都営地下鉄大江戸線
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京王は芦花公園 - 新宿間は京王線複々線化させ、第9号線と直通運転して都心へ乗り入れる、第9号線は新宿駅南口で甲州街道国道20号)の地下を通る案(現行の新線新宿経由)を主張した[11][12]

これを受け、1964年(昭和39年)3月27日、都市交通審議会は京王の主張した案を採用し、第9号線芦花公園 - 新宿間の経由地は京王線を複々線化させて、桜上水明大前幡ヶ谷を経由することに変更した[13][11]

1968年昭和43年)4月10日答申第10号において、それまでの第9号線は第12号線に変更され[14][15]、「新宿方面より春日町、上野、深川及び月島の各方面を経て麻布方面に至る路線」として示され[9]、「なお、本路線は環状線とすることも考えられるので、路線の一部については、将来再検討することとする」とされた[14]。この第10号答申では、京王線芦花公園方面 - 新宿 - 住吉町に至る都市計画第10号線(都営新宿線)が新たに制定されている[14][12](第9号線と京王線との乗り入れから、新たに制定された第10号線と京王線が乗り入れることに振り替え[15]。第9号線→第12号線の他社乗り入れは計画はなくなった[15])。

1972年(昭和47年)3月の答申第15号では新宿方面 - 麻布方面を環状線とし、新宿から新宿に戻り、さらに新宿 - 高松練馬区)間および東京8号線から削除した護国寺 - 目白 - 西落合間を加える形に変更された[9](現在の環状部・放射部に準じたルートと、旧8号線の西落合 - 護国寺間に整理される[9])。なお、同時に高松町(現:光が丘パークタウン付近)から大泉方面への延伸も検討されている[9]。このうち、放射部にあたる光が丘駅 - 練馬駅 - 都庁前駅 - 新宿駅間が「都営12号線」として開業し、後に環状部延伸開業時に「大江戸線」に改称している。なお、支線にあたる西落合 - 護国寺間は免許申請しないこととされ[16]1985年(昭和60年)の運輸政策審議会答申第7号ではこの区間が削除されている(都市計画上は8号線として残存)。

建設費を削減するため、大阪市営地下鉄(現在のOsaka Metro長堀鶴見緑地線に次いで日本で2番目に鉄輪式リニアモーターミニ地下鉄が採用された。都営地下鉄の路線の中では唯一、他社路線との直通運転を行っていない。また、大江戸線の営業線は全線地下だが、車両は検査を行っている馬込車両検修場で地上に姿を現す(#車両節を参照)。浅草線も自局営業線は全線地下にあるものの、車両は馬込車両検修場や直通先の他社線で地上に姿を現す。そのため、営業運転において車両が地上に出ない路線は、都営地下鉄では大江戸線のみとなる。

都営地下鉄で初めてワンマン運転を実施した。単一の地下鉄路線としては日本最長 (40.7 km) であり[17]、全線がトンネル(地下区間)構造のため、連続した地下鉄トンネルとしても日本最長である。

後発で建設された地下鉄路線のため、既存の路線より深部を走り、全般的に駅ホームがかなり深いところに設置されている。特に2層構造の六本木駅は下部の内回り1番線ホームが地下 42 m と、地下鉄駅としては日本で最も低い場所に位置する。また、中井駅北方 - 西新宿五丁目駅西方にかけての区間は並行する首都高速中央環状線山手トンネルの直下を通過しており、中井駅・東中野駅中野坂上駅の駅躯体は山手トンネルと一体化した構造になっている(「山手トンネル#都営地下鉄大江戸線との関係」も参照)。

日本の地下鉄では最深部を走行しており、耐震性に富み、災害時には救助作業の大動脈として利用されることになっている。そのため、非常用の備蓄倉庫麻布十番駅清澄白河駅に設置されている[18]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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