軍事作戦
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防勢作戦とは敵の攻撃を想定して警戒した上で防御を準備し、敵の攻撃に応じては陣地防御や機動防御を実施することである。敵の攻撃の効果を最小化しながら我の戦闘力を保持することが出来るものの、戦闘を主導することが困難である。そのために防御と逆襲を組み合わせることが重要であると考えられる。
内線・外線作戦
外線作戦とは自分の戦力が後方連絡線を離心的に置き、敵戦力に対して包囲的な位置関係を占めた状況での作戦である。一箇所の攻撃の成功が隣接する我の戦闘に即座に貢献するため、一般的に攻撃に優位な態勢である。しかし逆包囲や各個撃破などの危険性が高い。内線作戦とは自分の戦力が後方連絡線を求心的に置き、敵戦力に包囲されている位置関係にある状況における作戦である。戦闘力を特定の箇所に集中して配置するために、一般的に防御に優位な態勢である。しかし包囲攻撃や迂回機動の危険性が高い。
決戦・持久戦
決戦とは敵の撃滅を第一に考えて行われる作戦・戦闘をいう。決戦は短期間に敵の戦闘力を徹底的に奪う撃滅戦を志向するものであり、高度な打撃力と機動力を活用することが必要である。持久戦とは自己の保全を第一に考えて行われる作戦・戦闘をいう。持久戦は長期間に我の戦闘力を保持しながら時間、拠点、緊要地形などを維持する消耗戦を志向するものであり、膨大な物量と高度な防御力を活用することが必要である。
陸海空作戦
陸上作戦は陸上戦力を運用した作戦であり、陸上において行われる。陸上作戦は地形地物の影響を大きく受けるために地形によって森林戦砂漠戦雪中戦などのように呼ばれる。陸上戦闘は緊要地形や接近経路などの作戦地域の地形特性を十分に活用することによって劣勢であっても同等に戦うことも可能である。また陸上戦力は偵察部隊、機動部隊、火力部隊、兵站部隊に大別され、これに航空戦力が連携することもある。また陸上作戦の最小単位は個人であるために部隊の心理学的な指揮官のリーダーシップ士気、団結が戦闘力に大きく貢献する。海上作戦は海上戦力を運用した作戦であり、水域において行われる。海上作戦は海象により艦艇の運動や射撃が制約されることになる。航空戦力により争う空母航空打撃戦、海上戦力と航空戦力とが争う対空戦闘、海上艦艇と潜水艦とが争う対潜戦闘、海上艦艇と海上艦艇とが争う対水上戦闘、音響スペクトルの活用を争う音響戦、機雷の敷設や掃討を争う機雷戦、船団を護衛するために行う戦闘である水上護衛戦などから成っている。海上交通路において海上戦力を用いた船舶の護衛を目的とした作戦行動を行う。航空作戦は航空戦力を運用した作戦であり、航空戦力同士の戦闘を航空戦と言う。航空作戦は地勢や気象により航空機の行動が定められる。航空作戦は大別して戦略航空作戦と戦術航空作戦がある。戦略航空作戦とは航空戦力を用いた敵の政経中枢、軍需産業などの戦略的重要拠点を攻撃する作戦である。戦術航空作戦とは航空戦力を用いた特定の地域における作戦を支援するために攻撃を行う作戦である。
統合・連合作戦
統合作戦(joint operations)とは二種以上の軍種が連携して実行する作戦である。陸軍海軍など、作戦思想や部隊編成が全く異なる軍が連携するため、指揮権や作戦行動の上で齟齬が発生しやすい。臨時または常時に統合軍を編成することがある。連合作戦(combined operations)とは二カ国以上の軍隊が連携して実行する作戦である。言語文化指揮権通信、政治的目的などの側面で差異が生じ、そこから齟齬が発生しやすいと考えられている。
戦闘行動

戦闘行動とは戦闘力を以って敵を加害し、撃退、撃破、撃滅する部隊行動であり、戦時国際法により規定される。戦術学においては攻撃、防御、後退に大別される。

攻撃とは能動的に敵を求めて戦闘力を発揮する戦闘行動である。反対に防御は受動的に敵を待ち受けて戦闘力を発揮する戦闘行動である。後退とは敵との距離を維持または増進しながら闘力を発揮する戦闘行動である。
後方支援
後方支援とは作戦行動をとる部隊に必要な各種の支援を行う活動である。補給、輸送、衛生、整備の機能があり、作戦部隊の磨耗していく戦闘力を保持する上で不可欠である。
戦争以外の軍事作戦

戦争以外の軍事作戦とは戦争ではない平時、危機、準戦時における軍事作戦を総称する教義である。これには平和維持作戦暴動鎮圧作戦、人道支援作戦、コマンドウ作戦などが含まれる。また特殊作戦は通常の軍事作戦に含まれないあらゆる軍事作戦を指すものであり、陸海空軍が基本的な任務としていない他の主要な作戦を支援するための付属的で特殊性の高い作戦である。特殊作戦の内容としては例えばゲリラ戦心理戦、革命・政治工作、政権転覆、治安維持、情報収集、後方攪乱、敵地脱出人質救出作戦、要人暗殺などである。
注釈[脚注の使い方]^ 「兵は拙速なるを聞くも、未だ巧久なるを睹ざるなり。」(孫子 作戦篇)

出典^ a b c d e f ブリタニカ百科事典【作戦】 military operation
^ 半島方面作戦サラトガ方面作戦アトランタ方面作戦ヨークタウン方面作戦

参考文献.mw-parser-output .ambox{border:1px solid #a2a9b1;border-left:10px solid #36c;background-color:#fbfbfb;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .ambox+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+link+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+style+.ambox,.mw-parser-output .ambox+.mw-empty-elt+link+link+.ambox{margin-top:-1px}html body.mediawiki .mw-parser-output .ambox.mbox-small-left{margin:4px 1em 4px 0;overflow:hidden;width:238px;border-collapse:collapse;font-size:88%;line-height:1.25em}.mw-parser-output .ambox-speedy{border-left:10px solid #b32424;background-color:#fee7e6}.mw-parser-output .ambox-delete{border-left:10px solid #b32424}.mw-parser-output .ambox-content{border-left:10px solid #f28500}.mw-parser-output .ambox-style{border-left:10px solid #fc3}.mw-parser-output .ambox-move{border-left:10px solid #9932cc}.mw-parser-output .ambox-protection{border-left:10px solid #a2a9b1}.mw-parser-output .ambox .mbox-text{border:none;padding:0.25em 0.5em;width:100%;font-size:90%}.mw-parser-output .ambox .mbox-image{border:none;padding:2px 0 2px 0.5em;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-imageright{border:none;padding:2px 0.5em 2px 0;text-align:center}.mw-parser-output .ambox .mbox-empty-cell{border:none;padding:0;width:1px}.mw-parser-output .ambox .mbox-image-div{width:52px}html.client-js body.skin-minerva .mw-parser-output .mbox-text-span{margin-left:23px!important}@media(min-width:720px){.mw-parser-output .ambox{margin:0 10%}}

出典は列挙するだけでなく、脚注などを用いてどの記述の情報源であるかを明記してください。記事の信頼性向上にご協力をお願いいたします。(2014年3月)


防衛大学校・防衛学研究会編『軍事学入門』(かや書房、2000年)

『コンバットバイブル 現代戦闘技術のすべて』クリス・マクナブ&ウィル・ファウラー 原書房

Field Manual 100-5, Operations, Headquarters Department of the Army, 1993.

関連項目

軍事力

焦土作戦

C4Iシステム


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