超短波放送
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コンバーターを装着することで対応が可能であるが、それでも一部の周波数は受信できないとされる。「en:FM broadcasting in Japan」も参照
開設形態

地上基幹放送として日本放送協会(NHK)および民間放送事業者(一般に民放と呼ばれる私企業によるもののみではなく、NHKと放送大学学園以外の事業者を指す)が国内放送を実施している。これらの事業者は、全て特定地上基幹放送事業者である。

FM補完中継局が設置される以前の放送対象地域による区分としては、NHKと民放による都道府県単位を対象とする県域放送[注釈 4]および市区町村を対象とする民放によるコミュニティ放送がほとんどである。三以上の都府県を対象とする広域放送は、民放による外国語放送[注釈 5]のみである。放送番組による区分としては、放送大学学園が実施していた大学教育放送以外は、総合放送である。

なお、放送大学学園により、関東広域圏(一部地域を除く)を対象とする放送大学として、1984年[注釈 6]以来行ってきた地上波(FMラジオ・アナログ→地デジテレビ)による大学教育放送は2018年9月限りで取りやめ、2011年10月から開始されたBSデジタルテレビ・ラジオに一本化された。
難聴取対策

県域放送については、沖縄県のNHK・民放各社の祖納与那国南大東鹿児島県のNHKの宇検大和富山県北日本放送新川、砺波の各中継局では、中国台湾韓国北朝鮮からの中波放送の混信が夜間に特に激しいため、中波放送の中継用にFM放送が使用されてきた。これらの中継局が効果的であることがわかり、都市部の難聴取対策や災害対策として、FM補完中継局が日本全国に普及した。

コミュニティ放送については、市町村が免許人となって中継局を設置できるように東北総合通信局地上波テレビ放送の難視聴対策に利用されてきた受信障害対策中継放送(通称:ギャップフィラー)の制度の活用をはじめた。
臨時目的

一時的な需要にこたえる臨時目的放送にも用いられる。オリンピック国際博覧会などのイベント時に主催者が開設するイベント放送局地震津波などの災害が発生した場合に市区町村が開設する臨時災害放送局とがある。
コールサイン

コールサインは、NHKがJO*K-FM、JO*G-FM、JO*P-FM。学園はJOUD-FM。民放はJO*U-FM、JO*V-FM(県域放送)、JO*W-FM(外国語放送)、JOZZ#**-FM(コミュニティ放送)、JOYZ#**-FM(臨時目的放送)である(凡例:*は英字、#は数字)。
多重放送

ステレオ放送はすべての局で常時実施されている。NHK-FMでは『ラジオ深夜便』の時間帯以外で放送されるニュース、緊急報道および高校野球中継以外は時報を含め実施していたが、2010年3月9日以降は一部地方放送局のローカルニュース以外となり、ローカルニュースも放送局単位で段階的にへ移行し、民放と同様に終日実施している。

文字放送は、21世紀初頭の最盛期には東京大阪名古屋など8都府県のNHK-FM、全国FM放送協議会(JFN)系列の各局、東京のJ-WAVE、大阪のFM802、一部のコミュニティ放送などで実施していたが、インターネット携帯電話の普及で文字情報が容易に入手できることとなったとして相次いで廃止。単体受信機も2007年時点で製造が打ち切られ、国内で最後まで文字放送を実施していたAIR-G'も2016年9月30日にサービスを終了した。このシステムは、カーナビに道路交通情報を提供するVICSに組み込まれ、全国のNHK-FMがデータを送信している。

独立音声放送は、TOKYO FM東海大学付属望星高等学校の通信教育講座を実施したことが唯一の事例である。受信機は専用のものが貸与され一般に市販されることはなかった。無線呼出し(ポケベル)は、標準方式が制定されたもののポケベルそのものの需要減少が急で参入する事業者はなかった。ファクシミリについては、標準方式が策定されることもなかった。

放送法施行規則別表第5号第5放送の種類による基幹放送の区分(6)は多重放送で、ア 超短波音声多重放送とイ 超短波文字多重放送がある。つまり法令上は文字放送や独立音声放送は超短波放送ではないので、地上基幹放送局の免許は超短波放送と同一の送信設備を用いても別の免許を要し、超短波放送事業者と別の事業者が参入することも可能である。実際にVICSの免許人は道路交通情報通信システムセンターである。無線呼出しやファクシミリについても実用化されることがあるならば、同様である。

なお、日本では実施されていないFM多重放送として、Radio Data System(RDS)と呼ばれるものが欧米で実施されている。
デジタル放送

デジタル化は、テレビ放送のデジタル化により空いた周波数帯を利用することを想定し、実用化試験局による試験放送が行われたが、標準方式が策定されず本放送にも至らず、周波数帯はマルチメディア放送NOTTV」・「i-dio」やFM補完中継局に割り当てられたが受信端末が普及せず終了した。


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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)
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