酸素(さんそ、英: oxygen、羅: oxygenium、仏: oxygene、独: Sauerstoff)は、原子番号8の元素である。元素記号はO。原子量は16.00。第16族元素、第2周期元素のひとつ。
名称宇田川榕庵
スウェーデンの化学者、カール・ヴィルヘルム・シェーレが1771年に初めて見つけた[1]。しかし、これはすぐに公にされず、その後1774年にジョゼフ・プリーストリーがそれとは独立して見つけたあとに広く知られるようになった[4]。そのため、化学史上の発見者はプリーストリーとされている[5]。
酸素は発見当初、「酸を生む物」と誤解された。これは、アントワーヌ・ラヴォアジエが前述のように誤解して、ギリシャ語のoxys(酸)とgenen(生む)を合わせ、「仏: oxygene」と名付けた[1]ことに由来する。英語でも「oxygen(オキシジェン)」といい、日本語でもこれらを宇田川榕菴が直訳して「酸素」と呼んだ。
一方、中国語圏では「酸」という字を用いず、「?」(中国語読み:ヤン、ピンイン:y?ng、日本語読み:よう)という字をあて、?や?氣(ようき)という。韓国では日本語と中国語の名称が混用されたが、日本語の名称が定着した。(ハングル表記:??、韓国語読み:サンソ) 電気陰性度が大きいため反応性に富み、ほかのほとんどの元素と化合物(特に酸化物)を作る。標準状態では2個の酸素原子が二重結合した無味無臭無色透明の二原子分子である酸素分子O2として存在する。 約90 Kで液体、約54 Kで青みがかった固体となる。ダイヤモンドアンビルセルなどで100万気圧を超えた高圧下では金属光沢を持ち、125万気圧、0.6 Kでは超伝導金属となる。 酸素は、フッ素に次いで2番目に電気陰性度が大きい[6]ため酸化力が強く、ほとんどの元素と発熱反応を起こして化合物を作る[7]。1962年以降には希ガスであるキセノンも、酸素と化合して三酸化キセノン(XeO 宇宙では水素、ヘリウムに次いで3番目に多くの質量を占め[9]、ケイ素量を106としたときの比率は2.38×107である[10]。 地球地殻においては最大を占める元素(質量の46.60%、体積の93.77%)であり[注 1]、石英の成分であるSiO2が地殻の大部分を構成している[11][注 2]。気体の酸素分子は大気の体積の20.95 %[12]、質量で23%を占める[1]。 地球外でも酸素は多く存在している。おもな存在形態である氷は地球のほか、惑星や、彗星、小惑星などにも見られる[要出典]。火星においては、大気組成の95%を二酸化炭素が占める[注 3]ほか、二酸化炭素(ドライアイス)やごく少量の水が氷として両極の氷床(氷冠)に存在している[14]。星が生まれる元となる分子雲では、一酸化炭素が分子の中で2番目に存在量の多い分子である。酸素の起源は恒星核におけるヘリウムの核融合であり、酸素のスペクトルが検出される恒星も存在している[要出典]。 酸素分子(英: dioxygen、化学式:O
性質
物理的性質
化学的性質
3)などの化合物を作ることがわかった[8]。
分布
酸素分子
物理的性質
2は、常温常圧では無色無臭で助燃性をもつ気体として存在する。分子量32.00、沸点?183 °C (90.1 K)、融点?218.9 °C (54.2 K)。水100 gに溶解する量は0 °Cで6.945 mg、25 °Cで3.931 mg、50 °Cで2.657 mg[3]。液体酸素は淡青色を示し、比重は1.14である[3]。基底状態の三重項状態では不対電子を持つため常磁性体である。また活性酸素の一種で反磁性である励起状態の一重項酸素も存在する。
Size:141 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
担当:undef