里見八犬伝_(1983年の映画)
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1984年の配給収入では邦画1位の23億2000万円[3]、映画公開と同時に発売された[4]ビデオも5万本、7億円を売り上げた[5][注 1]
ストーリー

かつて蟇田領主、蟇田定包(ひきたさだかね)は毒婦・玉梓(たまづさ)の色香に迷い、酒池肉林と暴虐の限りを尽くしていた。苦しむ領民の意をくみ取り、里見義実(さとみよしざね)は、彼らを討ちとったが、玉梓は最期に呪いの言葉を遺す。まもなく、玉梓の呪いか里見家は隣国の軍勢に囲まれ落城の危機に瀕す。力尽きた義実は飼い犬の八房(やつふさ)に「敵将の首を討ちとれば娘の伏姫(ふせひめ)を嫁につかわす」と戯言を投げかけ、その夜、八房は見事に敵将の首を討ちとる。君主たるもの約束を違えてはならないと、伏姫を八房と共に山奥へと去らせるが、伏姫を取り戻そうとした義実の軍の鉄砲のせいで、八房をかばった伏姫は死んでしまう。しかし死の直前、伏姫の体から仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌の各字を刻んだ八つの霊玉が飛び散り、伏姫は「百年の後、この光の玉は八人の犬士となって蘇り、里見の姫を奉じて玉梓の呪いに打ち勝つでしょう」と言い残す。

百年後、妖怪として蘇った玉梓、息子の素藤(もとふじ)は、里見家を攻め滅ぼす。ただ一人落ち延びた里見家の静姫は、玉梓の追手から逃れ、その野望を砕くため戦いを決意する。このとき姫は犬江親兵衛から炭焼き小屋で食べ物を恵まれ、女と分かり追いかけられるが、犬山道節たちに護られるなど、それぞれの運命により導かれた八人の犬士が次第に集まる。ところが静姫は、けもの罠にかかりさらわれてしまう。犯人は親兵衛であった。静姫を素藤の許へ連れていく途中、親兵衛は、素藤の支配下の安房国の荒廃を目の当たりにする。ここで黒騎馬侍に静姫が見つかり、親兵衛らは鍾乳洞に逃げ込むが、中にいた道節たちによって親兵衛は放り出された。その後、親兵衛は黒騎馬たちに捕まり、右手首の黒い痣は玉梓の怨念を背負って転生した姿の証拠で、100年前は私の子であったと教えられ、「御霊様」に仕える司祭・幻人によって悪の化身にされてしまった。だが、素藤配下の侍大将犬飼現八が親兵衛を連れて城を脱出。現八の懐には霊玉が光り、静姫のいる洞で七人目の犬士として迎えられる。一方、目をさました親兵衛がいきなり静姫に襲いかかるが、静姫が「お前に会いたいと思っていた」と話すと、白い閃光が親兵衛を一撃。親兵衛が再び目をさますと右手首の痣が消え、二人の間には光り輝く霊玉が現れる。愛し合う二人の前に突如、大蛇が現れて静姫を巻いて去る。霊玉を八個集めた時、伏姫の「この弓矢を静姫に与えよ」という声が響く。

皆で館山城に向うが、激しい反撃にあい、犬士達の犠牲を乗り越えて大広間にたどりつけたのは道節と親兵衛の二人だけ。道節が盾となり、親兵衛が静姫を解き放ち、静姫は御霊様に矢を放つ。玉梓や素藤はミイラと化し、城は崩れ落ちる。こうして親兵衛は、静姫を叔父の城へと届ける。姫と別れた親兵衛が七犬士の墓を祀っているところに、静姫が駆けつけ「城へ戻らぬ」と言う。躊躇する親兵衛だが、七犬士の声に激励され、静姫と生きていく決意をする。
キャスト
里見家


静姫 -
薬師丸ひろ子
里見家の姫。一族を殺された里見家唯一の生き残り。闇の軍団の追跡から逃れ、武蔵国の叔父・太田資正に助けを乞う旅路の途中で親兵衛や道節に出会う。一時、親兵衛に連れ去られるも、粗暴であるが心根が優しい性格に惹かれていく。姫にしては活発な性格。

伏姫 ※声のみの出演 - 松坂慶子
100年前の里見家の姫で、死に際に八つの霊玉を遺す。八犬士を導く。
光の軍団(八犬士)


