連歌
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連歌を目的とする天神講を特に天神講連歌会と呼ぶ。講を結び、図像をかかげて天神供養を行い、もって連歌を手向けとするものである。こうした連歌会は大和国を中心に発達し、室町時代を通じて畿内から各地へ伝播していった。天神講連歌会記録としては大和国の奈良県宇陀市の染田天神連歌文書などが伝来する。戦国時代には、西宮神社ではえびす講と結びついて門前寺院の円福寺、西蓮寺、東禅坊の関係者を講衆とする千句講が実施され、天文9年(1540年)6月9日には、三好長慶が千句講用の千句田二段を寺院に寄進していた[3][4]

戦国時代から近世にかけても連歌は必須の教養とされた。戦国時代には里村紹巴が出て、連歌書を多く著すとともに、諸大名と交際し、教養としての連歌の地位を新興の大名のうちにも確立させた。里村家は後に徳川宗家に仕え、将軍の指南役として連歌界を指導した。一方戦国末期には、荒木田守武山崎宗鑑などにより俳諧連歌が始まる。これは伝統的な宮廷文化の枠組みの中にあった連歌の題材を、広く世相に求め、伝統的な詩形や題材と卑近なものの組みあわせのうちにおかしみを見出そうとする試みである。『犬筑波集』などがある。江戸時代には俳諧連歌が隆盛となり、上方から井原西鶴松尾芭蕉らを輩出したが、連歌自体は廃れた。俳諧連歌もまた江戸後期に至り月並流といわれる形式を重視したものに変化し、明治になり正岡子規の俳諧から俳句への革新によっていったんは廃れた。

第二次世界大戦ののちは、大岡信など現代詩詩人のなかから連歌の集団制作性に注目し、伝統的な枠にあまり囚われない集団詩としての連歌を実践する試みがある一方、伝統詩形としての連歌に再び回帰する動きもある。前者は Renga として日本語以外の言語でも実践を行っている。後者は深川芭蕉庵の連歌会などを催し、伝統的な宗匠 と連衆による連歌句作を行っている。また両者の傾向とも、インターネットによる実践を行う試みが各所で行われている。ただし、このような復興の動きがある反面、連歌を行う人口や結社の数は、俳句に比べれば僅少といえる状態にとどまっている。
史上著名な連歌師

善阿(生没年不詳)

救済1283年? - 1376年?)

周阿(? - 1377年?)

二条良基1320年 - 1388年

朝山梵灯庵1349年 - 1417年?)

能阿弥1397年 - 1471年

高山宗砌(? - 1455年

心敬1406年 - 1475年

専順1411年 - 1476年

蜷川智蘊(? - 1448年

宗祇1421年 - 1502年

牡丹花肖柏1443年 - 1527年


宗長1448年 - 1532年

猪苗代兼載1452年 - 1510年

三条西実隆1455年 - 1537年

宗碩1474年 - 1533年

谷宗牧(? - 1545年

谷宗養1526年 - 1563年

山崎宗鑑1465年? - 1553年?)

荒木田守武1473年 - 1549年

里村紹巴1525年 - 1602年

木食応其1536年 - 1608年

松永貞徳1571年 - 1654年

西山宗因1605年 - 1682年

北村季吟1625年 - 1705年

探題と続歌

連歌とは詠歌方法が異なるが複数人で歌を詠む形式などが共通する詠歌方法に探題、続歌がある[1]

探題と続歌はほぼ同義で用いられているが、探題とは歌人がくじ引きで引いた歌題を詠むもので、もとは探題で詠まれたものをまとめたものを続歌と呼んでいたと考えられている[1]。また、探題では当座で詠むことが必須条件であったが、続歌では兼題で出されてもよいものとなり定数歌の形式として定着した[1]

探題歌会と連歌会には当座性や遊戯性など共通する性質がある[1]
脚注[脚注の使い方]^ a b c d e 小山順子「「新古今集詞連歌」考察 : 和歌句題、続歌と詞連歌」『京都大学國文學論叢』第19巻、京都大学大学院文学研究科国語学国文学研究室、2008年3月、36-55頁、doi:10.14989/137368、.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit;word-wrap:break-word}.mw-parser-output .citation q{quotes:"\"""\"""'""'"}.mw-parser-output .citation.cs-ja1 q,.mw-parser-output .citation.cs-ja2 q{quotes:"「""」""『""』"}.mw-parser-output .citation:target{background-color:rgba(0,127,255,0.133)}.mw-parser-output .id-lock-free a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/6/65/Lock-green.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-limited a,.mw-parser-output .id-lock-registration a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .id-lock-subscription a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/aa/Lock-red-alt-2.svg")right 0.1em center/9px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/4/4c/Wikisource-logo.svg")right 0.1em center/12px no-repeat}.mw-parser-output .cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:none;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;color:#d33}.mw-parser-output .cs1-visible-error{color:#d33}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#3a3;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right{padding-right:0.2em}.mw-parser-output .citation .mw-selflink{font-weight:inherit}ISSN 1345-1723、2022年5月21日閲覧。


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