野沢雅子
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子供の頃は原っぱで男の子の中に一人混じってチャンバラをしているような下町っ子であり、いじめっ子の男の子をこらしめたりなど男勝りな性格だったという[3][10][22]田の中勇からは「男の僕からしても男らしかった」「感覚が下町っていうか、本当に男の子だった」と言われていた(野沢は田の中を「タノ子」と呼んでおり、田の中も野沢を「雅男」と呼んでいたという)[52]

影響を受けた役者はいないが、ただ好きで尊敬する女優である杉村春子山岡久乃奈良岡朋子たちの芝居はよく見に行っていたという[53]

趣味は計画無しのドライブ旅行、スポーツ観戦[13][14]

好きな言葉は「自由、夢、ハプニング」[2][35]
姿勢

新人時代、当時のアフレコ環境はまだ録音機材が充実しておらず、収録中のNGは全て最初からの録り直しとなった。そのため、NGを出すと「(申し訳なさで)気を失いそうになった」と回想しており、簡単にNGを出す最近の若手声優に対し「緊張感が足りない」「『NG大賞』なんて、当時の感覚からしたら信じられない」との考えを持っている。

「声優以前に俳優である」という考えから、デビュー間もない頃は“声優”と呼ばれることには抵抗があり、インタビューのたびに「舞台女優です」と訂正を求めていた[54][55]。現在は「“声優”と呼ばれることには抵抗がなく、むしろ誇りに思っている」と語っている[54][55]。元々声優志望ではなくテレビアニメは仕事のひとつという意識だったが、アニメの仕事が増えていき、『宇宙パトロールホッパ』などレギュラーの仕事を持つようになってからは楽しいという気持ちが大きくなっていった。洋画の吹き替えは生身の人間の芝居から極端に外れることはできないがアニメは無から有を作れるため自由自在にすごく楽しく演じられるといい、この頃から「私は声優です」と言えるようになってきたのだという[56]。また、「キャラクターのイメージを壊す」という理由で、テレビの顔出し出演を拒む声優が多い中、アニメ関連に限らず、バラエティ番組などにも本人登場で出演することがある。

「役に入り込むこと」と「役を演じ分けること」に必要なのは自分の引き出しを増やすことだといい、日常生活のウォッチングとリスニングが大事だという[57]。声優を目指す者に対しては読書を通じて想像力を養ってほしいと語っており、上品な言い回しが苦手な若手声優も目立つため日頃から読書や人間観察を続けることで解決できるとアドバイスを送っている。また「他人の評価を気にせず、見栄を張らないこと」、「こうしたら上手に聴こえるかな?などと考えてはダメ。大切なのはハートです。上手な言葉ではなく生きた言葉を発してほしい。技術なんてものは、後からいくらでも成長します。だからこそ、ハートのこもったセリフを心掛けてください」とも語っている[58]

タイガーマスク』に出演していた頃、貰い火で自宅が半焼した際には「仕事に穴を開けるわけにはいかない」と、近所から服を借りてスタジオに行き、火事のことはスタッフ・共演者の誰にも告げずにアフレコに臨んだことがある[23][59][60]。また、草尾毅は「体調が悪くても、一言も弱音を口にしない方」と語っている[61]

いなかっぺ大将』では愛川欽也と二人でアドリブを多く入れていた[62]。ただし、「生きたお芝居をするのと、私が好き勝手するというのは違う。私の勝手な解釈で勝手な流れを作ったら原作者の方にも失礼」という考えから、アドリブは時々はするがあまりやらないようにしているという[63]

「今までやった役でどの役が好きですか?」という質問には、「自分が演じた役はどれもかわいい」としつつも、「しいてあげるなら『ゲゲゲの鬼太郎』(第12作墓場鬼太郎)の鬼太郎、『銀河鉄道999』の星野鉄郎、そして『ドラゴンボール』の孫悟空の三つ」と語っている[64]。この3作は全て原作者によって選ばれた役である[65]

2012年時点では「今はどこまで続けたい、何歳までやりたいという目標はなくて、私はいつもギネスブックに載るまで続ける」[60]と語っていたが、2019年には最低でも100歳まで現役でいたいと発言している[66]
役柄

声種アルト[67]
少年役

洋画を生アフレコでテレビ放送することになったが、当時の吹き替えは録音ではなく生本番でプレッシャーのかかる仕事なため子役を使えず、解決策として「女性の声帯が子供に近いのではないか」という番組プロデューサーの意見でオーディションが行われた結果、野沢が選ばれた。以降、少年キャラの吹き込み、吹き替えは女性が担当する風潮が定着し、少年役の依頼が多くなった[25][23][54](後に出てきた神谷明が『荒野の少年イサム』『バビル2世』と2度も主役の少年役を務め、今でも神谷とはこの話になると苦笑し話題が絶えないという)。

アニメ『ドラゴンボールZ』では孫親子3役をはじめ劇場版・TVスペシャルを含めると計6役を、アニメ『もーれつア太郎』では一人13役[68]、後にOVA作品『戦ー少女イクセリオン』においては1人4役[69]を演じており、役により声の抑揚、高低、強弱などを全て使い分けている。

少年役を演じる時は、役者は着ているもので気持ちも、歩き方も心構えも変わることからスカートをはいて行っておらず、常に動けるように必ずズボンという[17]
女性・老女役

少年役以外では中年女性や老婆役を演じることが多い。

アニメで唯一の美女役に『愛少女ポリアンナ物語』のバレー役をあげており、オーディションで受かってとても嬉しかったという[70]

洋画吹き替えでは、『普通の人々』(テレビ朝日版)のメアリー・タイラー・ムーアや『ミッシング』(日本テレビ版)のシシー・スペイセク、『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』のヘレン・ミレンなど母親役や中性的な雰囲気の女性を担当している。野沢が思い入れ深い映画はフェイ・ダナウェイを吹き替えた『ネットワーク』(機内上映版)であり、「息遣いが自分と全く一緒でとてもやりやすかった」という。また、ベッドシーンもいやらしくなく演じており、本当に素敵な芝居をする女優だと評していた[71]
少女役

インタビューなどで「お姫様の役をやってみたい」と度々発言している[28]が吹き替え・アニメを通し、『オズの魔法使い』のオズマ姫が、主要キャラクターでは唯一のお姫様役である。しかし、オズマ姫は少年の姿で登場し、最後に元の少女の姿に戻るという役どころであり、実質的には少年役とも言える。

数少ない少女役として、他には、人形劇『ざわざわ森のがんこちゃん』では、カエルの女の子のケロちゃんを、『あしたのジョー』第69話では、牧場の娘・桧山ユリを、『アタックNo.1』では、卑怯で気が強い女子高生・飛垣を演じた。


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