犬江親兵衛) - 真田広之
孤児で百姓に育てられ、侍に憧れて一国一城の主を狙って静姫をつけ狙うも、一緒に行動していくうちに彼女に惹かれていく。大鎌の二刀流を武器とする。ヒロインの静姫とともに本作品の主人公。

犬山道節) - 千葉真一
里見義実に仕えた祖父が100年前の出来事を描き残した絵巻を所持し、八犬士を集めるべく大角と行動しているリーダー格の犬士。病に冒され余命一か月と診断されている。

犬村大角) - 寺田農
里見義実の家臣の子孫。修験者が立ち寄る小屋で育ったため、武芸と学問に通じ、山伏姿で銃や爆薬を武器とする[注 2]

犬坂毛野) - 志穂美悦子
唯一の女犬士。呪われし生まれつきで「誰からも愛されず、誰も愛さず」を信条に孤独に暗殺を生業として生きてきた。浜路の婚礼の席にて女田楽の舞踊をしながら蛇を操り、隙をついて代官の首をはねる。妖之助に見初められるも敵対することになる[注 3]

犬塚信乃) - 京本政樹
義妹の浜路と密かに想い合っていたが、代官殺しの手引きをしたと勘違いされ、浜路が自分をかばって叔父に斬り殺されたことに激高し、一族を斬り殺してしまう。原因を作った毛野との確執を乗り越え八犬士の仲間となる[注 4]

犬川荘助) - 福原拓也(子役)
成人だが、子供の姿をした犬士。異形の者たちが住む洞窟で育ち、人並外れた 聴覚を持つ。

犬田小文吾) - 苅谷俊介
巨体で怪力の犬士。荘助と同じ洞窟で育つ。

犬飼現八) - 大葉健二
闇の軍団の侍大将で非道を繰り返していたが、玉を手に入れ、親兵衛が吹く伏姫の笛の音により、正義の心に目覚める。槍術を得意とする。
闇の軍団


玉梓 - 夏木マリ
100年前、毒婦として蟇田定包を操り民衆を苦しめていたために、里見義実らに焼き殺された。後に「御霊様」の力で妖艶な美貌の妖怪として復活し、血の池に入ることで永遠の若さを保っている。親兵衛は玉梓の次男の転生した姿であることが明かされる。

蟇田素藤 - 目黒祐樹
玉梓の長男。玉梓と共に焼き殺されたが、復活して里見一族を皆殺しにした。生まれ変わった姿は皮膚が焼けただれていたため、高貴な姫の皮膚を移植し、最後の皮膚として静姫を狙う。

妖之介 - 萩原流行
大蛇の化身。毛野を「自分のために生まれてきた女」と惚れ込み、我が物にしようとする。

浜路 - 岡田奈々
義兄である信乃を想い続け、婚礼の席で代官が死んだことで信乃と駆け落ちしようとするも彼をかばって命を落とす。遺体は幻人によって回収され、全身が毒の体で蘇り、闇の軍団の配下として八犬士の敵となってしまう。

幻人 - 汐路章
御霊様の司祭で、素藤の皮膚の移植や、浜路の体を毒に作り変えるなど、医術・妖術に秀でている。

船虫 - ヨネヤマ・ママコ
ムカデの妖怪で普段は老婆の姿をしている。大角の母を殺し、成りすまして静姫を襲う。

悪四郎 - 浜田晃

その他


蟇六 - 遠藤太津朗

彦爺 - 殿山泰司

太田正春 - 高柳良一

太田資正 - 成田三樹夫

農民 - 小峰隆司

正香 - 北城真記子

小萩 - 賀田裕子

杉倉木曾介 - 鈴木瑞穂

樋上宮六 - 曽根晴美

在村 - 鈴木康弘

案内の侍 - 唐沢民賢

宴の侍 - 石丸謙二郎、畑中猛重

村の子供 - 池田直人、上田絵美

村の老婆 - 岡島艶子

宴の男 - 高野嗣郎

笛の侍 - 清水昭博

毒娘 - 小島憲子、大内弘子、森山啓子、前川恵美子、諏訪裕子、松村真弓

黒鎧武者 - 井上誠吾関根大学麿のぼる、小船秋夫、江原政一、白井滋郎、藤沢徹夫、細川純一

代官家来 - 成瀬正福本清三峰蘭太郎、平河正雄


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