逆転のトライアングル
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公開

2019年5月、SFスタジオズ(英語版)が北欧での配給権を獲得した[13]。本作は、2022年5月21日にカンヌ国際映画祭で上映され、8分間に渡るスタンディング・オベーションを受けた[14]。その後、北米の配給権を2019年の『パラサイト 半地下の家族』と2021年の『TITANE/チタン』で2回連続でパルム・ドール受賞作品を配給した経験を持つNEONが配給することが決定した[15]。パルム・ドール受賞後の会見においてオストルンドは、「映画で他に描きたかった3つの場面がある」とした上で「編集中にそぎ落とした重要な場面があった」と語り、149分の映画祭上映版から「より長く、より豪華になる」というコンセプトで劇場公開用に再編集を施す意向を発表した[16]
評価

本作は批評家から好意的に評価されている。Rotten Tomatoesでは31個の批評家レビューのうち72%が支持評価を下し、平均評価は10点中7.8点となった。サイトの批評家の見解は「『Triangle of Sadness』には、オストルンドの前作にあった鋭い切れ味が不足しているが、鼻持ちならない富裕層をブラックユーモアたっぷりに描いたこの作品は、それなりに見る価値がある。」となっている[17]MetacriticのMetascoreは15個の批評家レビューに基づき、加重平均値は100点中66点となった。サイトは本作の評価を「概ね好意的」と示している[18]

ザ・テレグラフ』のロビー・コリン(英語版)は、映画に満点となる5つ星を与え、「虚栄心は有害で、財産は腐敗し、誰もがインスタグラマーが報いを受けるところを見るのが好きだろう。しかし、この壮大なシャーデンフロイデは2時間半の上映時間の中で徐々に真の同情に変わり出し、この酷い登場人物たちを気の毒に思うようになり、彼らが次々と受ける屈辱が自分ごとのように胸に刺さるようになってしまう。」と評した[19]。『ロサンゼルス・タイムズ』のジャスティン・チャン(英語版)は、「約2時間半にわたる『Triangle of Sadness』の中で、(オストルンドは)道徳的嫌悪感を新たなレベルへ引き上げている一方で、主題の繊細さを新たなレベルまで引き下げている。これはいいトレードオフだ。」と評した。

バラエティ』のピーター・デブリュージュは、「オストルンドの作品の特徴は、観客を笑わせながらも、思考を促させるところだ。シーンの構成とその実行方法には細心の注意が払われており、気まずい沈黙やコミュニケーションにもがく登場人物たちの間を、ハエが邪魔に飛び回わるかのように不安感を増幅させている。」とオストルンドの演出力を評価した[20]

一方、『ガーディアン』のピーター・ブラッドショー(英語版)は、「このオストルンドの新作は、『フレンチアルプスで起きたこと』のような繊細さや洞察力も、『ザ・スクエア 思いやりの聖域』の力強さも欠けている。ただ派手で、本物の笑いに欠ける、強引なヨーロッパ的風刺劇に落ち込んでいる」と過去作には及んでいないと指摘した[21]
受賞とノミネート

賞年部門結果出典
カンヌ国際映画祭2022年パルム・ドール受賞[3]
アカデミー賞2023年作品賞、監督賞、脚本賞ノミネート

出典^ a b “Triangle of Sadness”. Cannes Film Festival. 2022年5月21日閲覧。
^ “Triangle of Sadness” (英語). The Numbers. 2024年5月26日閲覧。
^ a b “Cannes Repeat Winner Ruben Ostlund Collects His Second Palme d’Or for ‘Triangle of Sadness’”. Variety. 2022年5月29日閲覧。
^ “Triangle of Sadness review: The most disgusting film of 2022?”. BBC. 2022年5月29日閲覧。
^ Kardelo, Alexander (2022年2月6日). “Vi har sett 3 klipp ur Ruben Ostlunds 'Triangle of Sadness'”. Moviezine. 2022年2月6日閲覧。
^ Keslassy, Elsa (2017年6月9日). “From 'Square' to 'Triangle': Palme d'Or Winner Ruben Ostlund's New Project Unveiled (EXCLUSIVE)”. Variety. 2017年6月9日閲覧。
^ Barraclough, Leo (2019年5月18日). “'The Square' Director Ruben Ostlund on Follow Up Black Comedy 'Triangle of Sadness'”. Variety. 2019年5月18日閲覧。
^ Wiseman, Andreas (2020年2月4日). “'Triangle Of Sadness': Harris Dickinson, Charlbi Dean & Woody Harrelson Lead Satire From Palme D’Or Winner Ruben Ostlund; Imperative, 30WEST, More Join” (英語). Deadline. 2020年2月4日閲覧。


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