超高層建築物
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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震によって東日本一帯に長周期地震動が発生した。この際に東京23区では長周期地震動階級4を観測し、新宿区西新宿の超高層ビル群が長周期地震動によって揺れ動く様子が撮影された[17][18][19]東北地方太平洋沖地震における長周期地震動階級(事後分析による)
解体方法

超高層ビルの解体には、一般的な建造物に用いられるような、上部から少しずつ取壊していく方法(圧砕工法)では、高所での作業を強いられる為に困難を伴う。そのため、欧米などでは発破解体が主に用いられるが、日本では、火薬の取り扱いや関連する法規制の問題、建造物が密集しているなどの理由により、建設を逆再生させるように最上段から順に解体していく方法や[20]、ジャッキを利用してだるま落としのように下から順に解体していく方法[21]などが採用されることが多い。赤坂プリンスホテルりそな・マルハビルの解体では、大成建設により「テコレップシステム」[22]と呼ばれる順々に解体していく方法で行われた。
各国の超高層建築物
北アメリカの超高層建築物
アメリカ合衆国
アメリカ・ニューヨーク市のマンハッタン中心部 (2019年)詳細は「アメリカ合衆国の超高層建築物」を参照

アメリカ合衆国は世界の超高層ビルの先駆けとなった国で、大都市の多くは超高層ビルが集積している。特にシカゴニューヨークロサンゼルスにおいては、多数の超高層ビルが密集しているため、地上では日当たりが悪い。

また、現在では、サンフランシスコシアトルミネアポリスヒューストンダラスデトロイトクリーブランドピッツバーグボストンフィラデルフィアシャーロットアトランタマイアミなどアメリカ合衆国の主要な各都市で超高層ビルを見ることができる。また中規模以下の都市においても、アイオワ州デモインの801グランド (801 Grand)、アラバマ州モービルのRSAバトル・ハウス・タワー (RSA Battle House Tower)、ニューヨーク州オールバニのエラスタス・コーニング・タワー (Erastus Corning Tower) など、超高層ビルが建てられている都市がいくつかある。

超高層ビル発祥のシカゴでは、1890年代以降、ニューヨークにビルの高さ争いでは世界一の座を奪われ続けていたが[注釈 1]、アメリカの大手GMS(ゼネラル・マーチャンダイズ・ストア)チェーン、シアーズの本部でSOM設計のモダニズム建築であるシアーズ・タワー(442.3m、現ウィリス・タワー)が1973年に完成すると、世界一の座をニューヨークから奪還した。

2013年には、アメリカ同時多発テロで倒壊したワールドトレードセンター(528m)の跡地に1 ワールドトレードセンター(541m)が再建され、再びアメリカで最も高いビルとなった。
アジアの超高層建築物詳細は「アジアの超高層建築物」を参照

1960年代までの超高層ビル建設は主にアメリカの独擅場であったが、アジア地域の経済的発展と共にアジアでも次第に超高層ビルが増えてきた。日本の霞が関ビルディング(147m、東京都千代田区)や神戸商工貿易センタービル(107m、兵庫県神戸市)、世界貿易センタービル(162.6m、東京都港区)をはじめ、香港ジャーディン・ハウス(Jerdine House:怡和大廈、178.5m)、シンガポールのOCBCセンター(華僑銀行、Overseas Chinese Banking Corp Center:201m)などがその初期のものである。現在は経済発展が著しい中国、韓国、インド、東南アジア諸国、UAEを中心に超高層ビルの建設が進んでいる。
東アジアの超高層建築物
日本
東京西新宿の高層ビル群詳細は「日本の超高層建築物」を参照

日本では1970年代から1980年代にかけて超高層ビル建設が本格的になり、その筆頭となったのは東京都新宿区の角筈地区(現:西新宿)での淀橋浄水場再開発により建設された超高層ビル群(新宿副都心)や、大阪府大阪市北区の超高層ビル群(梅田)、竣工当時東アジアで最も高いビルとなった東京都豊島区東池袋サンシャイン60(240m)などである。

日本で最も高い超高層ビルは、東京都港区の麻布台ヒルズ森JPタワー(325m)である。2027年度には東京都千代田区に高さ385mのTorch Towerが竣工予定となっている。

200m以上の超高層ビル群は、東京特別区以外に大阪市(5棟)と名古屋市(4棟)にも所在しており、これらの都市は日本の超高層ビル群の代表格となっている。
中国
中国・上海の超高層ビル群詳細は「中華人民共和国の超高層建築物」を参照

中国では、1978年に始まる中国共産党ケ小平が指揮する改革開放路線により1980年経済特区深?珠海汕頭廈門(後に海南省)に設定された。その後1984年経済技術開発区が臨海部の14都市に設定され、この動きに上海広州などの大都市が加わると外国資本の流入から諸都市の著しい発展を見る。そして、中国経済の発展により、天津重慶長春青島大連成都武漢瀋陽、廈門といった都市でも多く超高層ビルが建設された。

現時点で最も高い超高層ビルは、上海の上海中心であり、高さ世界第3位である。


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