当時のイタリア映画の慣習から、撮影は音声の録音が行われず、会話と音楽と音響効果は後で追加された[9]。ゆえに、キャストたちはそれぞれの日常の使用言語を撮影中に話し、クインとベイスハートは英語、マシーナその他の面々はイタリア語であった[10]。
クインはメキシコ・チワワ生まれのアメリカ育ち、ベイスハートはアメリカ・オハイオ生まれのアメリカ育ちで、この2人はイタリア語を話さず、イタリア語のオリジナル版における2人は吹き替えであった[11]。最初にザンパノの吹き替えをした声優に難色を示したフェリーニは、黒澤明『羅生門』イタリア語吹き替え版において三船敏郎の声を担当したアルノルド・フォア
(en:Arnoldo Foa)の仕事に感銘を受けたことを思い出し、瀬戸際になってフォアを起用することができた[12]。英語吹き替え版において、クインとベイスハートは自分の役の吹き替えをしたが、マシーナは別の声優が吹き替えをした[9]。
日本では、NHK教育テレビで1971年11月23日の10:30?12:19に日本語吹き替え版での放送が行われた[4]。その日本語吹き替え音源は、紀伊国屋書店とシネフィルがブルーレイ化の際に収録するため捜索したものの、権利元が音源を紛失しており、視聴者の録画もネット上で公募したが[13]見つからなかったため、ソフト収録や放映が出来ない状態となっている。 音楽・音声外部リンク
主題曲
La Strada (Original Soundtrack - 1954)
主題曲(Tema Della Strada)を始めとする本作の音楽は、フェデリコ・フェリーニ監督作品を数多く手掛けたニーノ・ロータが作曲した。
主題曲は、後に歌詞が付けられ歌手たちにカバーされた。イタリア語ではミケーレ・ガルディエーリ(Michele Galdieri)が作詞した歌をニラ・ピッツィ(Nilla Pizzi)らが歌っている。
本作が日本で公開された1957年の第8回NHK紅白歌合戦で、「ジェルソミーナ」として中原美紗緒が日本語歌詞で歌っている(訳詞:音羽たかし)。ザ・ピーナッツはあらかはひろしの訳詞、宮城まり子は佐伯孝夫の訳詞、カルメン・マキや島田祐子は訳者不詳の日本語詞で同様に「ジェルソミナ」という曲名の歌を歌っている。
リュシエンヌ・ドリール(Lucienne Delyle)は、ホセ・しばさき(Jose Shibasaki)の日本語詞で「ジェルソミナ」、ロベール・シャブリエ(Robert Chabrier)作詞のフランス語詞で「Gelsomina」を歌っている。
自ら作詞して歌っている歌手に、沢田研二(曲名「ジェルソミーナ」)、美輪明宏(曲名「ジェルソミーナ」)がいる。
2010年のバンクーバー冬季オリンピックでフィギュアスケート男子シングルの橋大輔がこの曲を採用、同種目において日本人選手初のメダリスト(銅メダル)になった。 年賞部門候補結果
受賞とノミネート
1954ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞フェデリコ・フェリーニ受賞
金獅子賞フェデリコ・フェリーニノミネート
1955ナストロ・ダルジェント賞最優秀作品監督賞フェデリコ・フェリーニ受賞
最優秀プロデューサー賞
1956ニューヨーク映画批評家協会賞外国語映画賞フェデリコ・フェリーニ受賞
1956ボディル賞非アメリカ映画賞フェデリコ・フェリーニ受賞
1956ナショナル・ボード・オブ・レビュー外国語映画賞フェデリコ・フェリーニノミネート
1956英国アカデミー賞作品賞フェデリコ・フェリーニノミネート