2003年発売のPS2用ゲーム『超時空要塞マクロス』ではプレイヤーの配属先として空母プロメテウスか宇宙空母アームド-01を選ぶことで、設定の異なるテレビ版と劇場版の2つのコースを体験できる。 本作は当初1984年8月25日公開予定[28]だったが、先行上映が7月上旬に繰り上がったため制作スケジュールが短縮された(制作期間は実質半年間[29])。また、上映時間の問題もあり、脚本や絵コンテでは予定されていたもののカットされたシーンがいくつかある。 絵コンテでは、本編終了後にエンディングテーマ『天使の絵の具』に乗って終戦後のリン・ミンメイのコンサートシーンが映し出され、主人公たち3人の未来が明示されて終わるはずだったが、作画が見送られ、公開版では暗転した画面にスタッフロールが流れる形式であった。監督の河森は、後になって考えると、このエピローグがあると観客の想像の余地がなくなるとして、カットされて良かった面もあるとしながらも、制作したいという願望を述べていた[30]。 公開3年後の1987年、このコンサートシーンを映像化したOVA『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』が発売された。以後販売されたビデオ、LD、DVDソフトはエンディングの前半部分をOVAのコンサートシーン(「天使の絵の具 part1」)に差し替え、タイトルも『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 完全版』に変更している。2007年発売のHDリマスターDVDメモリアルボックスは「劇場公開版」と「完全版」のエンディング違いの2種類のディスクを収納している(劇場公開版は上映時のオリジナル音声を収録)。 他の幻のシーンとしては、最終決戦前のマクシミリアン・ジーナスとミリア639の結婚式がある(絵コンテ改稿段階でカット[31])。このシーンは『マクロス7』作中の回想シーンで新たに作画され、原画を美樹本晴彦が担当した。公開当時の雑誌・ムック本にはこれらの絵コンテやコスチュームデザインが掲載されているが、ミンメイのステージ衣装はOVA版よりもシンプルなデザインであった。 本作のオープニングではSDF-1 マクロスが地球に向けて宇宙航行を続けている理由や、同艦内の市街地で大勢の市民が生活している理由などが説明されていない。河森は、状況説明を省いた理由について「最も見て欲しいところに注目してもらうために、不必要なところを切り捨てた[32]」「意地でも説明ゼリフは入れまい!と思っていた[33]」と述べたが、スタジオぬえの先輩である高千穂遙は「河森がテレビ版『マクロス』を見ていない一般観客を相手にした以上、その賭けは敗れたと見るほかはない[34]」と批評した。 1997年発売のSS・PS用ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のオープニングムービーでは、河森による監修のもとでテレビシリーズ第1話から第3話までのエピソードに相当する開戦時の状況が描かれている。この映像は、DVD『マクロス20周年プレミアムコレクション』(2002年)や『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか HDリマスター メモリアルボックス』に収録されている。 2009年2月、SDF-1マクロスの進宙式典が催されていた南アタリア島に、突如ゼントラーディ軍上陸部隊が奇襲を仕掛け、島民はマクロス艦内に避難する。支援のため洋上の空母プロメテウスからバルキリー隊が発進するが、直後に衛星軌道上からのビーム攻撃でプロメテウスが撃沈。母艦を失ったロイ・フォッカー指揮下の一条輝、マクシミリアン・ジーナス、柿崎速雄らスカル小隊は南アタリア島へ急行する。
幻のシーン
劇場版ストーリー