選挙
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普通選挙は日本では日本国憲法第15条3項及び日本国憲法第44条但書で保障されている[6][8]。普通選挙の実現は漸進的で、まず、財産制限の除去について1848年フランス第二共和政憲法において確立され、第一次世界大戦後になって世界各国に広まることとなった[5][7]。日本では1928年に財産制限が撤廃された。女性参政権についても第一次世界大戦後に世界の大勢となっていったが、フランスのように第二次世界大戦後に実現した国もある[5]。日本でも女性参政権は第二次世界大戦後に実現した。
制限選挙
選挙権を収入、資産、家柄などで制限するもの。
平等選挙・不平等選挙
平等選挙
選挙人の選挙権を平等に扱う選挙制度
[6]。一人一票(数的平等)で一票の価値が平等(価値的平等)なもの。日本では日本国憲法第14条1項及び日本国憲法第44条但書で保障されている。
不平等選挙
数的あるいは価値的に格差のある選挙。差等選挙ともいう
[8]。選挙人の一部が複数票を投票することを認める複数選挙や納税額の多少により等級を定め等級ごとに選挙を行う等級選挙がある[8][9]
直接選挙・間接選挙
直接選挙
選挙人が代表者を直接選ぶ選挙制度
[9][10]。今日では少なくとも議会下院の選挙は直接選挙が原則となっている[11]
間接選挙
選挙人が選挙人(中間選挙人)を選びその中間選挙人が投票を行う選挙制度
[10][11]。フランスやオーストリアなどの上院選挙やアメリカ大統領選挙で採用されている[10]。ただし、アメリカ大統領選挙のように選挙委員の候補者が誰を大統領に選ぶか予め明らかにしたうえで選出する制度では実際には直接選挙と変わらない[12]。なお、有権者から選挙で選ばれた公職にある者がさらに選挙で代表者を選挙する制度は複選制という。日本国憲法には直接選挙制について定めた明文の規定はない[10][13]。学説には日本国憲法第43条の「選挙」には間接選挙が含まれると解する学説(参議院議員通常選挙においては衆議院議員総選挙とは異なり独自の間接選挙制の採用も許容される)と同条1項の「選挙された議員」の文言を根拠として直接選挙が保障されているとみる説(参議院議員通常選挙においても直接選挙によらねばならない)が対立しており争点となっている[10][13]
秘密選挙・公開選挙
秘密選挙
選挙人の投票内容(どの候補者あるいは政党に投票したか)の秘密が保障されている選挙制度
[13][14]。日本では日本国憲法第15条4項前段で保障されており、公職選挙法46条(無記名投票制)や同法52条(投票の秘密保持)、同法68条(他事項記載投票の無効)などの規定もこの原則に基づく[13][15]
公開選挙
署名などで投票内容が分かるもの。公開選挙では社会的弱者が自由に意思表明することが困難となる
[12]
強制選挙・自由選挙
強制選挙
棄権に対して制裁を伴う選挙制度
[12]。有権者が必ず投票しなければならない義務投票によるもの。
自由選挙
投票したい者だけが自由に投票することを選択できる選挙制度
[12]。任意投票によるもの。
選挙方式「選挙方法」を参照

区割りと意見集約の方針で分類した選挙方式の表。

小選挙区制多数代表比例代表少数代表
単純小選挙区制○○
単純小選挙区制(決選投票制)○○
認定投票○○
コンドルセの投票方法○○

大選挙区制多数代表比例代表少数代表
完全連記制 (block voting)○○
単記非移譲式投票○○
単記移譲式投票

比例代表制多数代表比例代表少数代表
比例代表制○
チリで行われる国政選挙△○

集団選挙区制多数代表比例代表少数代表
集団選挙区制○

その他多数代表比例代表少数代表
小選挙区比例代表併用制
小選挙区比例代表並立制

投票者による分類
公選

国会議員などの公職選挙に見られるように、一般の有権者の投票によって選出する方式。被選挙権の要件は有権者の要件と一致する必要はない。このため一党独裁国家などでも、被選挙権行使要件に「独裁者の推薦」などを加えることで、体制を崩すこと無く公選を維持するところがある。あるいは他県在住の者でも立候補できる知事選のように、有権者の権利を持たない者を選出するところもある。民選とも言う。
官選

日本の政令指定都市区長や貴族院の勅撰議員に見られるように、国家などの行政機関の指名によって選出する方式。必ずしも投票が行われるわけではないが、公選・互選との比較のため掲載する。
互選

日本の内閣総理大臣指名投票バチカン市国におけるコンクラーベ教皇選出選挙)に見られるように、関係者の間で行う投票によって選出する方式。公選と違い、選挙権と被選挙権の要件は一致する。大抵の民主制での公選は、一般の有権者も被選挙権を持つため、大規模な互選ともいえる(しかし、選挙権と被選挙権の要件が異なる場合も多く、厳密には互選とはいえない)。
くじ引き「くじ#くじによる抽選の例」も参照

くじなどを利用して、立候補者毎に等しい確率で当選者を選出する方式。定数が何人であろうと当選者の勢力比の期待値は被選挙権行使者の人口比と完全に等しく、有権者全てが被選挙権を行使すれば比例代表制になる。確率が絡むため個々の選挙では偏りが出る場合が殆どになる。古代ギリシア室町幕府の第6代将軍(足利義教)選出などに例がある。投票者が存在しないため投票が行われることがないが、投票者が存在する選挙との比較のため掲載する。 また、投票で複数候補が同票で並び、そのいずれかが当選の資格を得る場合がある。日本の公職選挙法では決選投票を行わず、くじ引きで当選人を決定することになっている。 現在におけるくじで選ぶ公職の代表としては陪審員があげられ、日本には検察審査員裁判員がある。


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