近鉄けいはんな線
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17.9登美ヶ丘信号場


18.8C30 学研奈良登美ヶ丘駅

トンネル等の施設名は[2]による

けいはんな線(けいはんなせん)は、大阪府東大阪市長田駅から奈良県奈良市学研奈良登美ヶ丘駅を結ぶ近畿日本鉄道(近鉄)の鉄道路線である。

けいはんな線の母体となったのは、1977年(昭和52年)に設立された近鉄完全子会社の東大阪生駒電鉄が整備し、1986年(昭和61年)4月1日に近鉄が東大阪生駒電鉄を吸収合併して同年10月1日に近鉄の直営路線として開業した長田駅 - 生駒駅間の東大阪線(ひがしおおさかせん)である。2006年平成18年)3月27日に「京阪奈新線」の仮称で建設されていた生駒駅から学研奈良登美ヶ丘駅までが開業し[3]、それと同時に東大阪線長田駅 - 生駒駅間も含めけいはんな線に改称された[4]。また、相互直通運転を行っている大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro) 中央線と併せて「ゆめはんな」という愛称が付けられている[5]

駅ナンバリングで使われる路線記号はCで、番号は相互直通運転しているOsaka Metro中央線と連番で振られている。近鉄で最初に駅ナンバリングが導入された路線であり[注釈 1]、けいはんな線の開業と同時に、旧東大阪線区間も含めて割り当てられた。

本項では東大阪生駒電鉄・近鉄東大阪線の時代についても取り上げる。
概要

長田駅 - 生駒駅間は東大阪線として、沿線の宅地開発が進み混雑が激しくなった奈良線のバイパスとして開業し、生駒駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間の開業時に東大阪線もけいはんな線に改称された。けいはんな線の名称は、関西文化学術研究都市の愛称「けいはんな学研都市」に由来する。また相互直通運転が行われているOsaka Metro中央線と当路線の総称として「ゆめはんな」という愛称が公募によって付けられた。これは、生駒駅で乗り換えることなく中央線本町方面と行き来できることをアピールするためである。

これに対して沿線自治体である東大阪市は、路線名から東大阪が消えた代わりに駅名に東大阪の名を付けるために同市役所の最寄り駅である荒本駅の駅名を東大阪駅に改称するよう近鉄に対して求めている。ただし駅名変更には莫大な費用がかかり、東大阪市は財政難のため、一般的に自治体が負担すべき駅名変更費用を近鉄の負担で行うよう求めている[6] ことから、その後これ以上の動きはない。

東大阪線時代は、近鉄のコーポレートカラーであるオレンジスカイブルー(正確にはソーラーオレンジとアクアブルー、パールホワイトの3色を近鉄所有車両で使用している)を路線のイメージカラーに取り入れており、現在も近鉄所有車両や東大阪線時代からの既存駅設備の一部にその名残が残っているが、けいはんな線への移行時に改めて路線イメージカラーを薄緑(ライムグリーン■)に定めている(ただし近鉄車両の色は従来通り)。

全線でPiTaPaICOCASuicaなどの全国相互利用サービスのIC乗車カードが使用できる。また、以前はスルッとKANSAI対応カードにも対応していた。Jスルーカードは利用エリア外となっていたが自動券売機での乗車券の購入でのみ利用できた。また、東大阪線時代から引き続き建設費回収のための加算運賃が適用されている。

他の近鉄線(直流1500V、架線式)とは異なり、けいはんな線では乗り入れ先のOsaka Metro中央線に合わせて、第三軌条方式が採用されている。第三軌条方式および直流750Vでの電化は在阪大手私鉄の鉄軌道路線では唯一であり[注釈 2]、他線と相互直通運転する第三軌条方式の路線としても大手私鉄で唯一である。
路線データ

管轄・路線距離(
営業キロ):全長18.8 km

近畿日本鉄道(軌道事業者

長田駅 - 鉄軌分界点間 5.1 km


近畿日本鉄道(第一種鉄道事業者

鉄軌分界点 - 生駒駅間 5.1 km


近畿日本鉄道(第二種鉄道事業者)・奈良生駒高速鉄道第三種鉄道事業者

生駒駅 - 学研奈良登美ヶ丘駅間 8.6 km



建設主体:日本鉄道建設公団(現 独立行政法人 鉄道建設・運輸施設整備支援機構

軌間:1435mm

駅数:8駅、2信号場(起終点駅含む)

複線区間:全線

電化区間:全線電化(直流750V・第三軌条方式

閉塞方式:自動閉塞式

保安装置:WS-ATC

最高速度:95 km/h[1]

編成両数:6両

ホーム最大対応編成両数:8両(白庭台駅・学研北生駒駅・学研奈良登美ヶ丘駅は6両)

車内案内装置設置率:100%

全線が大阪統括部(旧上本町営業局)の管轄で、長田駅から新石切駅東方の鉄軌分界点までは軌道法による軌道、鉄軌分界点から学研奈良登美ヶ丘駅までは鉄道事業法による鉄道となっている。
キロポスト

後述する歴史的経緯から、けいはんな線では、距離を示すキロポストが2つに分かれている(矢印の方向にキロ数が増える)。
長田駅→生駒駅東大阪線として開通した区間を長田起点でキロポストを打っているため。

生駒駅→学研奈良登美ヶ丘駅京阪奈新線の仮称で建設され、生駒から学研奈良登美ヶ丘へ向けての新たな0キロポストを設けたため。

歴史
長田駅 - 生駒駅間

東大阪生駒電鉄
種類株式会社
本社所在地 日本
大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目1番地の1
設立1977年(昭和52年)9月16日
業種陸運業
事業内容旅客鉄道事業、旅行業
代表者社長 柳瀬珠郎
資本金5億円
発行済株式総数1,000,000株
特記事項:1982年度現在[7]
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戦後、近鉄は沿線の宅地開発が進み、混雑が激しくなった奈良線の混雑緩和策として、1962年(昭和37年)7月の都市交通審議会大阪部会で瓢箪山 - 谷町四丁目間の新線計画を提案した[8][注釈 3]。同時期に京阪大和田 - 森ノ宮間を、大阪市が当時市営の地下鉄4号線(現在の中央線)を本町 - 森ノ宮経由で放出まで延伸する計画をそれぞれ立てており[10][11]、さらに大阪市は4号線の計画を石切まで延長したため[12]、一部区間で重複することとなった[13]

1963年(昭和38年)3月29日の都市交通審議会答申第7号では、大阪市が当時大阪港 - 弁天町間が開業していた地下鉄4号線を本町・森ノ宮経由で荒本まで延長し、京阪が八幡 - 交野 - 星田 - 大和田 - 荒本間の新線を、近鉄が瓢箪山 - 荒本間の新線をそれぞれ整備して、荒本駅で各線の緊密な連絡を図り、さらに関係者間で協議の上、相互直通運転を実施できるよう具体的措置を講じるよう答申された[14]


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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