「farm」の語源はアングロ・サクソン人の言葉の「feorm」から来ている。feorm とは食料の貯蔵・供給と関係のある言葉で、さらにもともとは生産財や貨幣の等価物を王のための負担とするような課税の形態のことであった。時代を経て、こうした課税は土地賃貸税へと変わっていった。
一方、この単語は、中世ラテン語の名詞firmaに由来し、フランス語のfermeになり、固定された合意、契約を意味した[7]。古典ラテン語の形容詞firmusは強く、頑丈、しっかりしていることも意味するが[8] [9]、中世においては事実上すべての邸宅が主要収入源は農業の事業に依存していたので、「有料農場」fee farmの保有期間によって邸宅を保持することで、農業自体の実践と同義になったのである。以降、農地所有の意味での言葉として税金、慣習、荘園のグループの家賃、または単に「有料農場」 to farm から、封建的土地所有によって個々の荘園を保持するかどうかにかかわらず、収入源を「耕作する」fee farmという動詞へともなる。
形態と規模ノースカロライナ州の農場
イングランドでは農業単位としての農場は、常に牧草地やその他の畑の領域を、その農家、農場、別棟とともに示している。大規模な農場、または貴族などで同じ所有権を持つ農場のグループといった同じ所有者のもとにある複数の農場群は「農場(farm)」ではなく「地所(estate)」と呼ぶべきだとの意見もあり、農場と地所の区別ははっきりしない。逆に、所有者の住居を囲む自給自足の小さな農場がsmallholdingとしている。
オーストラリアで農業は重要な産業部門であるが、農場は建物を含めての一次生産に使用される土地との認識である。国連によると、同国で農業投入物の総支出はより大きな割合を地元で調達された投入物(例えば、労働力や有機肥料)の購入に向けており、地元の乗数効果もあると予想されている。全体として、グリーン農業の慣行があり、従来の農業よりも多くの労働投入を必要とする傾向もあり(たとえば、同等のレベルから30%も多い、FAO2007および欧州委員会2010)、農村地域で雇用を創出し、労働投入の収益率を高めている[10]が、収入の大部分が他の雇用からのものであって農場が拡張された住居地である場合、家庭菜園と呼ばれるほうが一般的である。そしてこれにより娯楽目的では十分可能となるが、自立するのに十分な収入が得られる可能性はほぼない。こうした家庭菜園は一般に約2ヘクタール (4.9エーカー)であるが、地価(地域によって異なる)によってははるかに大きくなる場合がある。多くの場合、集中的に一次生産に使用されている非常に小さな農場も、専門分野によって酪農場ではなく豚舎、園芸農業などに活用されている。これは、単一の目的のために特別に開発され、より一般的な目的(混合)の農業慣行に使用できないことが多い肥育場にも当てはまる。遠隔地では農場はかなり大きくなる可能性もあるが、イギリスの地所と同様な、大規模な農場が拠点になる明確な規模や運営方法は存在しない。
ソビエト連邦などの社会主義国では農地の集団化が図られ、集団農場が作られたこともあった。ソ連ではコルホーズ(集団農場)、ソフホーズ(国営農場)といったものがあり、コルホーズでは農具や作物は共有物であった。
アフリカの農場はさまざまなものがみられる。気候に関連しており地域に応じて主に牛、羊、ダチョウ、馬、山羊などの放牧家畜の飼育と繁殖で、家畜は、肉、牛乳、皮、皮革、繊維(羊毛)のために飼育されているほかに養蚕などもなされ[11]さらにたくさんの狩猟農場、ゲストファーム、ゲームファームが存在する。