遮断機
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なお、日本の旧基準では1925年(大正14年)に引掛式、上下式、引出式の3種が定められていた[3]。また、1948年(昭和23年)には昇開式、片側腕木式、両側腕木式、引戸式、綱張式が定められた[3]
腕木式2段折れ形遮断桿(伊賀鉄道中央線快速の豊田?日野間で生じた遮断機の折損。
列車は警笛を鳴らしつつ最徐行で通過する。

腕木(遮断桿)を利用する踏切遮断機で最も多く採用されている遮断方式である。

踏切道の片側から道路を遮断する踏切遮断機を片側腕木式、踏切道の両側から道路を遮断する踏切遮断機を両側腕木式という[1]

遮断桿の長さは、昔は6mが主流であったが、道路整備の進展によって現在は8mが主流となっており、道幅が広い場合では、10-20mの範囲で遮断できる、「2段折れ形遮断桿」が採用されている踏切もある。

遮断桿は主にが使われてきたが、近年では繊維強化プラスチック (FRP) を使ったものが主流となってきている。日本では、ほとんどが黒と黄の縞模様であるが、最近では踏切事故防止のため、遮断桿の幅を大きくした「大口遮断桿」や赤白模様の遮断桿も使用されている。なお、日本国外の踏切では赤白模様が最も多く使われている。

なお、遮断桿が降り自動車が踏切内で立ち往生した場合には、そのままゆっくり遮断桿を押すように車両を進めていけば遮断桿が斜めに上がる「遮断桿折損防止器」が設置されている場合がある。この場合は容易に脱出することが可能である。

遮断桿が折れた場合は、安全確認のため列車が遅延してダイヤが乱れたりする場合が多い。

なお、常に踏切道を遮断しているもので、通行者が自力で遮断桿を持ち上げる形式のものは重力式と呼ばれることがある。社員専用通路などで使用されている。
昇開式昇開式遮断機(名古屋鉄道

昇開式は水平に張ったワイヤーをそのまま上下させる方式の踏切遮断機[1][3]。踏切の両端に柱を設置して、柱にレールを取付けてワイヤーを張り、それが上下に動くことによって踏切道を遮断する。ワイヤーには踏切標板が取り付けられている。

腕木式では遮断できない幅の広い踏切道や、交通などに設置されているが、踏切内に人や自動車等が閉じ込められた時には、そこから脱出できないため、踏切警手が常駐する踏切に限られる。「2段折れ形遮断桿」の普及などにより、数は少なくなってきている。

なお、日本の1925年(大正14年)に定められた基準では桿類を上下して遮断する方式は上下式に分類されていた[3]
引戸式

引戸式は扉(引戸)を左右に動かして開閉する踏切遮断機[1]。なお、日本の1925年(大正14年)の基準では桿や戸を引き出して遮断する方式は引出式に分類されていた[3]
綱張式

綱張式は綱や鎖などを左右に張る方式の踏切遮断機[1]。なお、日本の1925年(大正14年)の基準では鎖や綱を引いて遮断する方式は引掛式に分類されていた[3]
脚注[脚注の使い方]
出典^ a b c d e f g h i j “ ⇒踏切警報機・遮断機”. 鉄道総研. 2019年2月20日閲覧。
^ 作動に電気を使用しており、ブレーキーシューの摩擦力による電磁式摩擦ブレーキと渦電流と吸引力による無接触電磁ブレーキがある
^ a b c d e f 安部誠治『踏切事故はなぜなくならないか』高文研、2015年、57頁。 

参考文献

鉄道電気読本 改訂版 日本鉄道電気技術協会
ISBN 978-4-931273-65-8

関連項目

踏切障害事故

開かずの踏切

踏切

軌道回路

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