事前に立候補者の人気を公表すると、選挙の当選結果を左右し公正な投票とならない。そのため、日本では公職選挙法138条の3に「人気投票の公表の禁止」が規定されており、事前に候補者の人気投票の結果を公開することが禁じられている。しかし、近年では、ネットメディアにより「意図せざる人気投票」がネット上で公開されたも同然となるなど、どの立候補者が人気であるかがたやすく予想されて選挙結果を左右する危険性も指摘されている[16]。 伝統中国においても選挙という述語が用いられるが、現代の選挙とは用法が異なるので、注意が必要である。中国における選挙とは、国家の側による官吏登用制度のことであり、科挙以前に用いられた用語である。その語源は、「郷挙里選」であるとされている。つまり、前漢代において、地方の郷・里の長が、地方官と協議した上で官吏候補者を推挙する制度を、こう呼んだ。この場合の選ぶ主体は、飽くまで中央政府であり、皇帝である。また、郷や里の有力者である地方の豪族の意見のことを「輿論」と呼んでいるので、同じく現代の用語と混同しないよう、注意を要する。一般の人間(庶人)や奴隷などは初めから数に含まれていないのである。 漢代の選挙が、六朝には九品官人法に発展し、隋唐を経て、科挙制度へと結びついていく。なお、選挙の語の用法は、後世まで広く用いられ、歴代の正史には「選挙志」という項目が立てられ、九品官人法や科挙制のことが述べられている。
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伝統中国における選挙
歴史「民主主義#歴史」も参照
選挙を題材とした作品「Category:選挙を題材とした作品」も参照
脚注・出典[脚注の使い方]^ 三訂版,世界大百科事典内言及, ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,知恵蔵,デジタル大辞泉,百科事典マイペディア,世界大百科事典 第2版,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,旺文社世界史事典. “選挙とは
^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 13.
^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 14.
^ 澤大洋, 明治最初期の選挙制度論の発展」『選挙研究』 1990年 5巻 p.29-50, 日本選挙学会, doi:10.14854/jaes1986.5.29
^ a b c 阿部照哉 編『憲法 2 基本的人権(2)』有斐閣〈有斐閣双書〉、1975年、180頁。
^ a b c d 毛利透 et al. 2011, p. 198.
^ a b c 野中俊彦 et al. 2006, p. 16-17.
^ a b c 野中俊彦 et al. 2006, p. 17.
^ a b 毛利透 et al. 2011, p. 199.
^ a b c d e 野中俊彦 et al. 2006, p. 28.
^ a b 毛利透 et al. 2011, p. 199-200.
^ a b c d 阿部照哉 編『憲法 2 基本的人権(2)』有斐閣〈有斐閣双書〉、1975年、181頁。
^ a b c d 毛利透 et al. 2011, p. 200.
^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 29.
^ 野中俊彦 et al. 2006, p. 29-30.