過去形
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また助動詞と過去分詞を用いる完了形が発達し、現在完了形が複合過去・近過去[注釈 2]などとも呼ばれて過去の意味に用いられている。
日本語

日本語では、中古までの古語では完了と過去の区別があり、過去の助動詞としては「けり」と「き」が、また不確実な過去を表現するために過去推量の「けむ」が用いられた。「けり」は、今から思えばそうだったという回想過去を表現する。それに対して「き」は、過去の時点で確実だったことを表現し、またしばしば自分の経験によることを含意する。このように過去形を証拠性により区分する言語は他にもかなりある(トルコ語など)。中世以後はこのような本来の過去形はすたれ、完了の「たり」に由来する「た」だけが残った。ただし「けり」に由来し回想を表す終助詞「っけ」が東日本方言に残っている。
朝鮮語

朝鮮語では、動詞については単純過去形(接辞-?/?-、連体形語尾-?)と回想過去形(接辞-?-、連体形語尾-?)を区別する。形容詞ではこの区別はない。回想形は過去における継続・習慣・反復(非完了過去)を現在から回想する意味がある。完了的過去を回想的に表現するには過去接辞と回想連体形を重ねる。また過去接辞を重ねた形は大過去形と呼ばれるが、一般には過去完了ではなく、現在とは異なる過去の事実を強調するために用いる。なお-?/?-は歴史的には-?/?-(連用形)に??「ある・いる」が接続したもので、元来は完了を表示した。
スラヴ語

スラヴ語では、能動完了分詞(語尾にLがあるのでL分詞ともいう)にコピュラを付けて過去を表す。ロシア語などではコピュラを省略するのでL分詞自体が過去形となり、過去形がにより変化するという、インド・ヨーロッパ語族としては珍しい性質がある。
中国語

中国語では完了を表すのに時態助詞「了」を動詞の直後につけるが、これは必ずしも過去を表すものではなく、中国語には時制はない。同じ「了」でも語気助詞(文末につける)の場合は、完了よりその結果としての現在の状態を表す。
脚注[脚注の使い方]
注釈^ これらの名称は日本における各言語学での名称で、フランス語ではimparfait(半過去)、イタリア語ではimperfetto(半過去)、スペイン語ではpreterito imperfecto(線過去、不完了過去など)、ポルトガル語ではpreterito imperfeito(不完全過去)と呼ばれる。()内の名称は日本での各言語学での名称。
^ これらの名称は日本における各言語学での名称で、フランス語ではpasse compose(複合過去)、イタリア語ではpassato prossimo(近過去)、スペイン語ではpreterito perfecto(現在完了他)と呼ばれる。()内の名称は日本での各言語学での名称。

参考文献

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ISBN 0-226-08665-8 


Heine, Bernd; Reh, Mechthild (1984). Grammaticalization and Reanalysis in African Languages. Hamburg: H. Buske. ISBN 3-87118-630-9 


Heine, Bernd; Kuteva, Tania (2002). World Lexicon of Grammaticalization. Cambridge University Press. doi:10.1017/cbo9780511613463. ISBN 978-0-521-00597-5 

関連項目

昨日過去 - 一部の言語で特定の過去を表現する形式。

ドイツ語の文法

フランス語の動詞

イタリア語の文法

朝鮮語の文法

相 (文法)

過去現在動詞 -ゲルマン語で現在時制でありながら過去時制的な形式をとる動詞。

ミラティビティ - 意外性を表現する形式。例として日本語「こんなところにあった」(過去ではなく現在のこと)がある。










物語
キャラクター

悪役/大敵

特徴づけ(英語版)

キャラクター・アーク

第二主人公

偽主人公

焦点キャラクター(英語版)

フォイルキャラクター(英語版)

主人公

主役

サイドキック(助手)

脇役

第三主人公

視点キャラクター

ストックキャラクター

プロット

クライマックス

試練(英語版)

対話

劇的構造(英語版)

説明(英語版)

プロット・デバイス

サブプロット(英語版)

転義法

クリシェ

勧善懲悪

脚本理論(英語版)

脚本術(英語版)

三幕構成

グランド・ホテル形式

シャギー・ドッグ・ストーリー

設定

ディストピア

架空都市(英語版)

架空国家

架空の場所(英語版)

架空世界

ユートピア

主題(英語版)

ライトモティーフ

教訓(英語版)

モチーフ

類型

モチーフインデックス

フィクションの類型

ストーリー類型

神話類型

キャラクター類型


文体

措辞(英語版)

修辞技法

形象(英語版)

文学的技法(英語版)

物語モード(英語版)

不信の停止

象徴主義

トーン(英語版)

役割語

物語構造(英語版)

非線形

ハイパーテキスト(英語版)

インタラクティブフィクション

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