変遷を経た上でも、市域の除去を考慮しなければ奈良時代の名称と区域をほぼそのまま継承している郡が少なからずある(逆に安八郡のように、市域を考慮しなければ原形を留めないといえる郡もある)。しかし、江戸時代までに再編や改称を経たところもあり、明治初期にはさらに多くの郡が変更を受けた。いわゆる平成の大合併の影響で、郡や郡に属する町村は激減の一途をたどっている。岡山県加賀郡(2004年)、石川県鳳珠郡(2005年)、福井県三方上中郡(2005年)、北海道二海郡(2005年)、北海道日高郡(2006年)などの郡が稀に新設されているが、郡境を越えた町村合併の際に合併後の人口が市昇格条件に満たないための措置と考えられ、郡に属する町村の減少例の一つに過ぎない。
かつて群馬県には「東村」が5村存在し、いずれも「あずまむら」もしくは「あづまむら」と読むため、所属の郡を付して呼称し区別する慣習があった[5]。いわゆる昭和の大合併と平成の大合併を経た現在では、県内すべての「東村」は廃止され、県内において郡により区別する意義は極めて希薄となった。
なお、東京都の島嶼部の各町村は郡に属していない。 以下は現行の郡の一覧である(計:307)。消滅した郡は「消滅した郡の一覧」および「消滅した郡の都道府県別一覧」を参照。 所属
日本の郡の一覧
自治体郡名創設年月日所属する町村所属町村数
北海道石狩郡[6]1879年07月23日当別町・新篠津村2
松前郡[7]1881年07月27日松前町・福島町2
上磯郡[7]1881年07月23日知内町・木古内町2
亀田郡[7]1871年07月23日七飯町1
茅部郡[7]1879年07月23日鹿部町・森町2
二海郡[7]2005年10月01日八雲町1
山越郡[7]1869年09月20日長万部町1
檜山郡[8]1869年09月20日江差町・上ノ国町・厚沢部町3
爾志郡[8]1869年09月20日乙部町1
奥尻郡[8]1869年09月20日奥尻町1
瀬棚郡[8]1869年09月20日今金町1
久遠郡[8]1869年09月20日せたな町1
島牧郡[9]1869年09月20日島牧村1
寿都郡[9]1869年09月20日寿都町・黒松内町2
磯谷郡[9]1869年09月20日蘭越町1
虻田郡[9][10]1869年09月20日豊浦町・洞爺湖町・ニセコ町・真狩村・留寿都村・喜茂別町・京極町・倶知安町8
岩内郡[9]1869年09月20日共和町・岩内町2
古宇郡[9]1869年09月20日泊村・神恵内村2
積丹郡[9]1869年09月20日積丹町1
古平郡[9]1869年09月20日古平町1
余市郡[9]1869年09月20日仁木町・余市町・赤井川村3
空知郡[11][12]1869年09月20日南幌町・奈井江町・上砂川町・上富良野町・中富良野町・南富良野町6
夕張郡[11]1869年09月20日由仁町・長沼町・栗山町3
樺戸郡[11]1869年09月20日月形町・浦臼町・新十津川町3
雨竜郡[11][12]1869年09月20日妹背牛町・秩父別町・雨竜町・北竜町・沼田町・幌加内町6
上川郡[12]1869年09月20日鷹栖町・東神楽町・当麻町・比布町・愛別町・上川町・東川町・美瑛町8
勇払郡[12][10]1869年09月20日厚真町・安平町・むかわ町・占冠村4
上川郡[12]1869年09月20日和寒町・剣淵町・下川町3
中川郡[12]1869年09月20日美深町・音威子府村・中川町3
増毛郡[13]1869年09月20日増毛町1
留萌郡[13]1869年09月20日小平町1