。公認野球規則をもとにプロ野球、社会人野球、高校野球、軟式野球についてバットの基準が定められている。このほか各大会で使用できるバットの材質、色、形状などがそれぞれ規定されている場合もある。いずれも異常な打球が飛ぶような細工などの不正行為を防ぐため、細かな規定がある。
形状

バットはなめらかな円い棒である(公認野球規則3.02(a))。

太さはその最も太い部分の直径が2.61インチ (6.6cm) 以下であることを必要とする(公認野球規則3.02(a))。

長さは42インチ (106.7cm) 以下であることを必要とする(公認野球規則3.02(a))。

先端をえぐったカップバットについては、くぼみは深さ1.mw-parser-output .frac{white-space:nowrap}.mw-parser-output .frac .num,.mw-parser-output .frac .den{font-size:80%;line-height:0;vertical-align:super}.mw-parser-output .frac .den{vertical-align:sub}.mw-parser-output .sr-only{border:0;clip:rect(0,0,0,0);height:1px;margin:-1px;overflow:hidden;padding:0;position:absolute;width:1px}1⁄4インチ (3.2cm) 以内、直径1インチ以上2インチ (5.1cm) 以内としなければならない(公認野球規則3.02(b))。また、くぼみの断面は、椀状にカーブしていなければならず、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない(公認野球規則3.02(b))。

バットの握りの部分(端から18インチ (45.7cm))には、何らかの物質を付着させたり、ザラザラにすることで握りやすくすることは許される(公認野球規則3.02(c))。


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