通貨
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ドルを売買するように、通貨そのものは商品になる[20]変動相場制の下では商品を売買するのと同じように、自国通貨を売り(買い)、外国通貨を買う(売る)ことが行われる[21]

各国の通貨は、輸出入の代金の決済に使用されるが、資産としての性質も持っており、外国の通貨も資産となりうる[22]。外国に投資するということは、その国の通貨建ての資産を持つということである[17]

2009年現在、ドイツ銀行の公表するDBCRとシティーバンクの公表する指数とでβ指数を争っている。両者の違いは新興国通貨[23]を組み入れているか否かと、キャリー部分の配分が等配分か半分を占めるかというところにある。
国際通貨「国際通貨」、「通貨の一覧」、および「現行通貨の一覧」も参照

外国為替市場における取引高の通貨分布[24][25]順位通貨ISO 4217 コード
(通貨記号)一日当たりシェア(%)
(2019年4月)
01?アメリカ合衆国ドルUSD ($)68.5%.
02?ユーロEUR (?)31.5%.
03?イギリス・ポンドGBP (£)18.9%
04?オーストラリア・ドルAUD ($)10.1%.
05?日本円JPY (\)10.1%.
06?スイス・フランCHF (Fr)10.0%.
07?カナダ・ドルCAD ($)5.5%.
08?中国人民元CNY (\)5.1%.
09?香港ドルHKD ($)3.5%.
10?シンガポール・ドルSGD ($)2.0%.
11 韓国ウォンKRW (?)2.0%.
12?ニュージーランド・ドルNZD ($)1.8%.
13?メキシコ・ペソMXN ($)1.5%.
14?ロシア・ルーブルRUB (?)1.1%.
15 マレーシア・リンギットMYR (RM)1.1%.
16 モロッコ・ディルハムMAD (DH)1.3%
17?トルコ・リラTRY (?)1.1%.
18 インド・ルピーINR (?)5.1%.
19 ブラジル・レアルBRL (R$)1.9%.
20?サウジアラビア・リヤルSAR (?)1.6%.
21?UAEディルハムAED (DH)1.5%.
その他通貨12.0%.?
総計200%..?

国の経済力は、自国通貨ではなく外貨保有量ではかることができる[26]。自国通貨を大量に所有していても、そのままでは他国で使えないただの紙切れだからである[26]。経済活動がグローバル化してくると、輸出入・国際投資には他国の通貨が必要になってくる[27]

普通、通貨はその価値を保証するの中だけで利用されるが、ユーロや米ドルのような国を超えて利用されている通貨を国際通貨という。

世界の金融取引・貿易取引で中心的に使用されている通貨を基軸通貨といい、2019年現在では米ドルがユーロや円などをはるかに超えて使用されている[28]。19世紀頃は、英国ポンドが基軸通貨の地位を占めていたが、第二次大戦後は米ドルが基軸通貨となった[28]
地域通貨詳細は「地域通貨」を参照

地域通貨とは、法定通貨のように政府によって発行されている通貨ではないが、あるコミュニティにおいて通貨のような性質を認められたものである。
通貨危機「金融危機」も参照

通貨危機とは、為替レートが、均衡為替レートの度合いをはるかに超えて下落することである[29]

通貨危機はある国の通貨価値が対外的な信用を失うことによって起きる[30]。通貨が信用を喪失する原因は、累積債務の増大や固定相場制下での通貨の過大評価にある[30]

国の財政などが悪化し始めると、経済は停滞し、それと平行して通貨価値は下落していく[31]。政治的・社会的・経済的に、ある国の信認が失われたときに通貨が暴落し、国内の信用収縮・銀行危機・所得の低下・輸入インフレが発生し、或いは予想され、更に通貨が暴落するという悪循環が「通貨危機」である[29]

国は、自国の通貨価値を支えようと外貨準備を投入し、自国の通貨を買い支えようとするが、資金が枯渇すると通貨危機となる[31]。通貨危機に陥った場合、自国の通貨の切り下げなどを行い対応する[31]
通貨の切り上げ・切り下げ

この節の加筆が望まれています。

自国の通貨の交換比率を、他国の通貨に対して相対的に上げることを「通貨の切り上げ」という。金融引き締め政策を行うと、自国通貨の増価が発生する[32]

また、自国の通貨と他国の通貨の交換比率を引き下げる政策を「通貨の切り下げ」という[33]。基本的には、自国の経済の防衛のために、基軸通貨である米ドルとの交換比率を、通貨当局が低く定める[33]。通貨の切り下げは、あくまで緊急措置であり、国際経済では禁じ手とされている[34]。通貨の価値はあくまでマーケットによって決定されるべきという大原則があるからである。「通貨安競争」および「為替操作国」も参照

自国通貨を減価させれば、輸出増加・輸入減少圧力が働く[35]。自国通貨の減価は、早い段階で輸入価格に転換され、輸入価格の上昇を招くという事実は、多くの実証モデルで示されている[36]

金利の低下は自国通貨の減価を招き、自国通貨の減価は経常赤字の縮小をもたらす[37]。しかし、短期的には自国通貨の減価は経常収支の赤字をもたらさない[37]。実際にJカーブ効果によって経常赤字の拡大を招く[37]。投資家が経常赤字のファイナンスを続けなければ、通貨は際限なく減価する[37]

通貨の減価自体は資本流入に必要なインセンティブを生み出す[37]。実際の通貨の減価幅は、投資家が要求するインセンティブによって決定される[38]
日本の通貨詳細は「円切上げ」および「プラザ合意」を参照

日本では、日本の貨幣史に示されるように、江戸幕府が通貨を統一し始めたものの、実際の生活では身分制度とあわせて年貢としての米による租税制度が維持されてきた。現代では、政府国債を発行しつつ、通貨偽造の罪利息制限法を設けて、通貨の信用を維持している。

明治時代の地租改正以降、通貨に兌換金券等としての機能はなくなっていった。

1930年1月11日に、日本は金本位制に復帰したが[39]、1931年に金本位制から離脱した[40]

世界大戦に向かう情勢の中、紙幣においては国民に徴兵制等各種の義務を増やし国債との交換によって価値を維持していた。日本政府が相続税等の指針として使う路線価厚生労働省が定める最低生活費や最低賃金といった形で数値化していることと表裏一体の関係になる。

1942年に日本は管理通貨制度に切り替わった[10]
国債と通貨発行の関係

日本銀行が民間銀行を通じて国債を購入している事実と、日本銀行が国債購入によって無から創造して負債に計上している日銀当座預金も日銀券も日本銀行には返済債務が無いので、日本銀行は国債の購入と保有を継続できるという事実と、日本銀行が政府に国庫納付金を納付する制度が存在しているという事実と、を組み合わせると、政府による国債発行は実質的には返済不要な通貨(日銀当座預金と日銀券)を発行する行為になっている事と、国債を税収では全額返済はできない事を、下記にて説明する。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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