郵便車
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事例としては、田原本局奈良県磯城郡田原本町)が王寺局(同北葛城郡王寺町)より分岐した枝番になっている、愛知県北設楽郡豊根村富山(旧富山村)は静岡県浜松市天竜区の水窪郵便局の枝番で現在でもJR飯田線を経由し集配を行なっている、小牛田局宮城県遠田郡美里町)から古川局(同大崎市)へ分岐していた、などがある。

1971年昭和46年)をピークに飛行機高速道路網の発達でシェアを落とし、1984年(昭和59年)1月末を以て取扱便の休止、1986年(昭和61年)9月限りで残されていた護送便・締切便も休止となり、郵政省が所有していた鉄道郵便車は廃車された。これにより郵便車を使用した鉄道郵便輸送は全廃となり、コンテナ締切便(当時は全国で14便)が残るのみとなった[5]。郵便輸送全廃に伴い廃車となった郵便車のなかには、郵政省所有だったため転用が利かず、クモユ143形や一部のスユ15形の様に製造から4年しか使われなかったものもある。郵政省としても自省の国有財産を鉄道車両だからといって無償・格安で国鉄に譲渡するわけにはいかず、国鉄も翌年に分割民営化を控えており、特定地方交通線や荷物輸送の廃止などで車両が大量に余剰となっていた時期である。また、転用に際しては扉や窓の増設、座席や冷暖房装置の取り付けなど多額の改造費がかかるため、国鉄も引き取るメリットが存在しなかった[注 3]

なお、その後の事情の変化(瀬戸大橋青函トンネルの開通など)により、2009年平成21年)現在では日本貨物鉄道(JR貨物)のコンテナ貨物列車によって、航空禁制品[6]ならびに特に速達性の要求されない郵便物が鉄道輸送されている[7]。また、宅配便業者の一部は貨物鉄道を使用しており、佐川急便日本貨物鉄道(JR貨物)によるスーパーレールカーゴのようなチャーター便も存在している。

2006年(平成18年)、新越谷郵便局(旧:郵便事業新越谷支店)が鉄道コンテナ輸送の利便性を考慮して越谷貨物ターミナル駅の至近に開局し、その立地を生かして2007年(平成19年)以降は冊子小包等の大量差出の引受を担当している。
日本の郵便車
電車

モユニ2(荷物郵便合造車)

モユニ12(荷物郵便合造車)

クモユニ74(荷物郵便合造車)

クモユニ81(荷物郵便合造車)

クモユニ82(荷物郵便合造車)

クモハユ74(郵便座席合造車)

クモユ141(郵政省所有)

クモユ143(郵政省所有)

クモユニ143(荷物郵便合造車)

クモユニ147(荷物郵便合造車)

クモハユニ44(荷物郵便座席合造車)

クモハユニ64/モハユニ61(荷物郵便座席合造車)

クハユニ56(荷物郵便座席合造車)

気動車

キユ25(郵政省所有)

キハユ15(郵便座席合造車)

キユニ11(荷物郵便合造車)

キユニ15(荷物郵便合造車)

キユニ17(荷物郵便合造車)

キユニ18(荷物郵便合造車)

キユニ28(荷物郵便合造車)

キハユニ17(荷物郵便座席合造車)

キハユニ18(荷物郵便座席合造車)

キハユニ25(荷物郵便座席合造車)

キハユニ26(荷物郵便座席合造車)

※ 電車・気動車の郵便車(合造車を含む)は全て取扱便車であった。また、交流用交流直流両用の郵便電車は製作されなかった(常磐線などそれが必要な路線には気動車が使用された)。
客車

オユ10・オユ11(取扱便)

オユ12・スユ13(護送便)

オユ14・スユ16(取扱便)

スユ15(護送便)

スユ30(取扱便)

マユ31(取扱便)

マユ32(取扱便)

マユ33(取扱便、改造車は護送便)

マユ34(マユ35)(取扱便)

オユ36(スユ37・スユ40(10番台))(取扱便)

オユ40(スユ40(0番台))(取扱便)

スユ41(取扱便)

スユ42(取扱便)

スユ43(護送便)

スユ44(締切便。パレット積載用の貨車に準じた車体を持つ)

オユ60・オユ61(取扱便)

スハユ30(郵便座席合造車、取扱便)

スハユ31形(郵便座席合造車、取扱便)

オハユ61(荷物郵便座席合造車、取扱便)

スユニ30(改造車はこちら)(荷物郵便合造車、取扱便)

マユニ31(荷物郵便合造車、取扱便)

スユニ50(荷物郵便合造車、取扱便)

スユニ60・スユニ61(荷物郵便合造車、取扱便)

オハユニ61・スハユニ62(荷物郵便座席合造車、取扱便)

オハユニ63・オハユニ64(荷物郵便座席合造車、取扱便。郵便室と荷物室は共用)

保存車両スユニ50 517

オユ10 2565(のと鉄道能登中島駅に保存)

オユ10 2555(中央郵政研修センターに保存)

スユニ50(小樽市総合博物館佐呂間駅跡、青森港に係留されている八甲田丸の車両甲板に保存)

キハユニ25 1(小樽市総合博物館に保存)

オハユニ61 107(碓氷峠鉄道文化むらに保存)

ヨーロッパの鉄道郵便

フランスの高速列車「TGV」には、郵便車のみで編成された列車(TGV postal)が1984年から2015年まで運行され、郵便物の高速輸送に貢献していた(日本の新幹線においては、郵便の特殊取扱の一部の輸送に利用されたことがあったが(翌朝10時郵便#ビジネス郵便新特急郵便#地域相互間サービスを参照)、専用の車両を用いるには至らなかった)。ヨーロッパの場合、ほとんどの国が陸続きであるためか、在来線を含め列車による郵便輸送が多く行われている。色は日本と違って、黄色に塗られているものが多い。


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