近畿圏
[Wikipedia|▼Menu]
昼間人口と夜間人口府県市昼間人口 (a)夜間人口 (b)(a)-(b)(a)/(b)
大阪府9,2248,839385104%
大阪市3,5432,691852132%
兵庫県5,2945,535-24196%
神戸市1,5721,53734102%
京都府2,6562,61046102%
京都市1,6081,475133109%
滋賀県1,3641,413-4997%
奈良県1,2281,364-13690%
和歌山県946964-1898%
三重県1,7851,816-3198%
2015年国勢調査、単位:千人

歴史「近畿地方#歴史」、「大阪市#歴史」、「奈良県#歴史」、および「京都#歴史」も参照

古墳時代には国内流通の中心である現在の大阪市難波津住吉津、中世に渡辺津などがあり、大阪市から堺市に向かう難波大道、堺市から奈良に向かう大津道丹比道などで結ばれていた。他方、外交が重視される時期や、奈良盆地の既存勢力と距離を置きたい場合には、日本海-若狭湾-琵琶湖-淀川-大阪湾-瀬戸内海の内陸水系物流ルート沿いの琵琶湖南岸以南に都が置かれた。

大伴氏物部氏などが本拠を置いた場所であり、大阪平野奈良盆地天皇(大君)がその在所を置くことが多く、日本の首都となった。難波宮藤原宮平城宮平安宮などの大規模な首都整備、豪族貴族の在地から首都への集住強制、納税や官人の往来のための官道整備(日本の古代道路)などにより、近畿地方は日本の富が集中する経済地域となっていった。

その後、公家武家寺家に権力が分散し、鎌倉幕府の成立によって畿内集中が弱まったこともあったが、室町幕府南朝が置かれたり、自治都市の大阪市の平野郷日明貿易により兵庫津や堺(現在の堺市)が伸張して富を集めた。

応仁の乱を皮切りに戦国時代の戦禍に巻き込まれたが、安土桃山時代に入ると織田信長豊臣秀吉が当地に拠点を築いて経済改革を行い、また、城普請に伴って既に渡辺津や石山本願寺があった跡に大坂城が築かれ城下町が形成された。そして特に秀吉が淀川の改修工事を命じた際に、文禄堤が建設されたことが大坂と京を結ぶ安定した交通路たる京街道に結実し[10]、これらの結果として経済発展が見られた。

江戸時代には、上述の内陸水系物流ルート上の大坂上方)に、海路では西廻海運菱垣廻船樽廻船が繋がり、陸路では五街道などが整備されて、近江商人などが日本各地に分散して上方を含み日本の物資の集散地および金融の中心地へと変えた。大坂の陣の被害をうけた大坂であったが、各蔵屋敷が集まり、世界初の商品先物取引所たる堂島米会所が置かれ、遠隔地取引での為替手形も用いられるようになり、大坂は「天下の台所」として再び日本経済の中心地となった。京は富裕層向けを初めとした高付加価値商品生産地、すなわち工業都市として発展し、製品・職人が日本各地へと流れ、付随して京文化の影響を各地に与えた。

明治時代には大きく変容する。幕末の開国により西日本最大の港湾都市となった神戸は近在の兵庫を併呑して膨張し、京都近在の伏見や大阪近在の堺を瞬く間に上回り、さらには京都市をも上回る大都市となった。「天下の台所」と呼ばれた経済都市の大阪市は健在であったが、江戸期以来参勤交代で富裕層の集住に成功して大消費地となった江戸が、東京府となって中央集権体制を確立し、税と外貿で富を更に集めるようになった。また、明治時代、東京にあった明治政府による藩債処分などの影響で大きな打撃を与えられた大阪市であったが、1894年に勃発した日清戦争以後、大阪市は「東洋のマンチェスター」と呼ばれる日本最大の商工業都市に発展し、神戸市は東洋最大の港湾都市へ飛躍するなど、再び日本における文化・経済の中心地となった(阪神間モダニズムも参照)。さらに1923年の関東大震災後には関東からの移住者が多数あり(横浜市や名古屋市や神戸市に移住した者も多数あり)、文化・経済の更なる興隆を見た。一方、神戸市や名古屋市の台頭で三都の地位から引きずり降ろされた京都市だったが、昭和初期に伏見市などを編入して東京市・大阪市に次いで3番目の百万都市となり、面目を保った。また、関西における帝国大学は京都市に設置され、昭和天皇まで即位の礼京都御所で行われるなど、学術・文化面での中心性は健在であった。しかし、港湾を持たないという決定的な違いから、京都市は観光都市の道を歩むこととなる。

昭和10年代、日中戦争から第二次世界大戦へ突入していく中で近衛文麿政権により戦時体制が作られ、様々な業種が国家の統制管理に置かれる状況となって、近畿や他の地域の企業が統合されて関東に本社を置くことになったり、近畿地方から関東地方へ企業や財閥資本家の移動が相次いだ。戦後の高度経済成長期には、阪神工業地帯などでの工場・事業所の新設や拡張などで、製造業生産高が増大していくが、東京一極集中による東京への本社や事業所の移転はその後も継続している。


次ページ
記事の検索
おまかせリスト
▼オプションを表示
ブックマーク登録
mixiチェック!
Twitterに投稿
オプション/リンク一覧
話題のニュース
列車運行情報
暇つぶしWikipedia

Size:80 KB
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
担当:undef