野沢雅子
[Wikipedia|▼Menu]
□記事を途中から表示しています
[最初から表示]

以降、少年キャラの吹き込み、吹き替えは女性が担当する風潮が定着し、少年役の依頼が多くなった[25][23][54](後に出てきた神谷明が『荒野の少年イサム』『バビル2世』と2度も主役の少年役を務め、今でも神谷とはこの話になると苦笑し話題が絶えないという)。

アニメ『ドラゴンボールZ』では孫親子3役をはじめ劇場版・TVスペシャルを含めると計6役を、アニメ『もーれつア太郎』では一人13役[68]、後にOVA作品『戦ー少女イクセリオン』においては1人4役[69]を演じており、役により声の抑揚、高低、強弱などを全て使い分けている。

少年役を演じる時は、役者は着ているもので気持ちも、歩き方も心構えも変わることからスカートをはいて行っておらず、常に動けるように必ずズボンという[17]
女性・老女役

少年役以外では中年女性や老婆役を演じることが多い。

アニメで唯一の美女役に『愛少女ポリアンナ物語』のバレー役をあげており、オーディションで受かってとても嬉しかったという[70]

洋画吹き替えでは、『普通の人々』(テレビ朝日版)のメアリー・タイラー・ムーアや『ミッシング』(日本テレビ版)のシシー・スペイセク、『ナショナル・トレジャー リンカーン暗殺者の日記』のヘレン・ミレンなど母親役や中性的な雰囲気の女性を担当している。野沢が思い入れ深い映画はフェイ・ダナウェイを吹き替えた『ネットワーク』(機内上映版)であり、「息遣いが自分と全く一緒でとてもやりやすかった」という。また、ベッドシーンもいやらしくなく演じており、本当に素敵な芝居をする女優だと評していた[71]
少女役

インタビューなどで「お姫様の役をやってみたい」と度々発言している[28]が吹き替え・アニメを通し、『オズの魔法使い』のオズマ姫が、主要キャラクターでは唯一のお姫様役である。しかし、オズマ姫は少年の姿で登場し、最後に元の少女の姿に戻るという役どころであり、実質的には少年役とも言える。

数少ない少女役として、他には、人形劇『ざわざわ森のがんこちゃん』では、カエルの女の子のケロちゃんを、『あしたのジョー』第69話では、牧場の娘・桧山ユリを、『アタックNo.1』では、卑怯で気が強い女子高生・飛垣を演じた。また飛垣の他にもサブキャラクターで女子高生役を演じている。また、ラジオ番組『野沢雅子がよむこどもの詩 きのう・きょう・ずーっとあした』では少年役のほか、少女役も演じている。
ゲゲゲの鬼太郎

ゲゲゲの鬼太郎』は何度も音声・映像化されているが、テレビまんが版を含めて初めて鬼太郎の声を担当し、また野沢にとっては初めての主演であった[72]。放映当時、原作者の水木しげるの趣味の「墓場の散歩」に触れ、「私もお墓を散歩するのが好きなんです」とコメントしている。後に出演した『オールナイトニッポン』でも非常に思い入れの深い役として、時には鬼太郎になりきりながら軽快に語っていた。目玉おやじ役の田の中勇ねずみ男役の大塚周夫とは元々同じ劇団であり、同じ舞台を何度も超えてきた仲間だったため最初から息はピッタリだったという[72]

記憶に残っているエピソードに第1作31話「もうりょう」と第1作7話「幽霊電車」、また印象に残っている妖怪にたんたん坊を上げていた[72]。また鬼太郎の世界は断然第1作が好きだといい、「モノクロの方が鬼太郎の世界の非常に大切な要素である怖さやおどろおどろしさが生かされると思う」と語っている[72]

鬼太郎以外で好きなキャラクターにはねずみ男を上げており「調子よくて生き方が楽ですよね。人間ちょっとかっこつけたい部分があるじゃないですか、あの人にはない。思いっきり全部出しちゃいますよね。だから好きなんです」とのこと[73]。大塚周夫のねずみ男の演技は灰汁が強いため、鬼太郎以外ではねずみ男を演じてみたいと語ったこともある[74]

第3作以降においては、キャストが一新され、鬼太郎役はその度新キャストとなっている。キャスト変更を当初はがっかりしたが、その後『ドラゴンボール』で孫悟空役に決定した際、当時は「同じ局系列で2作品の主役はできない」という不文律があり、この件がなければ孫悟空を演じることができなかったため、「結果として野沢雅子のアニメ史に『ドラゴンボール』という作品が一つ増えた」「巡り合わせや出会いは何が幸運になるか分かりませんね」と振り返っている[23][75]。新作の『鬼太郎』が放映されると、必ず第1話を見るという。なお、第3作で鬼太郎役を演じた戸田恵子は大先輩の役を引き継ぐということでプレッシャーを感じていたといい、40周年映画で歴代のキャストが勢揃いした際は「野沢さんが来るからオファーを受けた」と冗談めかして語っている[76]

2007年8月にNHKにて放送された『鬼太郎が見た玉砕 ?水木しげるの戦争?』では、短いシーンの登場であるが数年ぶりに鬼太郎の声を演じ、2008年放送の『墓場鬼太郎』で再び主役を担当した。この際、デザインも性格も以前のものと違う貸本時代の不気味な鬼太郎を見て、最初は驚いたがすぐに入っていくことができ、「可愛い」と思ったという[77]。『墓場鬼太郎』の鬼太郎を「原点なので、ネジが何本か抜けている鬼太郎」と評していた[78]。本来の鬼太郎に関しては「ガキ大将の優等生」[72]、「正義感が強く、普通の可愛い男の子」[76]と考えているという。

2017年12月公開の映画『映画 妖怪ウォッチ シャドウサイド 鬼王の復活』では、コラボ企画として作品にゲスト登場する鬼太郎の声を演じた[79]

「もし6期のオファーが来たら引き受けたい」と語っていた[74]が、2018年4月開始の第6作では、これまでテレビシリーズでは田の中勇が担当して来た目玉おやじの声を担当する。オーディションで役に決まったことについて野沢は「親子をできるなんて最高に幸せ。背伸びせず気張らず私なりの父親を演じていこうと思っています」と語っている[80]
銀河鉄道999

アニメ化の際、キャストのオーディション選考で居合わせていた原作者の松本零士が野沢の声を聞いて「この声だ」と、星野鉄郎役に決定した[54]

原作のコミックはオーディションの前は読んでおらず、役柄はいつも出会った時の第一印象を大切にしていたという[81]。それがよかったのかどうかは分からないが、合格したという[81]

本作が放送された3年間は平日にレギュラーの仕事をこなし、土曜日から月曜日までは地方のイベントに出席、そして急いで戻り、また月曜日から金曜日までレギュラーの仕事という、最も多忙だった時期だと振り返っている[58]

オーディション前に鉄郎の見た目を初めて見た当初、おせじにもかわいいと言えないと思っていたが、最初の録音の時までに自分の分身のように思えてきたという。また、劇場版で15歳になり、テレビシリーズとは見た目が大きく変わった鉄郎を見た際はかっこよすぎると思ったが、動き始めた鉄郎を見てやっぱり鉄郎だと思ったという[82]

劇場版のラストの鉄郎とメーテルが別れるシーンは収録の際、野沢は泣き出してしまい、一緒に居合わせていた共演者の井上真樹夫や他のスタッフ、松本零士も涙ぐんでいてなかなか進まなかったという[82]


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:388 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef