野間宏
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1974年春に『青年の環』の担当編集者の田邊園子(当時37歳)を突然口説き始めて田邊を?然とさせたが、その場は来客があり、ことなきを得た[6]。それから半年以上経ち、1974年秋の夜、野間は田邊を新宿駅東口のタクシー乗り場に呼び出し、無言のまま田邊を自動車でどこかへ連れ去ろうとしたが抵抗され、何もできなかった[6]。後に判明したところによると、野間はこの晩、男女が肉体的に結ばれる場面を田邊相手に自ら演じて書く予定だった[7][6]。しかし野間はこの出来事を歪曲し「田邊が野間を誘惑して失敗した」と一部の人々にまことしやかに話し、信じさせた[6]。田邊は「当時、私は勤務先の社長から奇妙な厭味を言われ、その後も長く、作家たちや他社の編集者から哀れみや同情、慰めの言葉、時には蔑みの視線を受けてきたことを忘れることが出来ない。野間夫人すら私の失恋を疑わなかった」、「ほとんどの人々は、常日ごろ人権擁護を標榜している作家が、他者の人権を踏みつけるような嘘を人に話して聞かせるとは信じないだろう」と記している[6]。しかし野間は自らの言動を「小説家は嘘をつくものです」と正当化していた[6]

著書

『暗い絵』真善美社 1947 のち
新潮文庫

『暗い絵・顔の中の赤い月』(角川文庫

『暗い絵・崩解感覚』(新潮文庫)

『暗い絵・第三十六号』(旺文社文庫

『暗い絵・顔の中の赤い月』(講談社文芸文庫


『崩解感覚』丹頂書房 1948

『崩解感覚・夜の脱柵』(旺文社文庫)


『小説入門』真善美社 1948 「文章入門」旺文社文庫、レグルス文庫

『星座の痛み 詩集』河出書房 1949

『青年の環』第1-2部 河出書房 1949-1950 のち岩波文庫(以下同)

『顔の中の赤い月』目黒書店(自選作品集)1951

『雪の下の声が……』未來社 1952

『文学の探求』正続 未來社 1952-1953

『真空地帯』河出書房 1952 のち岩波文庫、角川文庫、新潮文庫、旺文社文庫

『人生の探求』未來社 1953

『野間宏詩集』三一書房(日本国民詩集)1953

『野間宏作品集』全3巻 三一書房 1953

『現代文学の基礎 いかに人間を考えるか』理論社 1954

『思想と文学』未來社 1954

『志津子の行方』河出新書 1955

『文学の方法と典型 社会主義リアリズムにむかって』青木書店 1956

『地の翼 上巻』河出書房 1956

『真実の探求 現代文学の方法』理論社(私の大学・文学の教室)1956

『今日の愛と幸福』中央公論社 1957

『黄金の夜明ける』未來社 1959

『さいころの空』文藝春秋新社 1959 のち角川文庫

『車の夜』東京書房 1959

『感覚と欲望と物について 評論集』未來社 1959

『若い日の文学探求』青春出版社(青春教養大系)1960

『文章読本』新読書社出版部 1960

『干潮のなかで』新潮社 1961

『わが塔はそこに立つ』講談社 1962 のち文庫、講談社文芸文庫

『肉体は濡れて』東方社(イースト・ブックス)1965

『青年の環 第3』河出書房新社 1966

『人生と愛と幸福』合同出版(パピルス双書)1967

『文学論』合同出版 1967

『青年の問題文化の問題』合同出版(パピルス双書)1967

『青年の環 第4』河出書房新社 1968

サルトル論』河出書房 1968

歎異抄』(私の古典)筑摩書房 1969 のち河出文庫、ちくま文庫

『野間宏全集』全22巻 筑摩書房 1969-1974

『野間宏評論集』全2巻 未來社 1969-1970

『創造と批評』筑摩書房 1969

『全体小説への志向 対話集』田畑書店 1969

『全体小説と想像力』河出書房新社 1969

『青年の環 5』河出書房新社 1971、のち新版、岩波文庫

『鏡に挾まれて 青春自伝』創樹社 1972

親鸞』岩波新書 1973

『心と肉体のすべてをかけて 文学自伝』創樹社 1974

『文学の旅 思想の旅』文藝春秋(人と思想)1975

『忍耐づよい鳥』河出書房新社 1975

『狭山裁判』岩波新書 1976

『現代の王国と奈落 現代文明の危機についての文学者の考察』転轍社 1977

『野間宏全詩集』文和書房 1979

『新しい時代の文学』岩波書店 1982

『戦後 その光と闇』福武書店 1982

『東西南北浮世絵草書 わたしの読書と生活』集英社 1987

『野間宏作品集』全14巻 岩波書店 1987-1988

『解放の文学その根元 評論・講演・対話集』解放出版社 1988

『生々死々』講談社 1991

『時空』福武書店 1991

『天の穴、地の穴野間宏生命対話』立松和平編 社会思想社(現代教養文庫) 1991

『作家の戦中日記』藤原書店 2001

共編著

山繭 詩集 井口浩
富士正晴共著 明窗書房 1948

世界解放詩集 長田弘共編訳 飯塚書店 1951

愛と革命(編)河出新書 1953

日本抵抗詩集(編)三一書房 1953

風に鳴る樹々 全国結核療養者詩集 安東次男瀬木慎一共編 朝日書房 1954

フランス解放詩集 小内原文雄共編 河出文庫 1954

学生たちの記録 永丘智郎共編 河出書房 1956

知識人の思想と行動 新しい連帯のために 木下順二日高六郎共編 麦書房 1964

文章のつくり方 三一書房 1966(高校生新書)

小説の書き方 明治書院 1969(作法叢書)

差別・その根源を問う 安岡章太郎共編 朝日新聞社 1977.7 のち選書

狭山差別裁判 三一新書 1978.6

人間のゆくえ 渡辺格対談 新泉社 1979.4

『危機の中から 対話集』小学館創造選書 1981

アジアの聖と賤 被差別民の歴史と文化 沖浦和光共著 人文書院 1983.4

日本の聖と賤 沖浦和光共著 人文書院 1985-1987

親鸞から親鸞へ 現代文明へのまなざし 三国連太郎対談 藤原書店 1990.12

日本の名随筆 100 命 作品社 1991.2

万有群萌 ハイテク病・エイズ社会を生きる 山田国広対談 藤原書店 1991.12

日本の聖と賤 近代篇 沖浦和光 人文書院 1992.4

関連項目

神戸文学館

狭山事件

部落問題

脚注^ 『文学』1959年2月号、p.39。そのきっかけは、戦前から水平社とともに運動してきたことのほか、誤りを犯したことがきっかけで解放同盟に洗脳されたことであるといわれる。

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