連邦保安官
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また、その歴史を通じて、公民権運動が全米に広がる中で南部の学校に入学するアフリカ系アメリカ人学生の保護やアメリカ空軍LGM-30ミニットマンミサイル輸送隊の護衛警備、アメリカ合衆国南極プログラムにおける法執行、戦略的国家備蓄(英語版)の保護など独自の警備および執行サービスを提供してきた[11]
編制

連邦保安官は、連邦裁判所判事などと同じく、大統領が指名して上院が承認するPAS官職であり、任期は4年間である。米本土外を含めて、94ヶ所の連邦地方裁判所に1名ずつ配置されている[3]

上級管理職たる連邦保安官の指揮下で活動する実働人員として、保安官補(Deputy Marshal)が配置されている。こちらは通常の連邦公務員試験に合格した一般職の公務員であり[3]、2016年現在で3,752名が活動している。この他に、刑務官(detention enforcement officers)および令状執行権のない一般職員を合わせて、連邦保安官局全体の職員数は計5,209名となる[12]
SOG

連邦保安官局のSWAT部隊として、特殊作戦群(Special Operations Group, SOG)が編成されている。これは凶悪犯に対する法執行や危険度の高い警護任務などに対応する部隊であり、創設は1971年と、連邦政府の法執行機関のSWAT部隊としては最も古い部隊である[13][注 2]

SOGの本部はルイジアナ州アレクサンドリアに所在している。SOGには合計で100名弱の隊員がおり、その1割は女性である。当初は3個小隊編制であったが、1995年より4個隊に改編された。それぞれの小隊は、12名編制の強襲チームを基本単位としている。4個小隊のうち1個が常に即応体制に置かれており、3週間ごとに即応小隊が交代していく体制をとっている[13]

同じ司法省の警察機構である連邦捜査局(FBI)の特殊部隊である人質救出チーム(HRT)とは異なり、連邦保安官局SOGには専従人員はおらず、年に2回の集合訓練と出動時以外は、各地の保安官事務所などそれぞれの部署で日常勤務にあたっている。出動命令が出たときには、余裕があればルイジアナ州の本部に一度集合して予行演習などを行うこともあるが、場合によっては、各地から現場にそれぞれ直行して、現地集合という形になることもある[13]
登場作品
ラジオドラマ

ラジオ・テレビドラマ
西部劇シリーズ『ガンスモーク』では、連邦保安官補のMatt Dillon(英語版)が登場する。

テレビドラマ

エルモア・レナード原作の現代西部劇犯罪テレビシリーズ『JUSTIFIED 俺の正義』に連邦保安官補のレイラン・ギヴンズ(英語版)が登場する。

犯罪ドラマのテレビシリーズ『ザ・プロテクター/狙われる証人たち』には、連邦保安官補のメアリー・シャノン(英語版)が登場する。

アクションドラマシリーズ『The Marshal』には、全米で逃亡者を追う孤独な連邦保安官補としてウィンストン・マクブライドが登場している。

ドラマシリーズ『チェイス/逃亡者を追え!(英語版)』では、ヒューストンから来た凶悪逃亡犯逮捕チームを率いるアニー・フロスト連邦保安官補が登場している。

アクション・コメディTVシリーズ『Eagleheart』では、連邦保安官補チームが登場している。

エレメンタリー ホームズ&ワトソン in NY』においては、保安官がニューヨーク市警のベルを引き抜きに来る。

映画

犯罪コメディ映画『
アウト・オブ・サイト』とスピンオフの犯罪ドラマTVシリーズ『Karen Sisco』では連邦保安官補のカレン・シスコが登場している。エルモア・レナードが生み出したキャラクターで、『JUSTIFIED 俺の正義 (シーズン3)(英語版)』のエピソードにも登場している。

西部劇映画『勇気ある追跡』(1969年)とその続編『オレゴン魂』(1975年)、そして、リメイク版の『トゥルー・グリット』(2010年)には、連邦保安官補のルーベン・J・“ルースター”コグバーン(英語版) が登場する。

連邦保安官補のワイアット・アープとその兄弟であるヴァージル(英語版)、モーガン(英語版)はいずれも実在の連邦保安官をモデルにしている。西部劇映画『トゥームストーン』では、ニュートン(英語版)やジェームズ(英語版)、ウォレン(英語版)も含めたアープ兄弟が登場する数多の映画やテレビ番組(英語版)の1つとして、連邦保安官補が登場している。また、アープ家のほとんどを登場させ、ワイアットとその兄弟が親の農場で過ごした幼少期から成人して法執行官になるまでを描いた伝記的西部劇映画『ワイアット・アープ』もその一つである。

西部劇映画『ビッグケーヒル』には、連邦保安官補のJ・D・ケーヒルが登場している。

サミュエル・ジェラード連邦保安官補(後に、上級代理に昇進)は、アクション・スリラー映画『逃亡者』(1993年)とそのスピンオフ作品『追跡者』(1998年)に登場している。

連邦保安官補のヴィンス・ラーキンが登場するアクション映画『コン・エアー』では、ハイジャックされた連邦保安官局の囚人護送機、通称「コン・エアー」と呼ばれる航空機内が主な舞台となっている。

ゲーム

ゲーム『
Far Cry 5』のメインキャラクターとして連邦保安官補のキャメロン・バークが登場した。

脚注[脚注の使い方]
注釈^ 任命といっても当時は試験などをするわけではなく、これはと見込んだ者に辞令を出してバッジを交付し「連邦保安官助手に任命する。


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