超光速航法
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『スタートレック』シリーズでは、亜空間という架空の空間により、光速以上の速さで移動できないという相対性理論との矛盾を回避している。これと似た方法では、『エイリアン』シリーズにおいては、「超推進エンジン」が船の周辺に「超推進フィールド」を張り巡らせ、この中の物体は光速を超えることができる。超推進中の船から脱出ポッドが飛び出した場合は光速以下に減速するため、強力な慣性力がポッドにかかる。しかし、ポッド船体や搭乗員にダメージが及ぶほどではない描写がある。それと同様、冷凍睡眠の延長上と思われる「超睡眠カプセル」も用いられる(ただし、通信については電波を亜空間経由で通す超光速通信がなされていることが、『エイリアン3』で描かれている)。
ハイパースペース・トラベル
アイザック・アシモフは晩年の作品『ネメシス』において、『ファウンデーション』シリーズなどに登場する超光速航法「ハイパースペース・トラベル」の開発史を描いている。それによると、ハイパースペース(超空間)通過時においても宇宙船は通常空間の恒星などの大質量点による引力の影響を受けるが、超光速においてはそれが逆に斥力として作用するため、通常空間復帰時に誤って恒星やブラックホールなどに突っ込んでしまう恐れは無い、と説明されている。
光速伸張航法
本職の工学者である石原藤夫は、自らのSF小説『ホワイトホール惑星』に登場させた「白黒穴帆型推進システム」において、ローレンツ収縮の公式とツィオルコフスキーの公式(と他の幾つかのやや強引な仮定)を元にして、「数式的に」超光速運動の原理を証明して見せた。また、石原藤夫の別の作品、太陽系を中心とした直径100光年の球殻宇宙「光世紀世界」を舞台にしたハードSF「光世紀パトロール」シリーズには「光速伸張航法」が登場する。
跳躍航法(ジャンプ・ドライブ)
山本弘の小説『サイバーナイト』では、極めて小さな時間単位(プランク秒未満)のうちでは物理法則が無効になるので、その時間単位内で膨大なエネルギーをつぎ込んで超光速で移動するという「跳躍航法(ジャンプ・ドライブ)」が使われている。山本の作品では、パロディも含めてこの種の超光速航法が多数登場する。また、山本の別のSF小説『ギャラクシートリッパー美葉』シリーズでは、人間原理を応用した「観測しない」方式も挙げられる。この方式の根底には「光速を超えた航行は相対性理論によって否定される」という事実がある。換言すれば、航行者が光速を超えた航行を観測しないことによって超光速飛行状態を攪乱しないとき、かつそのときに限り超光速飛行状態が維持されるのである。つまり、宇宙船の乗員や外部からの観察者が「現在、宇宙船が超光速で移動している」という事実を、絶対に「見ない」「知覚しない」ことで、超光速状態を維持するのである。
Ωドライブ、超光速シャフト、フィリップス駆動、レストラン数論ドライブ
同様に観測問題的トリックを使用するものには、神林長平の『敵は海賊』シリーズに登場する「Ωドライブ」と、谷甲州の『終わりなき索敵』に登場する「超光速シャフト」の利用がある。それぞれ細かいカラクリは異なるが、方法としては目的空間に先行情報を送り込み、その場所における存在確率を上げてから実体を送り込んで辻褄を合わせをする点で共通している。海外のSFで似た方式を取るものとして、ジェイムズ・P・ホーガンの『創世記機械』に登場する「フィリップス駆動」がある。これは物質を高次空間の波動が4次元空間に投射されたものとみなし、出発地で一旦分解したパターンを目的地で再構成することで移動を行う。また、観測問題的トリックを用いたものの亜種あるいはパロディに、ダグラス・アダムスの『銀河ヒッチハイク・ガイド』に登場する、「レストラン内での数の非絶対性」を用いた「レストラン数論ドライブ」がある.それ以外の超光速航法には、高次元空間や亜空間、二次元空間などの相対性理論が適用されない空間を通過する方法などがある。
ワームホール
宇宙船の装置による超光速航法以外に、宇宙の特定の場所の間にはワームホール(虫食い穴)という抜け道が存在し、そこを通ることによって超光速を達成するというものもある。ワームホールは宇宙が出来た時から自然に存在していた場合や、超文明を持った宇宙の先住種族の技術によって作られた場合、人類の技術によって作成した場合などがある。前者の「宇宙ができたときから自然に存在していた」という設定では野尻抱介の『クレギオン』シリーズが、「超文明を持った宇宙の先住種族の技術」としてはアーサー・C・クラークの『2001年宇宙の旅』に登場するスターゲートがある。なお、後者の人類によって作製されたワームホールゲートを利用したものとして、『太陽の牙ダグラム』にて地球-デロイア間の移動に用いられているものがある。これは後述の通りそのままの名称を用いている。

その他は以下のようなものがある。超光速機関・超光速航法の一覧を表示するには右の [表示] をクリックしてください。

AL-38 スリップストリーム機関群(『ウォーハンマー40,000』/ゲームズワークショップ

Cプラス推進(『バーサーカー』シリーズ/フレッド・セイバーヘーゲン

DSドライブ(『伝説巨神イデオン』)[1]


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