連続漫画小説_あさドラ!
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作風

ライターの成馬零一によると、本作を壮大なストーリーを予感させると同時に『YAWARA!』のような親しみやすさがあり、アサを中心とした登場人物が魅力的に描かれている作品である[3]。「現代史を題材に壮大なスケール」が描かれている『20世紀少年』や『BILLY BAT』と異なり、本作では「戦後という時代を独自の解釈」で描かれている[4]

本作には「過去の作品のオマージュやパロディを思わせる表現」が使用されている[4]。例として、冒頭の「2020年の東京オリンピックに向けて建設中の新国立競技場に危機が迫るさま」が大友克洋の『AKIRA』、アサの格好がさくらももこの『ちびまる子ちゃん』、「冒頭シーンから市井の風景への切り替え」が映画『ALWAYS 続・三丁目の夕日』の1シーンなど[4]
評価

浦沢の大ファンと公言する映画監督のポン・ジュノは、本作の第1巻を読んですぐに感情の昂りをうかがわせながら、「この時代の最強のストーリーテラー、浦沢直樹に感謝の心を贈る」と賛辞を送り、熱烈なコメントを書いている[13]
制作背景
作品のテーマ

本作は浦沢が7年も温めてきた作品で、戦後から現代にかけて生きた、ひとりの女性をテーマとしている[2]。浦沢は幼少のころから50年以上、ただひたすらに「面白い漫画」を生み出すために長編漫画を描き続けており、「本気で漫画を描くということがどういうことか、どのくらい奥深く果ての無いことなのか」という、その秘密の一端に触れるような漫画となっている[2]
構想

浦沢は東日本大震災のあった2011年ごろに、ぼんやりと本作の構想を抱き始めた[5]。震災に大きな影響を受けたのだという[5]。「暗い鬱屈した話ではなく、読む人に希望の光を与えたり、生きる力になれるような主人公を描きたい」と浦沢が考えたことにより、主人公は女性になった[5]。浦沢によると「明るく爽快な男性主人公というのは、どこか嘘っぽさを感じてしまう」といい、浦沢の場合は「男の子を描くと暗い方向に行く傾向がある」と自覚しているからである[5]。戦後を生きた女性の物語にしようと考えた段階で、まるで朝ドラのようだと考えた浦沢は、「僕なりの朝ドラを作ってみよう」と思い『あさドラ!』という人を食ったタイトルを名づけたのだという[5]

2021年11月の時点では、本作の展開は「まだ核心に入る前の序盤」である[9]
制作

担当編集者によると、浦沢は自分で描かないとイメージ通りにならないという理由により、アシスタントに任せずに自らでスクリーントーンを削り、流れるような雄大な空をカッター1本で創り上げたという[14]。躍動感のある最適な構図を考えるうちに、頭の中でカメラを回しすぎたことにより、疑似飛行機酔いをしたことがある[14]

単行本第1巻に収録されているラストの3ページは、浦沢が年末年始に休まず、ひとりで描き上げている[2]

仕事としての効率性は一切無視し、割り切りや妥協は一切なく、どうしたら漫画が面白くなるかを考え続けた結果、浦沢は体調を崩したことがあるという[14]
イベント

2022年2月18日から3月23日まで、高知県の高知まんがBASEにて本作の原画展を開催[15][16]
書誌情報

浦沢直樹『あさドラ!』小学館〈ビッグコミックス〉、既刊8巻(2023年12月27日現在)
2019年3月29日発売
[2][14]、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISBN 978-4-09-860278-0

2019年9月30日発売[7]ISBN 978-4-09-860433-3

2020年2月28日発売[17]ISBN 978-4-09-860587-3

2020年8月28日発売[18]ISBN 978-4-09-860738-9

2021年4月30日発売[13][19]ISBN 978-4-09-861078-5

2021年12月28日発売[11][20]ISBN 978-4-09-861231-4

2022年11月30日発売[21]ISBN 978-4-09-861546-9

2023年12月27日発売[22]ISBN 978-4-09-862669-4


出典^ a b c d “浦沢直樹の新連載「連続漫画小説 あさドラ!」スピリッツで始動”. コミックナタリー (ナターシャ). (2018年10月6日). https://natalie.mu/comic/news/302707 2022年12月20日閲覧。 
^ a b c d e f g “浦沢直樹が“名もなき女性”の一代記描く最新作「あさドラ!」1巻、CMも公開”. コミックナタリー (ナターシャ). (2019年3月29日). https://natalie.mu/comic/news/325846 2021年6月24日閲覧。


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