重国籍
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なお、2016年9月には中華民国の「国籍喪失許可証」と外国国籍喪失届を目黒区役所に提出しているが、こちらは日本国政府が中華民国を国家の承認をしていないことなどを理由に却下されている[10][59]。日本弁護士連合会は、2021年に「日台複数籍者の国籍選択に関する人権救済申立事件(勧告)」[60]を公表し、「日台複数籍者は国籍法14条に基づく選択義務を負わないと解すべきである」との判断を示したうえで、内閣総理大臣および法務大臣宛てに「日台複数籍者に国籍法14条が規定する国籍選択を求めてはならない。」「日台複数籍者に対して,日本国籍の選択宣言を行わなかったとしても,国籍法上の義務違反に当たらないことを周知徹底するべき。」との勧告を行っている。

小野田紀美参議院議員が2016年10月時点で、アメリカ当局に対しては米国籍放棄の手続きを取っていなかった二重国籍だと判明し離脱手続きを始めた[61]。小野田は参議院に立候補する前の2015年10月には終えていた「日本国籍選択とアメリカ国籍放棄手続き」と、2016年10月に始めた努力義務である「外国の法においての国籍離脱」の手続きが済んで、2017年5月2日付で「アメリカ国籍喪失証明書」が届いたためアメリカ合衆国籍を正式に離脱し、二重国籍状態を解消した[62]

スポーツ選手における多重国籍

国の代表選手であるオリンピック選手が二重国籍だった場合、国によって対応が異なる。アメリカでは二重国籍者でも代表選手になることが可能であり、カリコー・カタリンの娘であるフランツィア・ジュジャンナは2歳の時にハンガリーから移住しハンガリーとアメリカのの二重国籍となったが、2008年北京オリンピック2012年ロンドンオリンピックボート競技エイト)のアメリカ代表選手として金メダルを獲得した。

ヨーロッパのサッカー1部リーグで活躍する選手の中には、外国人枠の問題でヨーロッパの国籍を取得し二重国籍となる選手もいる[63]EU域内のいずれかの国籍を有していれば、規定によりEU域内のどの国のクラブでも外国人とはみなされない。

年代別代表選出経験があっても、フル代表出場経験(親善試合は対象外)がなければ、他の国のフル代表としてプレーすることは可能である。例としてティアゴ・モッタはU-23ブラジル代表でプレーしたが、フル代表はイタリアを選択している。この場合、モッタがブラジルのフル代表としてプレーするのは不可能となる。また、ジエゴ・コスタは2013年にブラジル代表として親善試合にも出場したが、2014年のワールドカップ直前に突然スペイン代表を選択して、母国で開催国であるブラジルの国民を驚かせた[64]

韓国では、科学経済文化体育など特定分野で非常に優秀な能力を保有する者で、韓国の国益に寄与すると認められる者に限り認められる「特別帰化制度」がある。「特別帰化」で韓国籍を取得した外国人は、成人後も多重国籍であることが特例として認められる[65]
脚注[脚注の使い方]
注釈^ アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、コスタリカ、ドミニカ共和国、エクアドル、グアテマラ、ホンジュラス、ニカラグア、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、アンドラ、ポルトガル、フィリピン、赤道ギニア
^ 男女の兵役義務は2008年に廃止された。
^ イギリス、イタリア、フランス、ベルギー、アイスランド、オーストラリア、ニュージランド、スウェーデン、アメリカ合衆国、アイルランド、オランダ、スイスカナダ、エジプト、ヨルダンシリア
^ 立候補の時点で過去2年間にフィジーに1年半以上滞在しているという証明と多重国籍の解消の証明が必要。

出典^ “国籍選択について”. 法務省. 2013年2月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年2月11日閲覧。
^ a b c “アメリカ市民サービス > 二重国籍”. 在日アメリカ大使館. 2014年8月23日閲覧。
^ a b “政治家の二重国籍問題、海外では厳しい対応 発覚した閣僚は辞任、議員は辞職”. 産経ニュース. (2017年7月27日). https://www.sankei.com/article/20170727-7UO2CO2DIFIETDKOT6PJVTJ7G4/ 2017年9月10日閲覧。 
^ a b Convention on Certain Questions relating to the Conflict of Nationality Laws, Hague, 12 April 1930, League of Nations, Treaty Series, vol. 179, p. 89
^ a b c d e f g h i 大山尚(参議院第三特別室)「重国籍と国籍唯一の原則」(PDF)『立法と調査』第295号、参議院事務局企画調整室、2009年8月1日、 オリジナルの2013年2月11日時点におけるアーカイブ、2013年2月11日閲覧。 
^ 『ブリタニカ国際大百科事典』 小項目事典. “国籍法の抵触に関する条約”. コトバンク. 2017年9月12日閲覧。
^ a b c d 岡村美保子「重国籍 : 我が国の法制と各国の動向」『レファレンス』第634号、国立国会図書館、2003年11月、NDLJP:999969、2017年8月14日閲覧。 
^ Spiro, Peter J. (2010-01-01). “Dual citizenship as human right”. International Journal of Constitutional Law (Oxford University Press) 8 (1): 111-130. doi:10.1093/icon/mop035. https://doi.org/10.1093/icon/mop035 2018年12月10日閲覧。. 
^ “航空機の登録について”. 国土交通省. 2018年3月20日閲覧。
^ a b 岡野翔太 (2017年9月9日). “ ⇒蓮舫「二重国籍」問題に見る在日台湾人のジレンマ”. ニッポンドットコム. 2017年9月13日閲覧。
^ 国籍法第14条
^ “Q13:日本国籍の離脱には,どのような手続が必要ですか?”. 国籍Q&A. 法務省. 2017年9月12日閲覧。
^ 外務公務員法第7条1項
^ “人事院 規則八―一八(採用試験)”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2015年4月14日閲覧。
^ “【日本の解き方】蓮舫氏の二重国籍問題 ひどすぎる左派マスコミの報道 国政と地方を混同”. ZAKZAK (産経デジタル). (2016年9月15日). https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20160915/dms1609150830003-n1.htm 2016年9月15日閲覧。 
^ うにうに (2014年10月12日). “二重国籍の実態:「ノーベル賞中村氏は日本人」とする安倍首相、「日本国籍を喪失」とする日本大使館”. ハフィトンポスト. https://www.huffingtonpost.jp/uniuni/person-with-dual-nationality_b_5969438.html 2014年10月17日閲覧。 
^ 日本弁護士連合会 国籍選択制度に関する意見書. 2008.
^ 日本弁護士連合会 国籍留保・喪失制度に関する意見書. 2017.
^ “第33号 平成16年6月2日(水曜日)”. 第159回国会 法務委員会. 衆議院. 2013年2月1日閲覧。
^ 『月刊Hanada』2016年11月号、53頁。
^ a b “二重国籍秘匿は刑事犯罪”. ロシアNOW. Russia Beyond the Headlines. 2017年9月12日閲覧。


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