自衛隊の場合、陸上自衛隊では陸上総隊、方面隊その他大臣(防衛庁時代は長官)直轄部隊が、海上自衛隊では自衛艦隊、地方隊、教育航空集団、練習艦隊その他大臣直轄部隊が、航空自衛隊では航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空開発実験集団その他大臣直轄部隊がある。さらに、統合運用による円滑な任務遂行上一体的運営を図る必要がある場合、陸海空自衛隊の「共同の部隊」を置く事ができる。ほかに、内閣総理大臣が自衛隊に出動を命じた場合に、「特別の部隊」を編成し、又は所要の部隊をその隷属する指揮官以外の指揮官の一部指揮下に置くことができる。これで編成され、または同一の指揮官の下に置かれる部隊が陸海空自衛隊のいずれか2つ以上から成る場合、当該部隊の運用に係る防衛大臣の指揮は統合幕僚長を通じて行い、これに関する防衛大臣の命令は、統合幕僚長が執行するほか、防衛大臣の指揮監督について幕僚長の行う職務に関しては、防衛大臣の定めるところによる[2]、となっている。また、部隊と機関を総称して「部隊等」という[1]。
部隊編制詳細は「軍隊の編制」を参照
軍事組織において部隊は組織的な作戦行動を遂行する単位であり、複雑な任務を遂行できるような分業的ヒエラルキーで組織されている。それはまず規模によって方面隊・師団若しくは混成団・連隊・大隊・中隊・小隊または区隊・班などの単位に分けられ、それぞれの部隊の任務および職域に応じて上位部隊および隊長を中心とした階級の順位および職務分掌に基づく指揮命令系統により、部隊行動・作戦が展開される。部隊の編制は通信技術の発達の程度によって決定される統制可能な範囲により歴史的に変化してきた。現代の軍事組織の部隊編制はナポレオン時代に形成されたものであり、フランス革命が勃発した時期からナポレオン戦争の時期のフランス軍の部隊編制を参考にしている。この部隊編制は基本的に大隊が横隊戦術で戦い、師団は状況に応じて各大隊を柔軟に運用することを可能にしており、さらに異なる機能を持つ大隊を組み合わせることで戦闘、戦闘支援、戦闘業務支援を行わせることができる。 部隊長の任用は部隊を編成する組織・機構により異なるが、軍隊一般および警察部隊・消防部隊では以下のような階級の者が任じられている。 部隊長の階級序列軍隊警察消防
部隊長の階級
軍司令官大将・上級大将------
軍団長中将・大将------
師団長少将・中将------
旅団長准将・少将------
連隊長大佐警視正消防総監・消防監
大隊長中佐警視消防司令長
中隊長少佐・大尉警部消防司令
小隊長・区隊長中尉・少尉警部補消防司令補
分隊長・班長軍曹巡査部長消防士長
脚注^ a b 眞邉正行『防衛用語辞典』国書刊行会、2000年。
^ 自衛隊法 第3章 部隊 第4節 共同の部隊 第21条の2
参考文献
Dupuy, T. N. 1984. The evolution of weapons and warfare. Fairfax, Va.: HERO Books.
Foster, H. 1913. Organization: How armies are formed for war. London: Hugh Rees.
Phillips, T. R. 1944. Military institutions of the Romans. Harrisburg, Pa.: Stackpole Books.
Trompowsky, A. von. Evolution of the infantry devision. Military Review, November-December.
眞邉正行:編著『防衛用語辞典』国書刊行会、2000年。
三省堂編修所:編『』グランドコンサイス和英辞典』三省堂、2002年。
金森國臣:編『英和/和英対訳 最新軍事用語集』日外アソシエーツ、2007年。
高井三郎『現代軍事用語【解説と使い方】』アリアドネ企画、2006年。
関連項目
交戦規定(自衛隊では部隊行動基準という)
軍隊 - 陸軍 - 海軍 - 空軍
軍団/方面隊 - 師団 - 連隊 - 大隊 - 中隊 - 小隊 - 分隊
指揮官
備 - 戦国時代から江戸時代において独立した作戦行動をとれる基本単位。