運転手
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軽井沢スキーバス転落事故2016年)や静岡県観光バス横転事故2022年)のようにノウハウが身についていない運転士による重大事故も発生している。

運転士の中には国家資格(必置資格)である運行管理者資格(旅客)等を取得し、営業所長等の管理職にキャリアアップする者もいる。2012年関越自動車道高速バス居眠り運転事故が発生し、バスの安全性が問題視されて以降、運行管理者試験の合格率は概ね30%台と以前より大幅に低下しており、こちらはかつてに比べると狭き門となっている。一部の事業者では、管理職になっても賃金が上がらない(あるい時間外が減って下がる)ケースもある。

ネガティブな面ばかりが報道されがちであるが、大手系事業者に若いうちに入社し年功を重ねれば、労務の対価として見合っているかどうかは別として、生涯賃金はさほど悪くないとの見方もできる(国の統計やメディア等で公表される平均年収には中高年になってからの中途採用者や定年後の再雇用者、規制緩和で増大した零細事業者、白ナンバーも含まれてしまっているため)。また、景気に左右されにくい、年齢を重ねてもも仕事を継続しやすいというメリットもある。さらに前述の通り、資格を取得し現場叩き上げの管理職としてキャリアアップすることも可能である。一部では、既存の事業者で実務を学んだ後、自ら新規の事業者を起業する者もいる。

「決定版 日本の給料&職業図鑑 最強DXリニューアル版」(宝島社 2024年)によるとバス運転士の平均給料は32万円、生涯賃金は2億2016万円とされており、これは通関士セキュリティポリス看護師百貨店社員等と同額である。

バス業界は2020年頃からの新型コロナウイルス感染拡大期に大きな打撃を受け、運転士の収入にも大きく影響することとなった。中には廃業に追いやられる事業者もあった。

バス車両メーカーでは運転士の負担軽減のため、2ペダルのAMTを搭載した車両を積極的に販売しているが、扱いにくさや故障の多さから現場での評価は低い。また、独特の挙動による車内転倒事故も発生している。

無事に安全運行することが職責であるため、小説テレビドラマの題材にはなりにくいが、バス運転士が主人公である作品にバスストップ2000年)がある。本作品は東武バス(当時は東武鉄道バス事業本部)の引退車両である本物の路線バス(いすゞP-LV314L富士重工ボディ架装)を使用して撮影された(架空の東西バス豊洲営業所の車両として使用)。作中では乗務や点呼など、運転士の日常風景が描かれている(ただし、フィクションの作品であるため現実にはあり得ないシーンも多々見られる)。
自家用バス[ソースを編集]

主に企業学校幼稚園宿泊レジャーの各施設やレストラン・官公庁などが所有する法人自家用のバスであり、運転手はそれらの団体に属する者または専門の会社より派遣される。

また、福祉有償運送ほか自家用有償旅客運送道路運送法第78条)により自家用バス(または自家用普通自動車や自家用セダン等自動車)を運転する場合もある。
タクシー運転手[ソースを編集]詳細は「タクシー」、「日本のタクシー」、および「個人タクシー」を参照

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トラックの運転手[ソースを編集]「貨物自動車」も参照

トラック運転手は、乗務する車ごとに積載量で25t超・10t・8t・4t・3t半・2tなどの貨物自動車を運転する。大手運送会社では、入社時に過去数年間の運転記録証明(自動車安全運転センターで取得出来る)などを提出されるよう求められることがある。

積荷に応じ、危険物取扱者高圧ガス移動監視者毒物劇物取扱責任者などの国家資格が必要となる。
トレーラーの運転手[ソースを編集]「牽引自動車」、「フルトレーラー」、および「セミトレーラー」も参照

サファリパーク遊園地などのランドトレイン(列車状の遊具)もフルトレーラーである。空港内ではプッシュバックが該当する。

牽引車両のブレーキホース、電装系の切り離し作業は運転手が主に行い、輸送コンテナなどの荷役作業は主に到着先の会社の社員が行う場合もある。
必要な運転免許[ソースを編集]

これらの職業運転手のために必要な運転免許については、「日本の運転免許」を参照のこと。
欧州における運転手[ソースを編集]ロンドンのタクシー運転手
トラック運転手[ソースを編集]

貨物自動車の運転免許についてEU指令では、車両総重量3.5t未満の自動車に係る運転免許をB免許(普通免許に相当)、車両総重量3.5t以上7.5t未満の貨物自動車に係る運転免許をC1免許(準中型免許に相当)として区分しており、C1免許は基本的に18歳になれば取得できる[2]。さらにEU指令では車両総重量7.5t以上の貨物自動車に係る運転免許をC免許とし21歳になれば取得できるとしている(アイルランドオランダなどではEU指令とは異なり18歳でC免許を取得できる)[2]

C1免許はB免許取得後に取得手続を開始できる[2]。C免許とは別にC1免許を設けて18歳で取得できることとしている理由は、若年での大型車の運転の危険性を踏まえつつ、若年労働者の確保などの社会的必要性に配慮するためである[2]

EUでは貨物運送事業等を主たる業務として運送を行うためには一定の講習や試験を受けることが義務付けられており、免許も5年ごとの更新制で健康診断の受診や35時間以上の講習が義務付けられている[2]
タクシー運転手[ソースを編集]詳細は「タクシー」を参照

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米国における運転手[ソースを編集]米国、ミネソタ、ミネアポリス付近のバス運転手
トラック運転手[ソースを編集]

アメリカ合衆国では州ごとに運転免許制度が異なる[2]。多くは車両総重量11.7t(2万6,000ポンド)以上が大型に区分されるが、大型を中心とする商用自動車については年齢等の諸規制が設けられている[2]
タクシー運転手[ソースを編集]詳細は「タクシー」を参照

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お抱え運転手[ソースを編集]

近世、近代には家事使用人として、お抱え運転手英語: Chauffeur、ショーファー)という職業があった。主人のための馬車自動車の運転者として屋敷に住み込んでいる者である。運転をしない時は、車の整備や洗車・ワックスがけ、馬の世話などをする一種の専門職である。現在でも、リムジンの呼称の一種である「ショーファードリブン(カー)」に名を残す。またショーファーは車内という極めて限られた空間において主人の私的事項を知り得た。

現代では、大使館や大企業で専門の要員を確保し、重役に専用車を与えている場合はこれに近いが、運転手が住み込みの個人的な使用人でない、あくまで企業の従業員である点が異なる。二種免許は不要である。社によってはタクシー会社や車両管理会社と契約しハイヤーで送迎を行なっている例もある。

ホテル正面、都心部繁華街の路上、巨大地下駐車場や車寄せなどで見かける黒塗りの白ナンバーセダンは、お抱え運転手により運行されている車両である場合が多い。
アメリカにおけるショーファー[ソースを編集]

米国ではChauffeurをDriverと区別して『単に運転だけをする者ではない(顧客や雇い主の世話をする者)』と認識される。つまり、バスやタクシーの運転手はDriverと呼ばれ、お抱え運転手(Private Chauffeur)に限らず、リムジン(ストレッチリムジンに限らず)の運転手などはChauffeurと呼ばれる。


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