部長
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高等裁判所以下の裁判所においては、この部総括裁判官が、合議体において、通常は裁判長を務める。
地方公共団体における部長

地方公共団体では、局・部・課の三層の組織とするもの、これとは部と局の上下が反転して部・局・課の三層とするもの、課の上は部のみとするもの、課の上位にある組織として局と称するものと部と称するものが混在するものなどが見られ、各地方公共団体の経緯や事情によって様々である。そのため、部長の地位についても地方公共団体ごとに異なる。

また、地方公共団体によっては部長と同格の幹部であるが、担当する部を持たないポストを「担当部長」と呼称して特定の重要事務を分掌させているものがある。

部長は一部の都道府県や大都市を除く多くの地方公共団体では、行政組織上、首長直属の組織単位の長であり、特別職を除いた職員の中で最高位にある。ほとんどの場合、こうした地位に到達できるのは、地方公共団体の生え抜きのベテランか、国や県から出向してきた比較的年齢の若いキャリアだけである。
都道府県警察本部・東京消防庁における部長

都道府県警察本部及び東京消防庁において、部長職は本部長を補佐する幹部として位置づけられている。警察における幹部の序列は、警視庁はトップの警視総監に次いで副総監がおり(大阪府以外の道府県警察本部においては本部長に次いで警務部長、大阪府のみ本部長に次いで副本部長)、警視監の本部部長、警視長の本部部長・方面本部長等、警視正の本部部長等がそれに続く。東京消防庁では消防総監の次席として消防司監の階級に相当する次長がおり、その下に消防正監の階級に相当する各部長、方面本部長が続く。

なお、巡査部長のことを部長と略すこともあるが、あくまでも階級の一つ(最下級である巡査の一つ上)であってこの項目でいう職責としての部長ではない。刑務所における看守部長も、下から二番目の階級で職責としての部長、課長、係長より下位である。
警視庁・警察本部・東京消防庁部長表彰

警察・消防における部長表彰は総監表彰に至らない職員(警察官・消防吏員)・団員市民の功労に対し授与するものとされ、それぞれの機関が定める表彰取扱規程に則り授与・贈呈される。警察においては方面本部長表彰に準じ、消防においては方面本部長表彰よりも上位の表彰とされる。

なお、東京消防庁の部長表彰を受けた特別区消防団員については、第15号表彰歴章を佩用することが出来、複数回受彰した者は第15号表彰歴章に、クリスタルのダイヤ型を入れたものを佩用することが出来る。
民間における部長

民間企業の部は、課その他の複数の下位組織を束ねた組織単位として置かれることが多く、取締役会の直下、そのひとつ下の層を構成する(複数分野の事業を行うような大企業では、部の上に事業部、本部などの組織を置いている場合もある)。従って、その長である部長は一般的に相当上位の管理職である。また、企業の中でも重要度の高い部門を統括する部の部長には取締役執行役員が充てられて兼務することもある。

部下は、部長の権限を代行する部長代理や副部長が置かれ、課長等以下の下位組織(いわゆるライン)があるほか、ラインに所属せず(あるいは課等が存在せず)部本体に所属する部員等(いわゆるスタッフ)もいる。「部付」「部長付」も部本体の所属という意味だが、実際上は閑職、待機中といったニュアンスを伴うことが少なくない。部長のほかに、「部付の部長」を置いている場合もある。これは、課以下のラインを指揮する部長とは別に、部長に準じる職位で、部本体のスタッフの長と位置付けられる。肩書上「○○部 部長」としてラインである「○○部長」と区別したり、「部付部長」、「部長待遇」、「専任部長」、「専門部長」、「担当部長」などと称する場合もある。「◯◯課 担当部長」などとされ、課付であるにもかかわらず課長の上役として事務を掌握する場合もある。

こうした部付部長・専門部長や部長代理・副部長等のポストは、元来は、部長級の役職でしか処理できない特定の重要事項にあたらせるために生じたものである。だが今日では、年功序列の上で部長現任者に次ぐ者にそれ相応の処遇を与える方法としてポストが用意されるのが常であり、本来的に必要なポストのみでは不足するため、これら準部長級ポストを便法として設けているケースがむしろ常態であると思われる。管理職としての一定の権限も部下のスタッフも持たない名ばかりの管理職である場合も少なくない。なお、これに類似する例は民間企業だけでなく、国家機関などでも見られる。例えば、税務署における国税庁発令(署長・副署長待遇)の特別国税調査官・徴収官などである。

なお、小規模な企業や公益法人などの中には、部長の肩書きが上述した例に当てはまらない場合も多い。ごく小規模な企業では、会社の構成員が社長、専務、常務、部長など大企業の上級幹部のような役職を名乗っていて、部下をひとりも持たない部長が社内の末端の職になっている極端な例もありうる。こうした例は部長に限らず、他の管理職名でもありうるケースである。
クラブ活動団体における部長

「部」という名称を用いるクラブ活動団体は、小学校中学校高等学校大学などの学校や、企業の社内団体など様々であるが、この中でもリーダーを部長と称する団体は、学校において多く見られる。

こうした学校では、研究会同好会などの団体名称をとる場合においても、団体のリーダーは「部長」と称されていることもある。

一般的に、部員の代表者としての部長の呼称は文化部を中心に使われる。体育部の場合、同等の代表者は主将(キャプテン)と呼ばれることが多く、この場合の部長は教員である顧問の役職とされる。さらに別個に監督やコーチが置かれることが通例で、こちらは教員を兼ねない場合もある。
日本以外の国の機関における役職の訳語として用いられる部長


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