野球
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また同年オリックス・バファローズ[37]広島東洋カープ[38]はシーズン途中時点で史上最多の観客動員数を記録した他、同年シーズンの総観客数がセ・リーグが1351万900人と実数発表となった2005年以降で最多を記録[39][40]。2016年にも交流戦の観客動員数において過去最多となる1試合平均2万9447人を記録する[41][42][43][44]。以降もNPBでは観客動員数の増加が見受けられており、地元密着を主眼とした各球団の企業努力の成果とする向きもある一方で、その実態はあくまで「各フランチャイズ地域内でのリピーター増加を意味するものであり、『球団がない地域』を含む全国的な野球人気向上には繋がっていない」「新規のファンは増えていない」とする調査・分析もある[45][46]

2010年には史上初めて日本シリーズの地上波全国中継が3試合無くなった[注釈 4][47]日本テレビ副社長の舛方勝宏は「割り切っていえば、BSの普及のためにはいい。野球はBSのソフトとしては強力になってきた」と話し、「働き盛りの人は午後7時台に家に帰っていない。そういう状況で地上波では数字(視聴率)がとれなくなってきている。試合開始からじっくり見る団塊世代の人は、BSで見ている」と見解を示している[48]
台湾

台湾では1990年代後半から野球賭博や八百長が多発したことから、特にプロ野球(CPBL)の人気が大きく低下。チーム数も1997年の11球団をピークに減少し、2009年には創設時(1990年)と同じ4球団となったが[49]、2019年6月24日に味全ドラゴンズが加盟し、5球団に拡大した[50]
韓国

韓国では青少年少女の人気スポーツとなっている[19]。1982年のKBOリーグは総観客数143万人だったが、2012年には700万人を突破し[51]、2016年には観客動員数800万人超えを記録。動員数は世界のプロスポーツリーグ上位10位内に入っている[19]。ただし、その人気・実力に対して国内の競技人口は比較的少なく、日本が高校硬式野球部加盟校4,021校、部員数168,898人であるのに対し、韓国の高校野球部は67校、部員数は約2,400人である。もっとも、この傾向は野球に限ったことではなく、韓国には日本のような趣味的要素を含む部活動がほぼ存在せず、アマチュアの段階で少数精鋭化が行われるのが要因であるとされる。少数精鋭によるエリート教育はいわば韓国の文化であり、実際にプロアマともに数々の国際大会で好成績を残しているなど一定の成果を上げていはいるものの、「裾野を狭める」「メダル至上主義である」といった批判もある[52][53]
試合観戦

試合はイニング制を採用している。サッカーバスケットボールのような時間制ではないため、試合の展開により試合時間に大きな幅があるが、概ね1試合2時間 - 3時間程度である(MLBでは決着が付くまで無制限の延長する)。2010年までの日本のプロ野球においては12回で決着がつかなければ引き分けにしていた。しかし、2011年に東日本大震災が発生しその影響により試合開始から3時間30分以内で決着がつかない場合は引き分けとなりこのルールは2012年シーズン終了まで採用された。なお、2013年シーズンより元の「12回で決着がつかなければ引き分ける」のルールに戻った[54]。MLBやNPBなどのプロリーグでは年間140試合を超える多数の公式戦を行うことで大きなビジネスとなっている。
アメリカ

アメリカでは、ファウルボールが観客に直撃するアクシデントが立て続けに起こっている。「ファウルボール訴訟」が多発しているが、「危険があることを予め承知してスタジアムに来る」として、観客がケガしても球団側は免責されるケースが大半である。観客席以外でファウルボールによって負傷した場合は訴えが認められることがあるが、基本的には裁判しても勝ち目はない[55]
日本阪神ファンの風船を使用した応援(阪神甲子園球場

野球観戦における日本独自の文化としては、応援団主導の楽器や応援歌を用いたいわゆる「鳴り物応援」がプロアマ問わず定着していることが挙げられる。起源については様々な説があるが[56]、プロ野球においては1970年代の広島東洋カープが選手に対する個別応援歌を用いての応援を始めたとされる[57]。ただし、日本独自の文化として肯定的に取り上げられる一方で[58][59]、「妨害行為・迷惑行為である」など否定的な意見も少なくない[60][61]
競技人口
日本

日本における野球は、実際に参加するスポーツというよりは、観戦スポーツとして楽しむ人が多い傾向にある。レジャー白書2005によると、2004年時点の「野球・ソフトボール用品」に対する出費は、990億円である。「球技スポーツ用品」に対する出費6640億円の15%を占めている。

「クラブ・同好会」の形で楽しむスポーツとしては一定の地位を占めている。内閣府による「体力・スポーツに関する世論調査」(2007年2月調査)では、クラブ・同好会に加入している男性のうち、22.7%が野球クラブ・同好会に加入しており、2位のゴルフ、5位テニスよりも多い。ただし、女性は5位までに含まれていなかった。

文部科学省の「我が国の体育・スポーツ施設」(平成16年3月)によると、「職場スポーツ施設」(8286カ所)においては全8286施設のうち13%(第2位)を「野球場・ソフトボール場」が占め、内閣府の統計と合致する。

日本では伝統的に野球が盛んだが、中学生の野球チームに所属する少年の数は2009年から14年までに28%減少したことが、公式統計で明らかになった[62]。全日本軟式野球連盟の小学生の軟式野球登録チーム数を見ても、2010年に1万4824チームから、2014年には1万2663チームまで減少し[63]、高校野球においても、硬式野球の全国の野球部員数は1997年の14万201人を底に一旦は増加に転じ2014年には史上最多となる17万312人に達するも[64][65]、同年を頂点に再び漸減傾向にある[66]。軟式に至っては、1990年度の1万9915人を頂点に右肩下がりの減少を続け、2016年度の部員総数は1990年度のほぼ半数の人数にまで減少している[67]
野球を題材にした玩具と作品「野球を扱った作品一覧」および「Category:野球を題材とした作品」も参照

1886年、アメリカではタバコおまけとして野球選手の姿を画いたカードシガレットカード)であるベースボールカードを付けることが流行した。以後、ベースボールカードはトレーディングカードの一分野として人気がある。

パチンコスマートボールに野球の要素を取り入れたボードゲーム野球盤がある。日本ではエポック社が1958年より生産、販売し続けている。

1960年代の日本ではちばてつやちかいの魔球』や梶原一騎巨人の星』が嚆矢となり、少年漫画の一ジャンルとして野球漫画が流行した。1970年代には水島新司ドカベン』が、1980年代にはあだち充タッチ』が、2000年代には森田まさのりROOKIES』などがそれぞれ人気を博し、アニメ化や実写映画化がなされている。女子が野球をする作品は、例えば『大正野球娘。』、『八月のシンデレラナイン』、『球詠』、『花鈴のマウンド』などがあり、少女の野球人口増加に一役買っている。

アメリカでは映画のジャンルとして野球映画が継続して制作されている。1942年公開の『打撃王』はアカデミー賞を受賞している[68]。この他には1984年公開の『ナチュラル』と1989年公開の『フィールド・オブ・ドリームス』もそれぞれアカデミー賞にノミネートされている[69][70]


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