酒は大きく分けて醸造酒、蒸留酒、混成酒に分かれる。醸造酒は単発酵酒と複発酵酒に分けられ、複発酵酒は単行複発酵酒と並行複発酵酒に分けられる。
醸造酒:原料を発酵させた酒。蒸留や混成といった手順を踏まないもの(発酵後そのままとは限らない。飲みやすく調整するために水を加えるなど)。
単発酵酒:原料中に糖類が含まれており、最初からアルコール発酵を行うもの。
複発酵酒:アルコール発酵だけでなく、穀物のデンプンなどを糖化する過程を含むもの。
単行複発酵酒:糖化の過程が終わってからアルコール発酵が行われるもの。ビールなど。
並行複発酵酒:糖化とアルコール発酵が並行して行われるもの。清酒など。
蒸留酒:醸造酒を蒸留し、アルコール分を高めた酒。
混成酒:酒(蒸留酒が主に使われる)に他の原料を加え、香り・味・色などを整えた酒。
蒸留酒のうち、樽熟成を行わないものをホワイトスピリッツ、何年かの樽熟成で着色したものをブラウンスピリッツとする分類法がある。ただし、テキーラ、ラム、アクアビットなどではホワイトスピリッツとブラウンスピリッツの両方の製品があり、分類としては本質的なものではない。
なお、全ての酒が上記いずれかに含まれるわけではない。例えばアイスボックビール[14] は、醸造後にアルコール分を高める手順があるため醸造酒とは言いがたいが、その手順が蒸留ではない(凍結濃縮)ため蒸留酒でもない。また、凍結濃縮を他の酒類に適用する研究も行われている[15]。 原料によって酒の種類がある程度決まる。しかし、ジン、ウォッカ、焼酎、ビール、マッコリがあり、必ずしも原料によって酒の種類が決まるわけではない。また、原産地によって名称が制限される場合がある。たとえばテキーラは産地が限定されていて、他の地域で作ったものはテキーラと呼ぶことができずメスカルと呼ばれる。 サボルチの林檎パーリンカ 麦焼酎 (コーンスターチ)ビール ※副材料として 用いられる。甲類および乙類焼酎
原料による分類
ナシペリー(またはペルー)
レモンリモンチェッロ
プルーンツイカ
トウモロコシチチャバーボン・ウイスキー
トウモロコシ
モロコシ白酒
ソバ蕎麦焼酎
ライムギクワス
ヒエトノト
テフテラ
根菜類サツマイモ芋焼酎
ジャガイモアクアビット
タピオカ甲類焼酎 ※一部の商品
その他
その他乳馬乳酒
インダストリアルラム アルコール飲料は多くの国で課税対象であり、また年齢によって飲用が制限されることも多いため、法律によって酒の定義や区分を明確に定めている。日本ではアルコール度数1度以上が酒類と定義され20歳未満の飲用は禁じられているが、これらの閾値は当然国・地域によって異なる。また、フランスのAOC法 100g中の酒に含まれるアルコール質量[16]種類100g中のアルコール質量 日本でのアルコール度数は、含まれるアルコールの容量パーセントで「度」と表す。正確には、温度15℃のとき、その中に含まれるエチルアルコールの容量をパーセントで表した値。販売されている酒の多くは、3度(ビール等)から50度前後(蒸留酒類)の範囲であるが、中には90度を超す商品もある。日本の酒税法では、1度未満の飲料は酒に含まれない。そのため一般的な甘酒はソフトドリンクに分類される。なお、日本酒には「日本酒度」という尺度があるが、これは日本酒の比重に基づくもので、アルコール度数とエキス分(酒類中の糖、有機酸、アミノ酸など不揮発性成分の含有量)に依存する。 英語圏では、度数のほか、アルコールプルーフも使われる。USプルーフは度数の2倍、UKプルーフは度数の約1.75倍である。英語圏で degree や ° といえばプルーフのことなので、注意が必要である。 中年期の適度なアルコール摂取(女性で約325ml/日、男性で約600ml/日)が、老年期の認知能力の向上につながる可能性を示唆する研究がある[17]。 個人差はあるものの、少量の飲酒に限れば、胃液の分泌が盛んになり消化を助け、食欲が増進する。 ほろ酔い程度の飲酒により、行動欲求を抑圧している精神的な緊張を緩和し、気分がリラックスし、ストレスの解消につながる(セルフメディケーション)。 適量のアルコールが体内に入ると、思考や知覚、運動、記憶などといった機能をつかさどっている大脳皮質の抑制が解放される作用がある。
酒類の分類に関連する法律
度数
日本酒(純米酒)12.3g
日本酒(本醸造酒)12.3g
日本酒(吟醸酒)12.5g
日本酒(純米吟醸酒)12.0g
ビール(淡色)3.7g
ビール(黒)4.2g
ビール(スタウト)5.9g
発泡酒4.2 g
ぶどう酒(白)9.1g
ぶどう酒(赤)9.3g
ぶどう酒(ロゼ)8.5g
紹興酒(紹興酒)14.1g
しょうちゅう(甲類)29.0g
しょうちゅう(乙類)20.5g
ウイスキー33.4g
ブランデー33.4g
ウオッカ33.8g
ジン40.0g
効用
高齢期の認知能力向上
食欲の増進
ストレスの解消
コミュニケーションの円滑化
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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