11月16日、政府は午前の閣議で衆議院の解散を閣議決定、午後の衆議院本会議にて解散が行われた。8月8日の『近いうち』発言から、ちょうど100日目のことであった[14]。
なお、自民党以外の内閣総理大臣による衆議院の解散は、日本民主党所属だった鳩山一郎による天の声解散(1955年1月24日)以来57年ぶりであり、2020年現在も1955年11月15日の自民党発足以降で唯一の例である。また、解散の引き金となった衆議院定数の見直しについては、小選挙区定数の「0増5減」が解散前の11月15日に衆議院本会議で可決、16日に参議院でも可決し成立した(同時に提出された比例区定数40減は参議院で可決せず)が、新たな選挙区の線引きが間に合わないため、この解散に伴い執行された12月16日の第46回衆議院議員総選挙には間に合わず[15]、いわゆる『一票の格差』が「違憲状態」のままでの解散総選挙となった。
また、解散を前後して「民主党」から閣僚経験者である山田正彦元農水相、小沢鋭仁元環境相を始め、11人もの議員が相次いで離党し、新党へと合流した。この結果、民主党政権は解散を待たずして少数与党に転落した。 今般の解散に際しては各党の政治家などからさまざまなネーミングが披瀝されている。
マスメディア・政治家などによる解散命名
マスメディアなどによる呼び名
近いうち解散 - [16][17]。
野党側各政治家による呼び名
自由民主党幹事長・石破茂 - 近いうちじゃなかった『近いうち解散』。解散直後に発言。野田の発言「近いうちに国民の信を問う」について、「『近いうち』の約束が履行されたと思う人はほとんどいない」として[17]。
公明党代表・山口那津男 - 寄り切り解散。解散直後に発言。「我々が首相と民主党を寄り切り、追いつめた」として[17]。
国民の生活が第一代表・小沢一郎 - 皆殺し解散。解散直後に発言。野田が野党側による「野田降ろし」に先手を打つ形で解散を決めたが、民主党の議席は激減するとの読みから[17]。
与党側各政治家による呼び名
外務大臣・玄葉光一郎 - バカ正直解散。解散直後に発言。先述のように11月14日の党首討論で野田が小学生時代に「正直の上に馬鹿がつく」と講評されたことや、嘘をつくつもりはなかったことを発言したのを受けて[17]。
文部科学大臣・田中眞紀子 - 自爆テロ解散。総選挙後に発言。「解散時期が適切ではなかった。独りよがりで周りの意見を聴かず、他人の土俵に乗ってしまった」「惨敗するだろうと思っていたが、その通りになった」として[18]。
選挙日
2012年(平成24年)12月16日(日)
その他
8月8日に野田が発言した「近いうち・・・」は、同年の新語・流行語大賞でノミネートされ、トップ10入りを果たした[19]。
脚注[脚注の使い方]^ この状況は前回総選挙前までの自公連立政権において、自由民主党と公明党が小泉純一郎の退任後に安倍晋三→福田康夫→麻生太郎の3人の総理大臣を総選挙を経ずに選出し、この間に行われた2007年の参議院選挙で民主党が躍進し、ねじれ国会が発生した状況と類似している。
^ “消費増税法案が衆院通過 賛成363票、反対は96票”
^ “中小野党、内閣不信任・問責決議案を提出”. 日本経済新聞電子版 (日本経済新聞社). (2012年8月7日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0702C_X00C12A8000000/ 2012年11月23日閲覧。
^ ⇒“首相「近いうちに信を問う」 民自公党首、会談で合意”. 朝日新聞. (2012年8月8日). ⇒http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201208080525.html 2020年5月21日閲覧。
^ “【政治混迷】「近いうち解散」3党首合意、増税法案成立へ”. MSN産経ニュース (産経新聞). (2012年8月8日). https://web.archive.org/web/20120808223403/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120808/stt12080821150021-n1.htm 2012年9月14日閲覧。
^ 藤田直央 (2018年11月8日). “「早く解散のつもりが」悔やむ野田元首相 12年の内幕”. 朝日新聞. https://www.asahi.com/articles/ASLC77SBJLC7UTFK01K.html 2020年5月22日閲覧。
^ “【消費税増税】内閣不信任案否決、問責が焦点”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年8月10日). https://web.archive.org/web/20120810005153/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120810/plc12081000390000-n1.htm 2012年11月23日閲覧。
^ ⇒“輿石氏「今国会解散は困難」 重要法案の成立が先決”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2012年8月12日). ⇒http://www.asahi.com/politics/update/0812/TKY201208120311.html 2012年11月23日閲覧。
^ “自公、問責決議を提出 29日採決へ 首相、解散拒否の構え”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年8月28日). https://web.archive.org/web/20120828141412/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120828/stt12082819390011-n1.htm 2012年11月21日閲覧。
^ “野田首相の問責を可決、3党合意批判で公明棄権”. MSN産経ニュース (産経新聞社). (2012年8月29日). https://web.archive.org/web/20120829134919/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120829/stt12082919260009-n1.htm 2012年11月21日閲覧。
^ 内閣総理大臣野田佳彦君問責決議 - 参議院決議一覧平成24年8月29日
^ ⇒“「近いうち」…いつ? 衆院解散シミュレーション”. 西日本新聞. (2012年11月6日). ⇒http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/332661 2012年11月21日閲覧。
^ a b c d e f g h 第181回国会 国家基本政策委員会合同審査会 第1号(平成24年11月14日)会議録 - 衆議院