逃亡者_(1993年の映画)
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そして犯人は妻ではなく自分を殺害することが狙いであったことや、事件の裏に大手製薬会社が絡んでいることを知る[13]。また自分と同じ病院に勤務していた医師アレックス・レンツが関わっていたことも判明するが、レンツが少し前の夏に交通事故で亡くなっていることをニコルズから知らされる[14]。その頃、ジェラードは、キンブルがサイクスの家から自分に電話してきた不可解な行動から、彼は本当は無実ではないかと思い始めるようになり、キンブルが残した手がかりを元に独自に調査し始め、サイクスに目星をつけるのだが、彼に逃げられてしまう[15]

一方のキンブルは古巣のシカゴ記念病院で、レンツの研究に用いられていた検体が、レンツの死後にレンツ以外の何者かによってすり替えられていたことを見抜く[16]。さらに、その状況からレンツの上司でもある親友のニコルズだけがそれをできうることと、彼こそが、自分の殺害をサイクスに指示した黒幕であり、今まで自分を欺いていたことを悟る[16]。かつてレンツが研究中であった新薬に重大な副作用があることを指摘したキンブルは、その新薬によって富と名声を得ることを目論んでいたニコルズにとって邪魔な存在であったのだ。直ちにニコルズの元へ向かおうとするキンブルをサイクスが襲うが、キンブルはそれを返り討ちにする[17]

サイクスを差し向けキンブルを始末したつもりでいたニコルズは、ホテルの会場で新薬の成果に関する講演会を開いていた。そこにキンブルは乗り込み、大勢の聴衆の前でニコルズを問いただす[18]。ニコルズは話し合う素振りを見せつつも会場を離れ、キンブルに不意打ちを浴びせようとし、2人は格闘を始める[19]。シカゴ市警によってホテルが封鎖され、キンブルの射殺命令が出される中、独自の調査で事件の真相に辿り着いていたジェラードも到着し部下を連れてホテルの中へ突入する[19]

格闘戦の末、ニコルズが黒幕であるのを知っているジェラードの説得もあって、キンブルは投降しようとする。そしてその時、影からニコルズがジェラード警部を撃ち殺そうとしているのを見たキンブルが、間一髪でニコルズを打ちのめし、彼ら2人はジェラードに逮捕される[20]。しかしキンブルの無実を確信していたジェラードは直ぐにキンブルの手錠を外し、報道陣が詰め掛ける現場から共にパトカーで去る[21]
登場人物
リチャード・キンブル (Richard Kimble)
演 -
ハリソン・フォード本作の主人公。シカゴ記念病院の外科医。冤罪により妻を殺害した容疑をかけられ死刑判決を受けるが、護送中に脱走し、並外れたタフネスと機転を頼りに逃走を続けながら真犯人「片腕が義手の男」を探す。真犯人を探し出して真実を白日の下に晒すことに執念を燃やすが、それ以上に医師として、瀕死の重傷を負った刑務官や患者を前にして見過ごすことができず、逃走先で医療行為に及んでは己の身を窮地に晒すこともある。一方でそうした人道的行為が、次第に彼の支持者を増やしていく、ラスト、ジェラードを射殺しようとしたニコルズを叩きのめし逮捕されるが無罪を確信していたジェラードによって直ちに手錠を外された。
サミュエル・ジェラード(Samuel Gerard)
演 - トミー・リー・ジョーンズキンブルを執念深く追い続ける連邦保安官補。キンブルが有罪か無罪かを裁くのは己の領分ではないと考えており、殺人犯を相手に誤った先入観を持ち込むことは職務に支障をきたすという信念から、キンブルの主張には耳を貸さないよう己を律している[22]。しかし真犯人の手がかりを集めようとするキンブルを追い続けるうちに、彼もまた事件の真相へ近づく。愛用の拳銃は40口径のグロック22[23][注釈 2]
チャールズ・ニコルズ (Charles Nichols)
演 - ジェローン・クラッベシカゴ記念病院の医師。弁護士までもがキンブルの有罪を疑う中、逃亡中のキンブルに対する助力を惜しまず、警察に対して非協力的な態度を貫く[12]。ノベライズ版によれば、裁判中もキンブルの無実を証明するため証人として尽力したとされる[25]。しかし、実は彼こそが「片腕が義手の男」ことサイクスを雇っている黒幕である。自分が理事を務める製薬会社が利益を得るため、かつてキンブルが指摘した新薬の副作用を隠蔽しようとしており、逃走中のキンブルを誘い出して始末することを目論んでいる、最後はキンブルとジェラードに追い詰められ、強奪した拳銃でジェラードを殺害しようとしたがキンブルに叩きのめされ、ジェラードに逮捕された。
ヘレン・キンブル (Helen Kimble)
演 - セーラ・ウォードキンブルの最愛の妻。物語冒頭において、自宅に忍び込んだ「片腕が義手の男」ことサイクスに殺害される。本作では、サイクスの本来の標的はキンブルであり、彼女はそれに巻き込まれたというのが真相であった。夫の仕事には理解があり、自分とのプライベートよりも急患が入った夫の職務を最優先した。生命保険に加入しており、キンブルが唯一の受取人であったことが彼が強く疑われる要因となってしまった。


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