選挙区の定数も、方法毎に異なる。 選挙方法の良し悪しを判断するための様々な観点が知られている。 単記非移譲式投票は分かりやすいが、デュヴェルジェの法則により治者と被治者の自同性(民主主義)が損なわれる。優先順位付連記投票・単記移譲式投票はデュヴェルジェの法則を避けられるが、分かりにくく開票作業が大変。Approval votingはデュヴェルジェの法則の動作原理である戦略投票を逆手に取る上に、理解しやすく開票しやすい制度だが、比例代表には使いにくい。 小選挙区制は有権者との距離が近くなり、補欠選挙が行いやすい長所があるが、ゲリマンダーが発生しやすく地域エゴが国政に持ち込まれやすい短所がある。大選挙区制はゲリマンダーや地域エゴを抑制できる長所があるが、有権者との距離が遠くなり、補欠選挙が行いにくい短所がある。 多数代表は民意に政治的決断を迫る故に、切り捨てられた民意=死票が多い。死票が少ない比例代表制は、民意を詳細に再現するために、議会が無所属・小党乱立になり政治的混乱を招く恐れがある。また比例代表制は名簿の拘束力が高いほど候補者と有権者の距離が遠くなる。 アローの不可能性定理により、常識的とされる項目全てを実現する選挙方法は存在し得ないことが証明されている。このため、各選挙制度はその利点と欠点とを考慮して、適する用途に適用される必要がある。ちなみに、優先順位だけを記入する投票方法(に還元できるもの)のみを扱うアローの不可能性定理は、Approval votingやRange votingについては何も言及しない。 選好投票は全候補者に対して有権者がマージソートやクイックソートを行うようなものであり、候補者数をnとすると計算量O(n log n)の計算量を有権者は負担しなければならない。Approval votingは予測される当選者との比較を各候補に対して行うので、計算量はO(n)となる。デュヴェルジェの法則により候補者数が一定値に収束する単記非移譲式投票では、計算量も一定=O(1)になる。
小選挙区制や大統領選などは、一つの選挙区から一人しか当選者を出さない。
比例代表制や大選挙区制などは、投票者間の意見の相違・勢力比を再現できるように、複数の当選者から成る集団を構成する。
大選挙区制では、当選者間の意見の相違があまり違わないように選ぶ制度(block voting=完全連記制や、block approval voting(approval votingの単純な拡張))もある。第一党による議席独占が起こりやすくなり、区割りの数の減少により少数代表の性質が薄れる分だけ、小選挙区制以上の多数代表制となるとされる。
選挙方法の評価項目
実施コスト
投票者へのコスト
脚注[脚注の使い方]^ 高裁も当選無効支持 揮毫式投票で混乱の新潟県佐和田町の町長選挙『朝日新聞』1976年(昭和51年)4月29日、13版、22面
関連項目
投票
選挙 - 選挙公約
一票の格差
義務投票制
中村ナンバー
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