第二次世界大戦が始まると、連合国民が敵国人となり、本国へ帰還したことから、彼らの外国人別荘は売却された。大戦末期には、箱根や軽井沢、山中湖などの一部避暑地が各国大使館や一般外国人の疎開先となり、これらの地域は日本本土空襲の被害に遭うことがなかった。
戦後になると、通信手段や交通手段(特に空路)、空調機器の飛躍的な発達や在留外国人を取り巻く環境(社会的地位・金銭的待遇等)の変化などから、外国人コミュニティが国内の特定の地域に集まってバカンスを楽しむことは少なくなり、外国人避暑地の趣は各地で次第に影を潜めていった。ノンフィクション作家の山口由美によれば、箱根、日光、軽井沢といったリゾート地から外国人の常連客の姿が見られなくなったのは1970年代に入ってからで、意外なことに戦争の前後を通じて、ずっと同じような夏が続いていたという[5]。
平成に入ってからも後述の日本三大外国人避暑地や中禅寺湖などの一部では未だに外国人コミュニティが夏に集う様子が確認されているが、それ以外の地域ではもはやほとんど見られず、規模は明らかに縮小傾向になっていたが、2010年代になるとインバウンドブームで観光目的ではあるが外国人観光客や外国人スキー客が訪れるようになった。
風別荘にテニスやパーティーといった、軽井沢をはじめとする戦前の外国人避暑地に見られた西洋式生活のイメージは、「避暑地」「別荘地」の土地イメージとして未だに根強く残っており、小説やテレビドラマ、映画などではしばしば古典的に描写される。
現在では空調機器の発達から長期的な避暑を行うことはまれである。別荘を所有することなく、短期の宿泊で避暑を行う者も増え、ホテル・旅館・コテージ・温泉などの宿泊施設がそれらの避暑客に対応している。特に夏季に酷暑が長期間となることが多い太平洋ベルト地帯の大都市住民の需要が大きく、主だった商業的避暑地は三大都市圏の近辺に多い。中央高地の山梨県・長野県・岐阜県に著名な避暑地が見られる。なお交通機関の発達により海外旅行が一般化したことで、海外の避暑地を訪れる者も珍しくなくなっている。また令和になって以降 台湾、香港などから釧路市、鶴居村が訪問滞在先として人気となっている。
(外国人避暑地であった地域を太字で示す)
北海道:釧路、阿寒
青森県:十和田湖、酸ヶ湯
秋田県:田沢湖
岩手県:八幡平
宮城県:蔵王町
福島県:磐梯高原、会津高原、いわき市
栃木県:那須高原、日光(奥日光・中禅寺湖)
群馬県:草津、伊香保、嬬恋
埼玉県:秩父郡
千葉県:銚子市、勝浦市
新潟県:越後湯沢、苗場
東京都?高尾山
神奈川県:箱根、湘南地域(大磯・葉山・逗子・鎌倉等)
山梨県:富士五湖、清里高原(八ヶ岳山麓)
静岡県:御殿場
長野県:白馬村、軽井沢、野辺山・蓼科高原(八ヶ岳山麓)、安曇野、上高地、志賀高原、開田高原
岐阜県:奥飛騨温泉郷、根の上高原
兵庫県:六甲山
和歌山県:高野山
鳥取県?大山
大分県 : 別府
熊本県?阿蘇地方・阿蘇山