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酒税法では、アルコール分を1%以上含む飲料と定義され[48]酒税の課税対象となっている[49]。アルコールを10%以上含み江戸時代には酒であったみりん(本みりん)は、調味料として使用される場合でも酒税の課税対象となっており、酒税法では「混成酒類」に分類されている[50]。ただしアルコールを含んでいても、食塩や酢の添加により不可飲処置が施された料理酒は、酒税の課税対象から外れ、酒類販売免許を持たない商店でも販売できる。また、酒の主成分であるエタノールは引火性があるため、濃度の高い(アルコール度数60%以上の)酒は、消防法の規制を受ける。1951年には、酒に酔つて公衆に迷惑をかける行為の防止等に関する法律が公布された。2013年には、アルコール健康障害対策基本法が制定された。飛行機の操縦士の飲酒問題により、国土交通省は2019年、既に義務化されていたバスタクシーに加え、航空機操縦士鉄道運転士、船員に対しても飲酒検査を義務づける方針とした[51][52]。なお、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の適用を受ける医薬品に該当する健康酒(薬用酒)でも、アルコール分が含まれている分、飲用後の運転道路交通法違反にあたる恐れがある。オートバイ自転車等の軽車両も含む)を運転する前には、飲用しないことが適当である[53]。また満20歳未満の者の飲用もできない[54]
 アメリカ合衆国
かつてはアメリカ合衆国の州により最低飲酒年齢は18歳から21歳とばらつきがあった。1984年、国家最低飲酒年齢法(英語版)により21歳未満の飲酒を認める州には連邦政府予算を支出しないこととなり、最低飲酒年齢は21歳に統一された。ただし、一部の州は、例外として宗教的理由での21歳未満の飲酒を認めている。
 ドイツ
最低購入年齢はビール・ワインなどは16歳から。蒸留酒などは18歳から[要出典]。18歳未満の飲酒の可否は、保護者に一任される[要出典]。
 イギリス
最低購入年齢は18歳。最低飲酒年齢は、家庭では5歳。16歳で、ビールとリンゴ酒バーやレストランで飲むことが認められ、18歳で全面的に飲酒が認められる[要出典]。スポーツ施設での飲酒は禁止されている[要出典]。
 フランス
最低購入年齢は16歳[要出典]。最低飲酒年齢は、アルコール度数の低い一部の酒類については16歳、残りの酒類は18歳[要出典]。
 リトアニア
2018年、飲酒が認められる年齢が18歳から20歳に引き上げられた。また、同年より酒類の広告が全面禁止されている[55]
韓国
最低飲酒年齢は満19歳[要出典]。
 サウジアラビア
飲酒・所持・国内持込は全面禁止[要出典]。
 クウェートイランイエメンイラクアフガニスタン
飲酒は全面禁止[要出典]。
 アラブ首長国連邦
内務省の許可の下、非イスラム教徒の外国人のみが、飲酒を認められる[要出典]。
 パキスタンバングラデシュ
イスラム教徒の飲酒は禁止であるが、一部の飲食店などは飲酒が認められる[要出典]。
航空機への持ち込み制限、宅配便の引き受け制限

アルコールそのものは可燃性液体であるため、航空保安上、度数の高い酒類の持ち込みが規制される。以下は日本においての規制内容である。[56]

70%超 危険品となり、機内持ち込みも受託もできない。

24%超70%以下 機内持ち込み分・受託分の合計が1人当たり5 Lまで。

24%以下 制限なし。

また、度数が70%超のアルコール飲料は宅配便での配送は不可である[57][58]
宗教と酒

酒の扱いは宗教ごとに異なっている。酒を神聖な場面で扱い、特別視する宗教・宗派がある一方で、飲酒が人や社会に悪影響を及ぼすとし、酒を敬遠・禁止する宗教・宗派もある。酒のもたらす精神変容は宗教体験や呪術と結び付けられ、非日常の宗教儀式用に摂取されるものとされていたと考えられる。今日でも様々な文化の様々な伝統宗教や祭祀習慣において、酒類は欠かせないものとなっている。飲酒にまつわる儀礼にはそうした宗教・祭祀慣習とのかかわりが深い。今日においても、酒類の儀礼性、宗教性は濃密に残っており、日本の屠蘇のように特定の祝い事と結びついた酒がある。

ユダヤ教では、安息日祝祭日を聖化して迎えるために、夕食前にワインを専用の杯に注いでキッドゥーシュという祈りの言葉を唱える(ブドウジュースで代用する場合もある)。

中世ドイツのキリスト教世界では泥酔は神に対する罪の一つとされ、檻に入れられたうえ街頭に吊るされる刑罰の対象とされた。

カトリックなど大多数のキリスト教会派では、ミサや礼拝の際に執り行われる聖餐式で、赤ワイン(葡萄酒、特に混ぜ物のされていない純粋なもの)がイエスの血の象徴とされている[59]。ただし、プロテスタントの教派の多くは、アルコール分を含まないブドウジュースを用いる。

プロテスタントでは、宗派により容認度は異なり、保守的な宗派ほど厳しい。セブンスデー・アドベンチスト教会は、禁酒を勧めており、救世軍は禁酒が絶対である。

末日聖徒イエス・キリスト教会(通称:モルモン教)は、戒律で飲酒を禁じている。

イスラム教では、飲酒の効用は認めつつも、酒癖や健康上などの弊害が多いことを理由に、飲酒を禁じている。しかしその一方、適度な飲酒なら問題ないと考え、飲酒を行うムスリムも存在する。イスラム世界でもキリスト教徒ユダヤ教徒による醸造は許されたことが多く、飲酒文化が保持された。古来より飲酒をするムスリムは存在し、ルバイヤートなどでは、飲酒の快楽が述べられている。現代でも世俗主義を標榜しているトルコエジプトなどでは飲酒が盛んである。詳しくは「イスラム教における飲酒」参照。

ヒンドゥー教では、地域により異なる。一部の地域では飲酒は避けるべき悪徳であるとされ、中でもヴィシュヌ神の敬虔な信者の多くは飲酒をしない。ネパールの祭事インドラ・ジャートラーでは、セート・バイラブ神の像の口から時折チャンと呼ばれる米酒が流れだし、その場に居合わせたものはそれを飲むことができる[60]


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