連邦捜査局
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しかし、その後の弾薬技術の発達に伴って、9x19mmパラベラム弾でも.40S&W弾や.45ACP弾と大差のない威力を発揮できるようになり、また、反動の小ささやグリップの細さから特に速射時の射撃精度に優れる面が評価されて、2015年には制式拳銃の9x19mmパラベラム弾への回帰が決定された[17]
活動
刑事警察

1977年、犯罪捜査を担当する一般捜査部(General Investigative Division)と、公民権関係や身元調査などを担当する特別調査部(Special Investigative Division)、および情報部の一部部門を統合して、刑事部 (Criminal Investigative Division) が発足した[18]

当初はスパイの取締を除くすべての国内捜査活動を管轄していたが、1993年10月、国内テロリズム対策部は公安警察部門に移管されて、国家保安部の一部となった[18]。その後、2002年にはサイバー戦対策部門や国際協力部門を統合する中間結節として、刑事・サイバー対策部 (Criminal, Cyber, Response, and Services Branch) が設置されている。
武装要員

1960年代以降の治安悪化に対応して、アメリカ合衆国の法執行機関ではSWATチームの編成が活発になっており、FBIでも、1973年7月9日にアルバカーキ、ニューメキシコ、デンバー、コロラド、カンサスシティ、ミズーリ、オマハ、ネブラスカ、フェニックス、アリゾナ、ワシントンDCの各地方局にSWAT訓練コースを開講し、編成に着手した[19]。現在では、56ヶ所の地方支分部局にそれぞれSWATチームが設置されている[20]

強権的・中央集権的な武装警察を極度に嫌う風土から、1970年代まではこれらの部隊の任務は凶悪犯の検挙などに留められており、対テロ作戦は陸軍のデルタフォースや海軍のSEALsチーム6のような特殊部隊の任務とされていた。しかし軍部隊では平時の国内出動には不適な部分が多いことが問題になり、1984年、FBI自身の対テロ作戦部隊として人質救出チーム(HRT)が創設された[21]。1994年には、刑事部に重大事件対応群(CIRG)が設置され、HRTや各地方支分部局のSWATチーム、更に交渉人チームは、その戦術作戦課(Tactical Operations Section)のもとで統合運用されるようになった。HRTとSWATチームをあわせて、約1,200名の隊員を擁している[20]
公安警察

捜査局では、1917年の第一次世界大戦への参戦ロシア革命に呼応する国内の動きに対応して、同年、過激派捜査部(Radical Division)を設置して、秘密警察活動の組織化を図った。1917年のスパイ活動法による赤狩りの活発化のほか、防諜強化の要請から、1919年には一般情報部(General Intelligence Division)として体制を拡充した[22]

1924年に一度解体されたが、ルーズベルト政権下で再建された[22]。また1930年代後半に入ると、欧州情勢の緊迫化に対応して防諜強化が図られることになり、体制整理の必要から、FBIが国内防諜の中枢機関として指定された[6]。これを受けて、1941年には国家防衛部(National Defense Division)、1943年には保安部(Security Division)として順次に体制強化が図られた。「ベノナ」も参照

1960年代には、フーヴァー長官のもと、部名は戦前の一般情報部に戻されるとともに、防諜(コインテルプロ)専任の国内情報部を設置した。しかしフーヴァーの死後、これらの公安警察の組織を用いた不適切な情報収集活動などが問題視され、対外防諜は新設された情報部(Intelligence Division)、国土安全保障は一般情報部が担当することとなった。「赤狩り」および「マッカーシズム」も参照

1993年10月、一般情報部に刑事部の国内テロリズム対策部を取り込んで、国家保安部(National Security Division)に改称された[22]。その後2005年に、FBIの体制改編とあわせて、関連部門を統合改編してNational Security Branch, NSBとして再編されている[23]
サイバー戦

2010年3月4日[24]、FBI長官ロバート・S・モラー 3世は、サンフランシスコで開かれたRSAサイバー・セキュリティ会議 (RSA Cyber Security Conference) に出席し、FBIに以下のサイバー対策部隊があることを明らかにした。

国内支局のサイバー担当官 (Cyber squads) - 1000人以上の捜査官、分析官を有する。ルーマニアエストニアオランダなど欧州の警察機関にも捜査官を派遣している。

機動サイバー隊(Mobile Cyber Action Teams) - 世界中のサイバー脅威に対応できる高度に訓練された捜査官、分析官のグループ。

国家サイバー合同捜査本部 (National Cyber Investigative Joint Task Force) - FBI主体で創設され、17の警察・情報機関と協力している。

また、FBI長官は、この会議において、「現在のところ、テロリストは、インターネットを使って全面的なサイバー攻撃を行っていない。しかし、彼らは、多数のDoS攻撃を行っている」と語った[25]
活動への批判
厳しい監視と激しい弾圧
フーヴァー時代のFBIは、アメリカ市民に対する監視をおこなっていた。特に
1960年代から1970年代反戦運動公民権運動フラワー・ムーブメントの時代には、厳しい監視と激しい弾圧を実施した。


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