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そのため、町村に市制が施行されるとその範囲は郡域から除かれる[3]。当初、市の範囲は市街化された地域に限られており、市部と郡部は市街地と農山漁港部に対応していた。しかし、後に合併により市町村の面積が広がると、市も農山漁港部を抱え込むようになり市部と郡部の区別の意義は薄れた。また、市が郡から除かれるルールに変わりなかったため、郡に一町村しか属さなくなったり、郡が消滅するようになった。

平成の市町村合併では、合併でできた市が明治時代の郡に相当する面積を持つことも珍しくない[4]岐阜県郡上郡郡上市に、宮城県栗原郡栗原市にといった具合である。また宮城県登米市滋賀県高島市など明治時代の郡を完全に含む市が誕生した。新潟県佐渡市佐渡郡の全域を含み、令制国佐渡国の全域に当たる。長崎県壱岐市壱岐郡の全域を含み、壱岐国の全域に当たる。長崎県対馬市に至っては、対馬国の全域であり、上県郡下県郡の2郡を完全に包括している。

変遷を経た上でも、市域の除去を考慮しなければ奈良時代の名称と区域をほぼそのまま継承している郡が少なからずある(逆に安八郡のように、市域を考慮しなければ原形を留めないといえる郡もある)。しかし、江戸時代までに再編や改称を経たところもあり、明治初期にはさらに多くの郡が変更を受けた。いわゆる平成の大合併の影響で、郡や郡に属する町村は激減の一途をたどっている。岡山県加賀郡2004年)、石川県鳳珠郡2005年)、福井県三方上中郡(2005年)、北海道二海郡(2005年)、北海道日高郡2006年)などの郡が稀に新設されているが、郡境を越えた町村合併の際に合併後の人口が昇格条件に満たないための措置と考えられ、郡に属する町村の減少例の一つに過ぎない。

かつて群馬県には「東村」が5村存在し、いずれも「あずまむら」もしくは「あづまむら」と読むため、所属の郡を付して呼称し区別する慣習があった[5]。いわゆる昭和の大合併と平成の大合併を経た現在では、県内すべての「東村」は廃止され、県内において郡により区別する意義は極めて希薄となった。

なお、東京都島嶼部の各町村は郡に属していない。
日本の郡の一覧

以下は現行の郡の一覧である(計:307)。消滅した郡は「消滅した郡の一覧」および「消滅した郡の都道府県別一覧」を参照。

所属
自治体郡名創設年月日所属する町村所属町村数
北海道石狩郡[6]1879年07月23日当別町新篠津村2
松前郡[7]1881年07月27日松前町福島町2
上磯郡[7]1881年07月23日知内町木古内町2
亀田郡[7]1871年07月23日七飯町1
茅部郡[7]1879年07月23日鹿部町森町2
二海郡[7]2005年10月01日八雲町1
山越郡[7]1869年09月20日長万部町1
檜山郡[8]1869年09月20日江差町上ノ国町厚沢部町3
爾志郡[8]1869年09月20日乙部町1
奥尻郡[8]1869年09月20日奥尻町1
瀬棚郡[8]1869年09月20日今金町1
久遠郡[8]1869年09月20日せたな町1
島牧郡[9]1869年09月20日島牧村1
寿都郡[9]1869年09月20日寿都町黒松内町2
磯谷郡[9]1869年09月20日蘭越町1
虻田郡[9][10]1869年09月20日豊浦町洞爺湖町ニセコ町真狩村留寿都村喜茂別町京極町倶知安町8
岩内郡[9]1869年09月20日共和町岩内町2


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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